冬キャンプの防寒着。ダウン・フリースの次は、毛布と布団がきてるらしい。
2020.02.20ファッション
「防寒性が高くて動きやすい。それでいて、冬キャンプとタウンユースに最適なウェアが欲しい…」。そんなことをhinata編集部でボヤいていたら、「ストレスフリーなアイテムを展開している『オールユアーズ』なら見つかるかも」との情報を入手! 聞けば、「着る布団」、「まとう毛布」と称される服をラインナップしているとのこと。その真相を確かめてきました。
制作者
キャンプ・アウトドアWebマガジン「hinata」編集部。年間に制作・編集する記事は600以上。著書に『ひなたごはん』(扶桑社ムック)など。
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もくじ
冬キャンプだって、アクティブに楽しみたい!
満天の星、体の芯から温まるご飯、焚き火やストーブを囲んでの談笑など、冬キャンプならではの楽しみは多いもの。ただ、一番の天敵は、夜が深まるとともに増してくる寒さ。保温性の高いインナーを着て、カイロを貼って、アウターを重ね着。それなりに寒さ対策をしても、肩周りがガチガチになって動きにくい…。動くのが面倒→アウトドアチェアに座り続ける→体感温度が下がる。そんな悪循環が生まれることもしばしばでした。
写真のように視線はずっと足元だから、目の前に広がるのは美しい星空ではなく、ストーブや焚き火の炎と仲間の足みたいな状況。その度に「あれ、アウトドアなのに全然アクティブじゃない!」と思ってしまいます。そんな折に聞いたのが、「まとう毛布」と「着る布団」を展開しているブランドの情報。「布団を着るって、どういうこと? 」。頭の中に浮かんだ疑問を解決するため、取材用ノートを片手に「オールユアーズ」の店舗を訪れました。
保温性にこだわったまとう毛布「モフ」
(取材メモ)
・ふかふかでモフモフ、だから着る毛布。
・毛布づくりの本場、大阪府泉大津市で生産。
(解説)
ふかふかでモフモフな「モフ」は、毛布生産量日本一の大阪府泉大津市の工場で仕上げられています。化学繊維を一切使用せず、表面の綿はふわっと柔らかく、裏面のウールは毛布のように優しい肌触り。
あたたかい空気をたくさん溜め込めるように、ウールを極限まで起毛。素材の質にこだわった分、密度をあえて下げることで、温かさを担保しつつも、動きやすいウェアを完成させることができたようです。温かくて動きやすい、ウールとスウェットのいいとこ取りをした「モフ」は、毛布をそのまま羽織っているかのような着心地のいいウェアです。
細かいところまで抜かりなし
手がすっぱり収まるサイズのポケット。もちろん、中には温かくて心地いいウールが。こういう細かいディテールまでこだわっているところに、ディレクターの優しさが詰まっています。
【基本情報】
価格:22,000円(税込)
カラー:ブラックのみ
https://store.allyours.jp/items/23026111
防風性にこだわった着る布団「ディフェンダー」
(取材メモ)
・布団メーカーに中綿を発注。オリジナルの素材に!
・遮断ばっちり+保温性を確保。
(解説)
掛け布団に使われている、薄くて暖かい特殊な中綿を使った「ディフェンダー」。冷たい外気をしっかり遮断してくれるさらっとした質感のナイロン、中綿には太陽の熱や身体の熱を保温してくれる軽量な糸を使用しています。
洗濯しても中綿が寄らないよう、細かくキルティングを施しているため、温かく、動きやすく、速乾性もあるといううれしい3拍子がそろったアイテム。洗っても寝ている間には乾くため、連日の着用も問題なし! 襟がなく薄い素材で仕上げているため、コートの中に着るインナーとしても着用できます。布団のように温かくて防風性も高く、着ぶくれすることなくスマートに着こなせるのが、ディフェンダーの魅力です。
首元にはカイロ用ポッケを配置
とても寒い日には、カイロを入れられる首元のポケットが活躍します。貼るタイプのカイロだと、熱くなった時に外すのが面倒! でも、さくっと入れられて、さくっと取り出せるポケットが首元にあるので、温度調整も楽ちんです。
ヴィンテージライクなテイストも
ヴィンテージ好きなディレクターが手掛けていることもあり、ハンティングジャケットのテイストをプラスしています。後ろについた2つのハンティングポケットを合わせると、ポケットの数は5つ。スマートフォンと財布、キーケース…、収納力も問題ありません。
【基本情報】
価格:22,000円(税込)
カラー:ベージュのみ
https://store.allyours.jp/items/23026077
試着して確かめてみた
防寒性に関するスペックは理解できたけど、本当に動きやすいのか、ディフェンダーを試着して検証してみました。
まず驚いたのが、その軽さです。しっかり着ていても、さらっと羽織っているような身軽さ。素材にストレッチを効かせているからゴワゴワせず、グルンと肩を回してもつっかえることは一切なし。これなら、さくっと動くことができそう。
例えば、仲間にオリオン座を説明するときとか…、手を高く上げることも楽々。何より、ローチェアから立ち上がって何か物をとるときの「どっこいしょ感」が減りそうです。
担当者に聞きました。「なんで、こんなに軽いんですか?」
━━━暖かい服はどうしても重たいイメージですが、なぜこんなにフワッとした着心地を実現できたのですか?
