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雪中キャンプに行きたい!でも不安過ぎてプロフェッショナルに聞いてみた

2019.01.29キャンプ用品PR

雪中キャンプといえば、一面の銀世界。一度はこの絶景を経験してみたいですよね。しかし、初めての雪中キャンプには不安がいっぱい。そこで今回は、キャンプのプロ、エルブレスのスタッフに筆者の不安をぶつけてみたいと思います!雪中キャンプを始めたい方は筆者と共に、雪中ならではの扱い方や、防寒対策など、不安を解消していきましょう!

私、行きたいけど不安なんです!

実は筆者、友人と冬に北海道へ遊びに行った際に、スノーシューを体験したことがあります!林を散策しながら氷瀑を見たり、動物の形跡を辿ったり、氷河を見に海辺を散歩したりと、すごく楽しい時間を過ごしました♪
途中、凍った湖の上にテントを立ててワカサギを釣っている姿を見て「ウィンターアクティビティは楽しいことがいっぱいだな〜」と思い、「どうせなら、雪中キャンプも始めて冬をまるっと満喫したいな!」と野望を抱いていました。 しかし、未だ雪中キャンプを始められていません。そう、不安で躊躇していました…。寒さも不安だし、何が必要かわからないし、不安は募るばかり。こんなときこそ、よく知ってる方に聞くべきです!

身近なプロフェッショナルはすぐ側にいる♪

近くに雪中キャンプをやっている人がいない!という方も、実は周辺に親身になって、聞いてくれる人がいます。それはアウトドア専門店のスタッフさん! 今回は、エルブレス御茶ノ水店でお話を聞いてきました。エルブレスのスタッフさんは、実際に自分でもキャンプやアクティビティを実践している方ばかり。そのためアドバイスも的確で、ギアを購入するときも安心できるのです♪

お話をしてくれたスタッフさん

お話を伺ったのは御茶ノ水店の津田さん(左)と岩切さん(右)。津田さんは雪中キャンプまで楽しむコアキャンパーさんで、特にテントに精通しているそう。岩切さんはスノーシューやウィンターシューズのプロフェッショナル。ご自身もバックカントリーをされるそうですよ!それでは早速質問していきましょう。

何を基準に選べばいいのか不安なんです!

スノーシューが、雪中キャンプでも大活躍!?

出典:Jag_cz/ゲッティイメージズ

━━━今回は、雪中キャンプを快適に過ごすために必要なアイテムを教えてください!まずは、なんのアイテムが大事になるのでしょう? 津田:そうですね、テントやシュラフなどもありますが、まずはスノーシューかな。 ━━━えっ!スノーシューってアクティビティのアイテムですよね?テントやシュラフよりも、まずスノーシュー...。なぜなんでしょう? 津田: スノーシューは アクティビティだけに使われると思われがちですが、実は雪中キャンプにも役立つんです!新雪は歩くと足が埋まることからもわかるように非常に柔らかいので、テントを立てようと思っても、ペグがちゃんと刺さらず立ち上げることはできません。まず、足場を固めることが必要になるのです。そこで、一般的にスノーシューやスコップを使って足場を固めるんですよ。 ━━━知りませんでした!そもそも、雪中キャンプに必須アイテムだったのですね!

違いがわかりにくい!スノーシューの選び方は?

━━━ この2つのスノーシュー。パッと見は同じように見えますが、一体何が違うのでしょう? 岩切:まず、使用シーンが違います。少し傾斜のあるところを歩きたいのか、キャンプの際に平原で散歩や散策に使いたいのか、どういうシーンで使うのかによって選び方が変わってきます。使用シーンを確認するには裏側の歯と構造を見るのがポイントですね。
岩切:こちらの「MSR ライトニング アッセント 25」は登坂力に優れているタイプ。裏面を見ると中心に四角く歯が付いています。雪がガッと入った際も、しっかりと四角形に雪がハマるので滑りません。縦、横、斜めに歩いて行くときでも登坂力が低下しないため、傾斜の多いところや、登山に向いています。また、装着方法は3つのストラップを締める形式になります。ストラップの方がずれにくく、履いた時にスノーシューに力が入れやすいため、登山などにおすすめです! 【基本情報】 商品名:MSR ライトニング アッセント 25 サイズ:20×64cm 重さ:1.88kg カラー展開:コバルトブルー、ブラック
岩切:もう一つの「アトラス ツリーライン25」は先ほど紹介したものと比べると歯の数が少なく、どちらかというと平地で使いやすいタイプ。このアイテムのポイントは片手でノブを回すだけで、簡単に靴を固定できること。ボア(R)クロージャーシステムを搭載しており、手がかじかんでうまく動かない時でも安心です!キャンプや散歩・散策に使いたいアイテムですね! 【基本情報】 商品名:アトラス ツリーライン25 サイズ:22×64cm 重さ:1.89kg

