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キャンプ・アウトドアWebマガジン「hinata」編集部。年間に制作・編集する記事は600以上。著書に『ひなたごはん』(扶桑社ムック)など。
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もくじ
「本当に必要なテント」が分からない…。
キャンプギアを選ぶとき、何を参考にして、何を基準に選んでいますか。たくさんの情報があふれている今、自分に最適なギアを選ぶのは意外と難しいもの。そんな初心者の方のため、日々あふれるようなキャンプギア情報に触れているhinata編集部が、キャンプギアをどんどんジャッジしていきます。
今回のテーマは、ファミリーテント。大手スポーツ・アウトドア店「スーパースポーツゼビオ」とアウトドア専門店「エルブレス」で購入できる物の中から5つのテントをピックアップしました。気になるものはそれぞれ実際に手にとってみてください。良い点も悪い点も包み隠さず徹底比較します!
あなたにぴったりのテントは?hinata編集部が本気でジャッジ!
出典:ibaki / ゲッティイメージズ
今回選んだのは、以下の5つです。
①ogawa ツインピルツフォークL
②ホールアース ハーフクーヘン
③コールマン タフワイドドーム
④ノルディスク アスガルド
⑤スノーピーク アメニティドームL
どれも多くのキャンパーに愛されるテントばかり。ですが、それぞれ愛される理由は異なります。その違いを明らかにして、あなたにぴったりなテントを見つけましょう!
①ogawa ツインピルツフォークL
【ここが良い①】このサイズにして、破格の軽さ!
【ここが良い②】老舗のテント屋が見せる、細部へのこだわり
従来のツインピルツフォークT/Cが630×355×210cmであるのに対して、長さ700×幅400×高さ225cmと一回り大きいサイズ。4人家族で別売りのインナー等を取り付けてツールームテントとして使うには十分な高さと奥行きです。
総重量はたったの8.2kg。これほどの大型幕であれば、通常は20kgほどになる場合が多いですが、ツインピルツフォークLは、ポールの素材にスチールではなくアルミ合金を使用することで、重量を抑えています。
幕の中央にファスナーが付いているのがこのテントの大きな特徴。ドアパネルを二つに分けられるため、片方を閉じればプライベート感がアップします。慣れてくればさまざまなアレンジに挑戦できるのも今後の楽しみの一つになりそうです。
このファスナーはトリプルファスナーになっており、換気やストーブの煙突を出すのに役立ちます。サイドウォールも付いていて、雨風もしっかりしのげます。さらに下部に付けられたスカートが冷気を防ぎ、冬でも活躍。老舗のテントブランドならではの細かい気遣いが感じられます。
【ここが気になる】あくまで「幕」。寝泊まりにはオプションが必要…。
ツインピルツフォークLは、正確にはテントではなく「幕」。シェルターというタープの一種です。床がないため、オプションパーツであるインナーテントを導入したり、小さめのテントを中に入れてカンガルースタイルにしたりと寝泊まりするための準備が必要です。ツインピルツフォークL自体は、価格が10万円以内とお財布に優しいですが、実はテント泊するために追加で出費の必要となってしまいます。
【結論】大人数でワイワイ宴会したい方におすすめ
寝泊まりに工夫は必要ですが、裏を返せばそれだけさまざまなスタイルが試せるのはツインピルツフォークLの魅力。家族が多い方や、仲間も呼んでワイワイとファミリーキャンプをしたいという方にはぴったりです!
【基本情報】
使用サイズ:700×400×225cm
収納サイズ:75×28×28cm
カラー:サンドベージュ×ダークブラウン
重さ:8.2kg
素材:
[フライ]ポリエステルリップストップ75d(耐水圧1,800mm)
[ポール]6061アルミ合金
付属品:張り綱、アイアンハンマー、スチールピン、収納袋
②ホールアース アースハーフクーヘン
【ここが良い①】やっぱりツールームが快適
リビング部分と前室が分かれているツールームテント。トンネルテントとも呼ばれる、家族で使うのにぴったりな今流行りのテントです。定番のドームテントと異なり、かがまずに移動できるというのがツールームテントの特徴です。
【ここが良い②】設営のしやすさはピカイチ
ツールームテントの特質上、設営のしやすさはピカイチです。アースハーフクーヘンはポール3本でトンネル形状をつくり、あとはペグで固定するだけ。構造もシンプルで初心者でも扱いやすいのも人気の理由です。特に、ポールの色とはめ込む場所の色が明示された「カラーアシストシステム」で、初めての設営でも安心です。女性でも慣れれば15~20分ほどで設営できます。
【ここが気になる】悪天候時が心配?
