食欲の秋は、焚き火台選びに最適だった!?達人のおすすめ焚き火台&調理ギア特報
今回は、焚き火に欠かせない調理ギアとの相性を基準に焚き火台をセレクト!食欲の秋に達人が選ぶおすすめの焚き火台や、選ぶ時に重視すべきポイント、キャンプ料理を紹介します。秋にキャンプを楽しみたい方は必見です!
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キャンプ・アウトドアWebマガジン「hinata」編集部。年間に制作・編集する記事は600以上。著書に『ひなたごはん』(扶桑社ムック)など。
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教えて!キャンプの達人
今回教えてくれるのはこの人たち
スーパースポーツゼビオ アリオ蘇我店:高石さん(写真右)
高石さんはキャンプ歴15年以上のベテランキャンパー。「キャンプの達人」としてもお馴染みです。
スーパースポーツゼビオ ビバモールさいたま新都心店:矢澤さん(写真左)
高石さんの師匠にあたる矢澤さん。普段は店頭に立ちながらも、研修でキャンプの指導をすることもあるキャンプのエキスパートです。
焚き火台の選び方がわからない!
ポイントや基準を調理ギアにしてみた
何を基準に焚き火台を選ぼうとしていますか。燃焼効率や見た目、個性的なデザインなど、人それぞれの判断基準がある中で、今回は「食欲の秋」に刺激された達人が「調理ギア」との相性の良さにフォーカス!さっそく埼玉県秩父市のキャンプ場「ウォーターパーク長瀞」でお話を聞きました。
人数によりけり?サイズの異なる焚き火台
達人おすすめ!ミニ焚き火台
━━━ 最近、焚き火で作った焼き芋をおすそわけしてもらったのですが、とても美味しかったです。今回は調理をすることを前提にした焚き火台の選び方について教えてください!まずはコンパクトなのにしっかり仕事をこなしてくれる、ミニ焚き火台からお願いします。
矢澤:キャンプ飯と言えば高石さん!それはもう美味しいキャンプ飯を作ってくれるので、皆さん期待してください!
高石:ハードルをぐっと上げましたね…。
矢澤:料理をするにあたり、私がおすすめしたいのはSOTO(ソト)のミニ焚き火台「ヘキサ」。コンパクトに収納されている全6枚の側面板を底板に合わせて組み立てれば完成する、とてもお手軽な焚き火台です。
━━━ だいぶ板がペラっとしていて、初めて手に取る人は心配になってしまいますね。強度は大丈夫なのですか。
矢澤:きちんと平面に置いて使用すれば、ヘキサよりやや大きい鍋でも載せることができます。サイズのわりに頑張ってくれるので、少人数のキャンプや料理の保温で活躍してくれます。燃料となる小枝は、三角の小窓から追加でき、鍋やフライパンをどかす必要もありません。
━━━ 意外と力持ち!燃料の追加もお手軽でうれしいですね。高石さんおすすめのミニ焚き火台はどうでしょうか。
高石:僕がおすすめするミニ焚き火台は、EMBERLIT(エンバーリット)」の「コンパクトウッドストーブ」。SOTOのヘキサに比べ、側面のパーツがさらに少なく、組み立ても簡単です。
━━━ 確かに、パーツが少ないと料理する準備の時短にもつながりますね。
高石:煙突効果を最大限に活かした構造になっているため、燃焼効率も抜群!SOTOと比べると下部の窓が大きいので、太い木の枝をそのまま燃やすことができますし、クッカーを載せたままでも燃料が足せるので調理もしやすいんです。
達人おすすめ!大人数用焚き火台
━━━ 少人数向けのミニ焚き火台ですらコンパクトで丈夫でしたが、さらに大人数向けですか!どの焚き火台を紹介してくださるのでしょうか。
高石:僕たちの厳選の道具をお届けしますよ!
矢澤:お気に入りの使い込んだ焚き火台もご紹介させてください!
矢澤:私が最初にご紹介するのは、「LOGOS(ロゴス)」の「the ピラミッドTAKIBI Lサイズ」。3サイズを展開しており、焚き火台の中でも比較的ゴツく、深めな作りになっています。
━━━ どんなところに特徴のある焚き火台なのでしょう。
矢澤:こんなに大きいくせに、とてもコンパクトになります。ただ、パーツがバラけている分、やや手間がかかってしまうのが難点でもあります。でも、オプションパーツが存在するので、どんな調理にも対応してくれる心強さがあります。
━━━ どういった対応が可能なのでしょうか。
矢澤:焚き火とバーベキューが同時にできる火床の仕切り板や、焚き火台の上を半分活用できる焼網、折りたたみ式の耐熱ラックなどなど。料理の幅が広がってしまう焚き火台です。
高石:師匠よりも使い込んでいる僕の愛用焚き火台「UNIFLAME(ユニフレーム)」のファイアグリルを紹介させてください!