中込:一般的な長袖コットンパーカの重さは約700gです。それに比べてモフ(サイズ4)は520g、ディフェンダー(サイズ4)は500g。この約200gの差が、着心地に大きく影響してきます。「オールユアーズ」はこれまで、着ていることを忘れてしまうような服をテーマに、全ての商品をディレクションしてきました。この2着も同じように、極限まで軽くして、ストレスなく着こなせるウェアにしています。各素材にとことんこだわることで、軽くて暖かい服を開発できました。
━━━「モフ」と「ディフェンダー」、それぞれを開発するにあたってのテーマは何だったんですか?
中込:「モフ」は、ウールのように温かく、スウェットのように軽く、動きやすく、お手入れ簡単な服がつくれないか、という考えがスタートでした。「ディフェンダー」のテーマは、「ちょうどいい冬支度」です。ハイスペックな素材をミニマムに使用することで、汎用性の高いアイテムに仕上げています。
━━━どのアイテムもデザインがシンプルで、汎用性の高さを感じていました。
中込:機能性を重視して、装飾という意味でのデザインはほとんど施していないからだと思います。着飾るための服を求めている人からすると、少し物足りないかもしれません。あらゆる情報をそぎ落とし、余白のあるデザインにすることで、普遍的なアイテムを展開しています。10年後も20年後も、持続して愛用してもらえるように、あえてシンプルでミニマムな服を制作しています。
━━━ビンテージからインスパイアされている部分もあると感じたのですが、いかがですか?
中込:ディレクターがビンテージオタクなので…。よく古着屋に足を運んで服づくりの研究をしています。「オールユアーズ」のルーツはアメリカンワークです。「LEVI'S」や「HANES」のようなオーセンティックなブランドをとてもリスペクトしています。もし、「LEVI'S」の創業者が、現代で服をデザインするならどんなアイテムを作るのか? などと考えることもよくあります。現代の人たちのライフスタイルを考え、今求められている服は何か? その課題を洗い出してから、服を作ることを大切にしています。
━━━ちなみに、「モフ」と「ディフェンダー」はどういう風に着こなすのがおすすめですか?
中込:アウトドアシーンでも、日常シーンでもお好きなように着こなしてもらえればと考えています。ただ、インナーとして使い回しやすい「モフ」は、暖かい空気の層をためる服。さくっと羽織れる「ディフェンダー」は冷たい空気を遮断する服と認識していただければと思います。それぞれ強みが違うため、インナーに「モフ」を着て、アウターに「ディフェンダー」を着るのもおすすめです!
番外編:お店の入口には、ガチャポンが!
ファンのことを「共犯者」と呼んだり、トークイベントなど開催したり。ユニークな発想で、アパレルブランドの枠を越えて活動している「オールユアーズ」。お店に訪れた際は、入口に置いてあるガチャポンに気分が上がりました。
お店の外観は、洋服づくりと同じで引き算の美学を反映した印象。余白のある空間で、とても洗練された雰囲気が漂っています。でも、少し気になりません? 黄色と赤のガチャガチャ。オリジナルのピンバッジを販売しているそうです。
シンプルなブランドロゴを配したものもあれば、おそらくアタリであろうディレクターをキャッチーにあしらったものなどがあり、少しワクワクしました。ここで働いている人たちは個性的(ちょっとクセが強め!)で面白い方ばかりなので、ふらっと立ち寄って無駄話に花を咲かせるのもいいかもしれません。
【基本情報】
店舗名:ALLYOURS STORE
住所:東京都世田谷区池尻2-15-8 1F
アクセス:
[公共交通機関]
東急田園都市線池尻大橋駅東口出口から徒歩5分
電話:03-6413-8455
営業時間:
水・木・金:15:00 - 21:00 土・日・祝:12:00 - 20:00
定休日:月・火
公式はこちら:https://store.allyours.jp/