すべてのトンネルテントに共通する弱点として、悪天候時、風の影響を受けやすいという弱点があります。しかしこのアースハーフクーヘンは、入り口から奥にかけて後ろ下がりのデザインになっているため、風をなるべく受け流す構造になっています。
ファスナーにはレインブロック構造が施されており、防水性を向上させています。さらに風や冷気の侵入を軽減するウィンドガードスカートも搭載しているため、悪天候への対策はばっちりです。ただし、ドームテントと比べると、やはり心配なのも事実。ここは気にしておきたいポイントです。
【結論】ビギナーテントとして、もっとも手に入れやすい!
設営が簡単で、昼夜ともに過ごしやすいホールアースのアースハーフクーヘンは、一番最初に購入するテントとしてもっとも最適です。自分のスタイルにまだ迷っている方は、まずはこちらを使ってみるのが良いのではないでしょうか。
【基本情報】
使用サイズ:
[フライシート](約)255×500×190cm
[インナーテント](約)235×235×165cm
収納サイズ:(約)82×25×25cm
重さ:(約) 12.95kg ※付属品含む
付属品:スチールペグ、張り綱ロープ、収納ケース、修理用ポールスリープ 13cm×1本
※ハンマーは付属されていません。
※キャノピーポールは別売りです。
③コールマン タフワイドドーム
【ここが良い①】家族4人でも身長180cmでもゆったり
タフワイドドームの魅力といえば、居住空間の快適さ。床面積は300×300cmと寝袋を4つ敷いても十分な広さです。子どもが小さければさらに広々使えます。そして天井の高さが185cmと、一般的なドーム型テントと比べて高めになっています。そのため、お父さんやお母さんの身長が高めの場合でも、タフワイドドームなら安心です。
【ここが良い②】設営簡単なのに、風にも強い
ビギナー向けに作られたこのテントは、設営も簡単。タフワイドドームには「アシストクリップ」が搭載されており、ポールとインナーテントを固定するクリップが非常に外れにくい仕様となっています。そのため、通常は複数人で同時に立ち上げないと設営が難しいドームテントでも、片方をあらかじめアシストクリップで固定しておけば、1人でも簡単に建てられますよ。
背が高く、設営も簡単なタフワイドドームは風に弱いのでは、と思われるかもしれませんが、そこは安心。アルミ合金製のポールを使用しており、強い風が吹いても安定は抜群です。風速15m~20mでの実証テストもきちんとクリアしています。
【ここが気になる】うちのテントどれ?問題
唯一の問題点と言えるのは、使い勝手の良さやコールマン自体の知名度から、多くのファミリーキャンパーが愛用していることです。夜中にちょっとキャンプサイトを離れたら、どれが自分のテントか分からなくなってしまった…なんてことも。人との被りが気になる方は、留意しておく必要があります。。
【結論】みんなが使っている=安定のテント!
人とかぶりがちというデメリットはありますが、それだけ多くの人から支持を集めているということ。品質を心配する必要はありません。家族4人ほどでゆったりと空間を使いたいという家族におすすめです。
【基本情報】
使用サイズ:約300×300×185(h)cm
収納サイズ:約25×75cm
重さ:約10.6kg
耐水圧:約2,000mm(フロア:約2,000mm)
収容人数:4~6人
付属品:ペグ、ロープ、ハンマー、キャリーバッグ
※キャノピーポールは別売りです(180cmが最適)。
④ノルディスク アスガルド12.6
【ここが良い①】かわいいデザインにメロメロ
アスガルドはベル型コットンテントの定番。サーカスのテントのような三角形のシルエットと、コットンの優しい風合いが人気です。ワンポールで天井が高いうえ、下部が垂直に立ち上がっているため、テント内が非常に広くなっています。自在なレイアウトが楽しめるため、インスタグラムでも見かけない日はありません。おしゃれにキャンプがしたいという方にはぴったりです!