━━━ もちろんです!確かに使い込み具合がとんでもないですね…。さっそくお願いします!
高石:僕の相棒とはかれこれ15年ほど焚き火をともにしている仲です。ステンレス製でさびないし、薪ではなく、炭との相性も抜群。当時からずっと人気の焚き火台で、スペックも良い意味で変わらない焚き火台界の不動のエースです。
━━━ 焚き火台界の不動のエース…!異名を手にした、高石さんおすすめ焚き火台なわけですね。
高石:さらに、リースナブルでありながらタフ!ハードな使用にも耐えられ、火との距離も適切なので調理に向いている焚き火台です。専用のヘビーロストル(別売り)を置きダッチオーブンを使って直火でグツグツ煮込むのにも、焼き網や鉄板(別売り)を置いて楽しめるお手軽焼き料理にもおすすめです!
高石:次に僕がおすすめする焚き火台は、これまた焚き火台の大御所と言っても過言ではない「Snow Peak(スノーピーク)」の焚火台。
━━━ これまでhinataでも何度か取り上げてきましたが、改めてその特長を教えてください!
高石:スノーピークの焚火台は、重いけれど頑丈かつ丈夫に作られています。さらに永久保証って、すごくないですか?
━━━ こんなにも心強い焚き火台があるのか?!と思わず声に出さずには入られませんね。
高石:セット購入した場合の炭床が本体に対してやや大きめなので、薪を比較的浅めに安定させながらくべられます。炎の燃え上がりをより楽しみたいという人は、Lサイズの焚火台にMサイズの炭床を購入することで、深めに安定させながら薪をくべることができます。カスタムして使えるのも、焚火台の魅力のひとつです。
━━━ 炭床に互換性があるのですね!用途に合わせて選べるのはうれしいポイントです!続いて、相性の良い調理ギアがあれば教えてください!
高石:Lサイズの焚火台であれば、どんな調理ギアとも相性は抜群です。大きいダッチオーブンにも耐えられ、周辺のカスタムギア次第でスキレットやメスティンでの調理も可能です。キャンプ料理の幅がまだまだ広がることを、焚火台で体感して欲しいですね。
矢澤:スノーピークの焚火台はまさに名品ですが、ホールアースの焚き火台も負けていません。かゆいところに手の届く一品です!
高石:例えばどんなところですか?
矢澤:焚き火台の下に敷くアンダープレートが付属している点は、ハズせないポイント。側面にメッシュ素材を採用している点や、ありそうでなかった取っ手付きというのもうれしいポイントです。
高石:確かに「ありそうでなかった」というのがホールアースの焚き火台の最大の特長かもしれないですね。
矢澤:今まで1サイズ展開だったところに、新たに大きなサイズを迎え、ますます人気に拍車がかかりそうな焚き火台です。別売りになっている焚き火台用のロストル(耐久性の高い網)を使用すれば、グリルの架台としても、バーベキューの焼き網としても活用できます。火から距離をおいて調理したいときに最適です!
用途によりけり?薪のくべ方講座
それぞれの焚き火台の特長をおうかがいしたところで、続いては薪のくべ方を教えてくださるとのこと。焚き火に適したくべ方、調理に適したくべ方をわかりやすく動画で解説してもらいました!
純粋に焚き火を楽しみたい人は、このくべ方
矢澤:薪のくべ方は、私からご紹介します。まずはキャンプファイアーでよく見かける井桁(いげた)型から!炎が上がりやすくパフォーマンス力がある反面、燃焼時間は短く、火力調整が難しいため、料理向きでないとされています。ジェンガのような感覚で、お子さんと組んでも楽しいですね。
矢澤:こちらの合掌型(閉じ傘ver.)も、井桁型と同様に燃焼時間が短く、火力調整の難しいくべ方です。ただし、火柱が豪快に立つので、「ザ・焚き火」を楽しみたい人にはうってつけ!
焚き火台で料理をする人は、このくべ方
矢澤:同じ合掌型でも、炎の上がり方が全く異なるくべ方です。中央で燃やしながら並べた薪を少しづつ中央に寄せていくので、炎は比較的小さいながら火持ちが良く、調理向き。さらに、焚き火台を囲むのにちょうど良い火力を保ってくれるため、焚き火が初めての人にもおすすめです。
矢澤:並列型は、枕木となる薪での火力調整がしやすく、焚き火で調理をする人にとって重宝されている組み方です。このとき、枕木は後に並べる薪よりしっかりめのものにするのがベター。燃焼時間も長く、冬場に暖を長時間とるのにも適しています。
料理に応じて選ぶ調理ギア&焚き火台
ダッチオーブンの深さで作れるメニューが変わる!?
高石:ここからは「料理番長」な僕の出番ですね。ダッチオーブンにも種類やサイズがいくつか存在するので、大きいものから順に、料理とともに紹介していきます。ちなみに調理は、薪ではなく炭火でコスパ&効率よく進めるのがベターです。ではまず、画像一番左のディープなダッチオーブンから!
