秋キャンプは焚き火を始めたい!焚き火初心者のための火起こしガイド
キャンプの楽しみの一つが、焚き火。夏にキャンプを始めたばかりの人で、涼しくなってきた秋に焚き火を始めたい人も多いのではないでしょうか。初めての焚き火を体験するためにどのような準備が必要なのか、手順とともに紹介します。
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キャンプ・アウトドアWebマガジン「hinata」編集部。年間に制作・編集する記事は600以上。著書に『ひなたごはん』(扶桑社ムック)など。
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朝晩の肌寒さ。秋のキャンプにほしくなる焚き火!
夏のキャンプデビューの心残りは…
人混みの少ない場所でのレジャーの人気が高まる中、自然を求めてキャンプデビューを果たした人も多いのではないでしょうか。夏の暑さで焚き火をしないキャンパーも多いですが、秋を迎えたら焚き火のシーズンが始まります。
秋キャンプは、焚き火にトライ!
街でも日の暮れる早さや少しづつ涼しさを感じられるようになってきた9月。秋の訪れをしみじみと感じていると、山の方ではさらに秋が深まっています。少し肌寒さすら感じる季節になったら楽しくなるのが焚き火です。キャンプの醍醐味といっても過言ではない焚き火に、この秋チャレンジし、キャンパーとしてもステップアップしましょう!
キャンプといえば、焚き火!
「焚き火」と一口に言っても、焚き火のスタイルは大きく分けて2つあります。それぞれの良い点、気をつけるべき点を紹介します。
地面の上で直接火を使う「直火」スタイル
「直火」とは、地面に直接薪を組み着火する焚き火スタイルのこと。マンガやアニメの焚き火シーンをイメージして思い浮かぶのは、このスタイル。直接地面で焚き火をするスタイルにワイルドさが感じられます。川沿いなどで石がたくさんあるサイトでは、石を積み上げ、焚き火台のような形にして楽しむ方法もあります。
ただ、現在は直火を禁止している施設は多く、直火で焚き火をしたい場合には確認が必要です。
焚き火をするなら今や必須の「焚き火台」
現在の焚き火の主流は、「焚き火台」を使ったスタイル。直火ができない施設がほとんどのため、焚き火台は必須アイテム。各メーカーからソロや大人数向け、観賞用、調理用など種類はさまざま。焚き火台を使用することで地面を焦げ付かせることを防ぎ、直火よりも火の管理がしやすくなります。
焚き火台の使用で気をつけたいことは、重さと組み立て方法。焚き火をする人数や保管スペースなど、あらかじめ調べた上で、自分たちのキャンプスタイルに合ったものを選びましょう。
焚き火を始める前の準備
焚き火に必要なアイテムを準備
▼焚き火を始めるために必要なアイテムはこちら
【焚き火に使用するアイテム】
■必須でそろえたいもの
・焚き火台
・火バサミ(柄の長いトングでも代用可)
・耐熱グローブ
・火吹き棒(空気入れやうちわでも代用可)
・着火剤
■できればあれば良いもの
・薪置き台
・ナタやオノなどの刃物
・難燃シート
どれが正解?着火剤の選び方
▲着火剤として使える松ぼっくり(左)と固形タイプの着火剤(右)
焚き火を始める際、着火に必要なのが着火剤。いきなり薪にそのまま火をつけようとしても、燃え始めるのはまれ。そのため最初に着火剤を使うことで、火を大きくし、徐々に薪に火を移していきます。
着火剤は固形や液体など、さまざまタイプのものが販売されています。市販のものだけでなく、自然の中にもあります。その代表格が松ぼっくり。松ぼっくりに含まれる油の成分が着火剤としての役割を果たします。基本的には市販の着火剤を準備し、着火剤が途中でなくなったり、忘れたりしまった場合は、キャンプ場内で松ぼっくりを探して代用できます。
実は違いがある薪の選び方
▲それぞれ両手に持っている薪。実は種類が異なります。
焚き火をするために必ず必要となるのが、燃料となる薪。薪というとどれも同じように思えますが実は種類があり、それぞれに特徴が異なります。では、どのような種類、特徴があるのでしょうか。
▲広葉樹の薪(左)と針葉樹の薪(右)
薪の種類は主にマツやスギなどの「針葉樹」とナラやクヌギといった「広葉樹」の2つに分けられます。左にあるのが広葉樹で、右にあるのが針葉樹。広葉樹は、年輪の境目がわかりにくくなっており、反対に針葉樹は年輪がくっきりとしています。
針葉樹は油分が多いため火の付きがよく、燃えるのもすぐ。広葉樹は、針葉樹と比べて火の持ちが良い反面、火の付きは悪く、焚き火の序盤での使用には向いていません。焚き火台に入れる順番は着火剤、枯葉、小枝→針葉樹→広葉樹の順番が理想的です。
いよいよ火起こし!
焚き火台に着火剤をセット
焚き火台を組み立てたら、着火剤と枯葉や小枝など燃えやすいものを焚き火台にセットします。
着火剤の上に薪を組む
着火剤などの上に、薪を組みます。薪の組み方にもいろいろバリエーションがありますが、今回は初心者でも真似しやすい「井桁組み」にしました。井桁組みは、薪の隙間から空気が入り込み、熱せられた空気が自然と上昇気流となって火が上がりやすくなります。組み方が簡単なうえ、ダイナミックな燃え方になるため、初心者におすすめな組み方です。
焚き火だけでなく、ダッチオーブンなどでの調理時にも使える耐熱グローブ。焚き火を始めるなら確実に準備したいアイテムの一つです。
意外とコツがある着火
焚き火台に薪を組んだら、いよいよ着火!まずはガスバーナーで着火剤に火をつけます。着火剤に火がついても、周りの枯れ葉や小枝に火が回るのを確認するまでは、ガスバーナーの火を消さずに火を当て続けます。
火を育てる
着火したら、次は火を大きくしていきます。火吹き棒で空気を送りこむことで、酸素が焚き火の中心に入るので火が大きくなります。火吹き棒で空気を送り込み、火が大きく育っていく過程は見ものです!
なかなか火が大きくならないからといって、組んだ薪を動かさないようにしましょう。せっかくできた空気の通り道が崩れてしまうので、じっと見守ることも重要なポイントです。
炭の火起こしなら専用のアイテムが便利!
チャコールスターターとは、炭の火起こしを早く、かつ簡単に行える道具。筒状の形状に炭を入れて効率よく燃焼を促進させられます。炭で調理をするときのために1つあると便利なアイテムです。
ついに焚き火が成功!
火が大きく、安定した火力になったら成功!
火がある程度安定してきたら、薪を広葉樹に切り替えます。広葉樹にもしっかりと火がつくことで、火持ちの良い焚き火となります。これで、初めての焚き火は成功!
キャンプで焚き火ライフを満喫しよう!
夏に始めたキャンプも、焚き火を通してステップアップ。キャンプならでは醍醐味を味わうならぜひ、この秋に焚き火を始めてみてください。