【ここが良い②】暑さにも寒さにも火の粉にも強い!
コットン素材の性質上、生地の中に空気の層ができるため、通気性や透湿性に優れています。また厚手の生地は遮光性も高くなっています。そのため、「夏は涼しく、冬は温かい」というオールシーズン快適に過ごせるテントです。火の粉で穴の空きやすいナイロンやポリエステルなどの化学素材と比べ、コットンは燃え広がりにくく、焚き火の際にそれほど火の粉に気を使う必要がありません。
【ここが気になる】扱いには一苦労…。
アスガルドにおいて、ネックとなるのは重量。18.5kgもの重さがあるテントを持ち運んだり設営したりするのは、かなりの重労働になります。雨に弱くカビやすいのがコットン素材の特徴。しっかり防水スプレーをかけたり、使用後は念入りに干したりと、丁寧なメンテナンスが必要となります。
【結論】手がかかる子ほどかわいい
扱いに手間暇はかかりますが、その分愛着が生まれるというもの。見た目の良さや、1年中使えるという点も魅力です。上級者キャンパーを目指したいというおしゃれファミリーにはぴったり。
【基本情報】
使用サイズ:400×375×250cm
重さ:18.5 kg
収容人数:6人
耐水圧:350mm
付属品:ポール×2本、ペグ26本
※フロアは付属していません。
スノーピーク アメニティドームL
【ここが良い①】荷物はまるっと広い前室へ
家族向けのエントリーモデルテントとして定番となっているアメニティドーム。使ってみて実は嬉しいのが、前室の広さです。夜、外に出しているキャンプギアは、夜露に濡れたり盗難の心配がつきもの。寝る前に前室へさっと入れておけば安心です。夜がふけてきて子どもが寝てしまった後、大人の晩酌タイムとして使うのもおすすめ。アイデア次第でさまざまな使い方ができます。
【ここが良い②】美しいフォルムと頼もしいポールで耐風性は抜群
キャンプの大敵といえば、風。強風に煽られて、テントが飛ばされたり破損してしまったら、その日の寝床がなくなってしまいます。アメニティドームなら心配無用。可能な限り天井を低く、また流線型のフォルムにすることで、風を受け流してくれます。そしてポールの素材には頑丈なジュラルミンが使用されているため、簡単に折れてしまう心配がありません。
もし破損してしまった場合でも、スノーピーク製品なら無期限修理保証付き。製品上の欠陥が原因の場合は無料で、その他の場合は有料となりますが、どんなに古い製品でも必ず修理してくれます。
【ここが気になる】いつの間にか投資金額が増えている!?
この性能で5万円以内というお得感たっぷりのアメニティドームですが、実は購入後に思わぬ出費が増えてしまうかもしれません。スノーピーク製品はその品質の高さゆえ、他のブランドに比べてお値段もそれなりに上がります。例えばテントと一緒に使用するグランドシートは、価格が2万円弱。併せて購入すると7万円近い出費になります。連結しやすいタープやシェルターも…と知らず知らずのうちに初期投資がふくれ上がっていることも。
【結論】あなたもきっとスノーピークファンになる
少しお値段は張りますが、確かな品質と高いデザイン性を持つスノーピーク製品にほれ込んでしまう方も少なくないはず。世界観が統一されているため、同ブランドのギアを集めるだけで簡単に洗練されたキャンプサイトができあがります。長くキャンプを続けていきたいと考えている方におすすめ。
【基本情報】
使用サイズ:310×540×165cm
収納サイズ:73×23×27cm
重さ:9.8kg
収容人数:6人
あなたはどのテントを選ぶ?
出典:PIXTA
タイプの違う5つのテントをそれぞれ解説しました。これらのテントはすべて、大手スポーツ・アウトドア店「スーパースポーツゼビオ」・アウトドア専門店「エルブレス」で見ることができます。実際に比べてみながら、ぴったりのテントを選んで、ぜひ家族でキャンプデビューしてみてください!