矢澤:高石くん、よろしく!
ダッチオーブン(ディープ)
高石:深い作りのダッチオーブンは、肉の塊や大きい食材の調理に適しています。今回はローストビーフに挑戦!肉を常温に戻して表面に濃いめに味付けをしたあと、一度スキレットなどで焼き色をつけてあげます。
━━━ この段階でも十分美味しそうに見えますね…。
高石:ここからが重要です!肉の中の温度は、60度前後を維持してください。炭は上8、下2の割合で配置するのがベスト。野菜は皮ごと、丸々入れるのがおすすめです!肉の方が野菜より早く焼けてしまう場合もあるので、心配な人はときどき蓋を開けてチェックしてみてください!!!
高石:深めのダッチオーブンを使用しているので、絶妙な火加減に注意して挑戦してみてください。焼きあがったら、昨晩から漬けこんでおいたお手製のモーリョソースをまんべんなく絡めていただきます!パプリカ・トマト・玉ねぎをみじん切りにし、オリーブオイルやお酢を合わせて作っているので、サッパリ食べられるイチオシのソースです。
ダッチオーブン(ハーフ)
高石:続いてご紹介するのが、ハーフサイズのダッチオーブンで作るタンドリーチキン!深底ではないハーフだからこそ、時短がかなうメニューです。こちらも事前に仕込んでおくことで、味がよくなじみます。
高石:焼き上がりが、こちら。皮はパリッと、中はジューシーに仕上がっています。ハーフのダッチオーブンは、薄めの食材を効率よく焼けるのが特長です。ただし、炭火との距離が近くなってしまうため、置き過ぎには注意が必要です。
ダッチオーブン(6インチ)
高石:続いては、アヒージョ!スキレットで作る人が多いメニューですが、極小のダッチオーブンで作るのも良さがあります。具材となるシーフードミックスは事前に塩コショウで炒めておき、ピュアオイル、にんにく、鷹の爪を入れ煮立たせます。
高石:ここまでグツグツしてきたらOK!風味付けにバージンオイルを注げば、熱々のアヒージョの完成です。バゲットにつけて召し上がれ!
ホットサンドウィッチクッカー
高石:しょっぱいものをたらふく食べたあとは、甘いもの!焚き火台の絶妙な火加減で焼き色を楽しむホットサンドを用意してみました。自宅でりんごをグラニュー糖と炒め、メープルシロップとシナモンも追加。冷やして寝かせて持ってきました。
高石:焼き加減は、ご覧の通り。時々ひっくり返しながらじわじわと焼き上げていきます。具材もホクホクに仕上がれば完璧です!チャムスのマークが出てきたら、焼き上がりOKのサイン!!!
━━━ まさかの料理人顔負けの腕前と解説!焚き火台からレシピまで伝授してくれるなんてさすがです!
矢澤:高石くんが作ってくれたメニューは、調理ギア次第でどのようにも美味しく作れます。焚き火台は今回紹介したどれを選んでも間違いはないので、自分に合った選び方をしてほしいですね。
━━━ どんなメンバーでどんなメニューを楽しむかにもよる、ということですね。一概に言えないというのも、わかる気がします。
高石:だから、色々おすすめしてしまいましたが、自分に合う焚き火台探しに悩むことがあれば、記事を参考にしてもらい、店頭でスタッフにも相談して欲しいです。どんな料理を作りたいか?で、アイテムを選んでみるのも一興です!
矢澤:言いたいことは、つまりそういうこと(笑)。レシピについては、蘇我店で高石くんに直接聞いてみてください(笑)。
こんなときあるといいギア
矢澤さんの場合はこれとこれが必須!
矢澤:焚き火で調理をする人に、私が今回紹介するのはスノーピークのミトンと、キャプテンスタッグの炭(薪)バサミ。初めて動画で商品説明に挑戦してみたので、優しく見守ってもらえると嬉しいです(笑)。
高石さんの場合はこれとこれが必須!
高石:僕からは、ホールアースのステンレス チャコールスターターと、最近話題のアートファイヤーをご紹介します。というか、師匠は完璧に話していましたけど、僕こそドキドキしながら撮影してもらいました…。ただ、商品の魅力は動画の方が伝わると思って頑張ったので、こちらも優しい目でいただけると嬉しいです(笑)。
━━━ 今回も、達人お二人ならではの視点で焚き火台の紹介、さらには高石シェフによる美味しいキャンプ飯講座まで、ありがとうございました!
まとめ
今回は食欲の秋にちなんで、調理ギアを意識したおすすめの焚き火台を紹介してもらいました。気になる焚き火台や食べてみたくなったメニューはありましたか?購入時に悩むことがあれば、ぜひ店頭のスタッフさんに色々尋ねてみてください。きっとあなたにとって一番のお買い物ができるはず!