スノーシューが雪の上でラクに歩ける理由とは

岩切:スノーシューを履くことで、重量が分散され、雪の上でも埋まらずに歩くことができます。また、スノーシューは底にかかと部分を上げるヒールが付いています。これによって、 登る際にかかとの上下運動が大幅に減り、歩きやすくなるのです。雪がある程度積もったら、安全のために滑りにくいスノーシューを履きましょう!お手入れをされる方もいますが、錆びないように雪を落としてから、干せばOKです。

いつものテントが使えるのか不安なんです!

━━━夏に使っているテントを雪中キャンプでも使うのは、やはり難しいのでしょうか? 津田:豪雪地帯ではなければ不可能ではないのですが、暖かさや安全性を求めるなら冬用のテントを持っている方が安心かもしれませんね。今回はアクティブに外遊びしたいということなので、コンパクトな冬用テントをご紹介しますね。

夏と冬とで、知っておきたい仕様の変化

━━━そもそも冬用と夏用って扱い方が違うのですか? 津田:全然違います!例えば、こんな違いがありますね。 【ペグ】 通常の細いペグでは、新雪をいくら踏み固めたといっても、どうしても抜けやすくなります。そのため、幅広になっている雪中用ペグを使用するか、または長めのペグを1本埋めるという方法もあります。積雪から時間が経って凍って硬くなっている場合や、あまり雪が積もっていない場合は、通常と変わらずにペグを打てる場合もありますが、やはり用意しておくのが安全ですね。 【スカート】 夏用は風通しをよくするためにスカート(裾)が付いていませんが、冬用はスカートが付いているテントを選ぶようにしましょう。長いスカートは、雪で埋めて外気をシャットアウトすることができます。外気が入らないようにすれば保温性が増すので、より快適に過ごせますよ。 【結露】 冬のキャンプでは結露は避けられません。どの素材も大きくは変わりませんが、強いていうなら、コットンテントは通気性がよく結露しにくい性質があります。持ち帰る際は拭けるところは拭いて、凍っているところはそのまま持ち帰り、その後干してからしまいましょう。 【耐久性】 豪雪地帯に行くのならば、見逃せないのが、積雪に耐えられる耐久性。強いフレームのテントだとか、形状、または耐久性に優れている素材などを選ぶのがおすすめです。
津田:そんな要点を踏まえながら、おすすめしたい冬用テント。まずご紹介するのは、「ヒルバーグ アラック」。特徴は耐久性のある素材です。通常、ウレタンコーティングで防水加工するのが一般的ですが、こちらはより引き裂き強度の高いシリコン3層構造。ウレタンコーティングの場合、使用していくうちに劣化して防水効果が弱まってしまいます。しかし、アラックは生地自体にほぼ劣化がなく、強い引き裂き強度を誇ります。なので、耐久性、防水性は抜群という訳です。そしてテントの構造は、インナーごと立ち上がる一体型のため、設営が早くて簡単。スカートも地面にピンと張れて外気も入りにくい構造。 ━━━ 寒くて震えていることを考えると、早く設営できるのは嬉しいですね! 津田:また、土間空間があるため、スノーシューなども置けて、靴に雪が積もることもなく安心です!しっかりした作りで長く使えるため、140,000円前後とややお値段は張りますがその価値はありますよ! 【基本情報】 商品名:ヒルバーグ アラック 使用サイズ:280×230×105cm 重さ:2.8kg カラー展開:グリーン、レッド
津田:こちらの2人用テント「MSR アクセス2」は強いフレームが特徴。なので、豪雪地帯でも安心して睡眠をとることができます。底冷え対策として低めのコットなどを中に入れて1人で使うのもおすすめです。
津田:雪山やバックカントリー、スノーボードを想定して作られているため、軽量なモデルになります。オールシーズン使用でき、強風や積雪に耐える高い剛性を実現。両サイドに入口と前室を備え、十分な居住スペースも備わっているので、初めての外遊びを快適にサポートしてくれますよ。 ━━━なるほど!使い勝手良さそうですね♪テントを選ぶコツは少しわかってきました。実は他にも、不安に思っていることがあって、そちらも教えて欲しいです! 【基本情報】 商品名:MSR アクセス2 使用サイズ:2.79×2.13×1.07m 収納サイズ:直径15×46cm 重さ:1860g

寒くて眠れるか不安なんです!

