キャンプ・アウトドア情報メディア | hinata〜もっとそとが好きになる〜
焚き火

出典:PIXTA

焚き火台の選び方教えます!専門店の店主が機能別に徹底解説【再掲】

2020.09.15ノウハウ

日に日に気温も下がり、焚き火のありがたさを感じるようになる秋。SNSでは焚き火台のレビューや話題も活発になってきました。そもそも数ある焚き火台の中からどのような視点で選べば、理想の1台にたどり着けるのでしょうか。焚き火専門の人気アウトドア店「iLbf(イルビフ)」(埼玉県三郷市)で、焚き火台の選び方や注意点についてお聞きしました。

焚き火台の分類を伝授!

「暖をとるために焚き火台を新調したい」「とりあえず買ったが、使いづらいので買い換えたい」。キャンプに求めるものは人それぞれ。ネット上での口コミが良くても、必ずしもその焚き火台が自分のスタイルに合うとは限りません。数ある焚き火台の中で、どのような分類があり、どのような基準で選べば、理想の1台を見つけられるのでしょうか。焚き火を専門にしたアウトドア店「iLbf」オーナー堀之内健一朗さん(43)に解説してもらいました。

まずは目的を明確に

石田:焚き火台は大手メーカーからガレージブランドまで多くの商品が流通し、群雄割拠の時代となりました。数多くの中から1台を選ぶのに悩んでいる初心者も多いと思いますが、焚き火台を選ぶのにまず大事な点は何でしょうか。 堀之内さん:まずは焚き火台を使う目的を知りたいですね。そもそも直火がダメなキャンプ場が多くなっているという前提はありますが、焚き火台で重視すべき目的は、「鑑賞」「調理」「両方」の3体系に分けられます。調理にしても、薪か炭なのかで、機能も異なります。
石田:調理目的の人も多い焚き火台ですが、炎の観賞を重視したアイテムというのは、どんなものがあるのでしょうか。 堀之内さん:店の焚き火コーナーで使っているユニフレームのファイアポット(写真)のようなアイテムですね。薪を立てて置くトーチ状のデザインで、縦に炎が美しく出ます。

焚き火台は大は小を兼ねない

石田:大きさという点ではどうでしょうか。 堀之内さん:大きさは、「持ち運び」「据え置き」かが選ぶ基準になります。ほとんどのキャンパーは持ち運べるものを選ぶことになると思います。最近はソロ用の焚き火台が充実しており、1人ならソロ用がおすすめです。 気をつけてほしいのは、焚き火台が「大は小を兼ねない」ということです。火が大きいから楽しい焚き火とは限りませんし、薪の消費も多くなります。仲間となのか、1人なのか、主にキャンプに行く人数に応じた、ほどよい大きさの焚き火を楽しんでください。
石田:ちなみに、iLbfではソロに使えるような小型の焚き火台は、どのような商品が人気なのでしょうか。 堀之内さん:笑’sの「A-4君」(写真)や「B-6君」は定番になりつつありますが、巻き物のように収納できるパーゴワークスの「NINJA FIRESTAND(ニンジャ・ファイアスタンド)」の人気も高まっています。

直火から守るだけでない焚き火台の意味とは!?

石田:機能ではどのように分けられるのでしょうか。 堀之内さん:「薪組みを補助するもの」と、熱せられた空気を利用して効率よく薪を燃やす「2次燃焼系」のものに分けられます。当店はガレージブランドが中心で扱いはないのですが、スノーピークの「焚火台」のようなものが代表的な万能選手ですね。 石田:焚き火台には、円形やメッシュタイプなどもあります。 堀之内さん:円形のプレート状の焚き火台なら、直火に近い形で楽しめる利点もあります。燃えづらいという短所もありますが、逆に考えると、焚き火の上達にもつながります。あとは単純に「直火から守る」という機能に特化したメッシュタイプのものがあります。

まずは試して何が不便かを知る

石田:そもそも全くキャンプをしたことのない人がキャンプ場での焚き火をイメージするのは難しいと思いますが、どうすればいいでしょうか。 堀之内さん:正直、最初の1台で理想の焚き火台に出会えるのはまれです。とりあえずは1台、何でも良いので買ってみるのがいいかもしれません。不便さを感じる中で、自分の価値観やスタイルに合っているのかが分かるようになります。最近ではレンタルも充実しているので、キャンプでなくても、河原で焚き火台を使ってご飯でも作ってみましょう。 石田:価値観やスタイルとは、例えばどういうことでしょうか。 堀之内さん:車の積載量や女性なら重さも重要な基準になります。他人のネットの評価に振り回されず、自分の使い勝手が重要です。使ったことがないのに、イメージだけで購入すると失敗することになります。

理想の1台で焚き火の魅力を感じよう!

石田:なかなか理想の焚き火台にたどりつくのは、難しそうですね。最後に焚き火で重要なコツを教えてください。 堀之内さん:焚き火を長く楽しむには、とにかく、いろいろ薪をいじったり、掘り返したくなる気持ちを我慢するのがコツです。焚き火の炎は、大きければ大きいほど、良いというものではありません。自分でコントロールできる範囲で、周りのサイトに火の粉などで迷惑をかけないようにして楽しんでください。炎の揺らぎは非日常や高揚感だけでなく、頭の中でごちゃごちゃしていたものをリセットする力があります。より多くの人に、自分に合った焚き火台でこれらの魅力を感じてほしいですね。

まとめ

数多くの焚き火台がある中で、堀之内さんが目的、機能、大きさ別に分類し、選び方の基準を示してくれました。これを参考に、自分のキャンプスタイルにあった焚き火台をぜひ探し出してみてください。 【iLbf 基本情報】 住所:埼玉県三郷市彦成4-4-17 みさと団地南商店街104 電話:048-951-4949 Email:shop@iLbf.jp 営業時間:午前11時(土・日のみ10時)~午後7時(土曜のみ午後8時) 定休日:木曜 *不定休の場合もあり、ホームページで要確認 駐車場:12台あり 公式はこちら:火とアウトドアの専門 iLbf


あわせて読みたい記事