出典:zhukovvvlad/ゲッティイメージズ

━━━実は寒いのがそんなに得意ではなく、そんな状態で寒い夜に眠れるのか心配で…。シュラフはどうやって選べばいいのでしょうか? 津田:なるほど!それはしっかりとシュラフの選び方を知っていれば問題なく安眠できますよ。選び方をご紹介しますね。

死活問題!安眠するためにどれを選ぶ?

津田:シュラフの選び方としては、まず行く場所の最低気温を調べましょう。この「ナンガ オーロラライト750DX」のシュラフでは、収納袋に限界使用温度が-16℃、快適使用温度-8℃と書いてあります。行く場所の最低気温と快適使用温度が同じくらいの物を目安に選ぶようにすれば問題ありませんよ。この快適温度・限界温度という指標はヨーロピアンノームという、同条件で試験して算出される数字で、世界共通の基準になっています。 ━━━そうやって選ぶのですね!
津田:防水機能が付いているシュラフは少なく、シュラフカバーを使用するのが一般的。しかし、ナンガは表生地に多孔質ポリウレタン防水コーティングを施してあるので、結露しても中が濡れることはありません!結露の対策として防水性があるもの、またはシュラフカバーを持っておきたいですね。 ━━━防水、いいですね♪あと、シュラフといったらマミー型・封筒型がありますが、マミー型がおすすめということですか? 津田:断然マミー型がおすすめです。マミー型は保温性が高く、収納性、軽量性、フィット感に優れています。特にフィット感が重要で、体とシュラフの間に隙間があると冷気が入ってくるので要注意です。マミー型のデメリットとしては足元が狭いことぐらいですかね。封筒型は夏に使われる方が殆どです。雪中で工夫するとしたら、封筒型の中にマミー型を入れて使うくらいですね。 【基本情報】 商品名:ナンガ オーロラライト750DX (レギュラー) 使用サイズ:210×80cm(身長178cmまで)
 収納サイズ:直径19×31cm 重さ:約1,200g カラー展開:レッド、ブルー、ゴールド 快適使用温度:-8℃ 下限温度:-16℃

マット選びも防寒には重要です!

マットでおすすめするのは「NEMO テンサーアルパイン」です。雪中キャンプで大切なことは床から厚みがあって冷気に晒(さら)されないこと。そのため、厚みのあるエアーマットがおすすめです。ただし、注意してもらいたいのが、断熱効果があるものを選ぶこと。アルミのような反射材が貼ってあると熱を反射するため、断熱効果で保温効果が高まります。
━━━折りたたみのマットもあると思いますが、エアーマットの方がおすすめということですか?メリット、デメリットもあれば教えて欲しいです。 津田:エアーマットのメリットは、厚みがあるので冷気から遠ざかること、収納性に優れていることです。デメリットはパンクする恐れや、空気を入れたり出したりする手間ですね。一方、折りたたみの利点は設置、撤収が簡単ということですね。大抵はテントの凹凸を防ぐために使われているので、そこまでの断熱性は求められていません。薄いと凹んで保温性が下がるので、コットと合わせて使うなど工夫すれば薄いウレタンとエアーのマットも活用できますよ。 【基本情報】 商品名:NEMO テンサーアルパイン (レギュラー) 使用サイズ:51×183×8cm 収納サイズ:直径8×20cm 重さ:475g 参考使用温度:-29 〜 -23℃

すぐに火がつけられるか不安なんです!

簡単に扱えるバーナーは必須アイテム!

━━━寒くてすぐに暖まりたい、温かいものが食べたいという時に、焚き火だとちょっと時間がかかりそう…と不安です。そんな不安を解消するアイテムはありますか? 津田:それならすぐに点火できて、料理のできるガソリンバーナーを持って行くのがいいと思いますよ。ガソリンは寒くても燃料が気化するため、ガスみたいに出力が落ちたりもせず、安心して使えます。この「MSR ウィスパーライトインターナショナル」はホワイトガソリン、無鉛ガソリン、灯油が使用可能です!
津田:こちらは火力、燃焼音も気にならず、文句なしの定番モデルです。畳むこともできてコンパクトで軽いため、持ち運びやすいのもポイントです。直ぐにお湯を沸かしたいとき、コーヒーを飲んで暖まりたいときなどに手軽なのが嬉しいですね。 【基本情報】 商品名:MSR ウィスパーライトインターナショナル 使用サイズ:150×90×90mm 収納サイズ:直径190×90mm(五徳経) 重さ:316g 1リットルが沸くまでの時間(ホワイトガソリン):3.5分
津田:もう一つのイチオシは「SOTO ストームブレイカー」です。ガスとガソリンの両方を使えるとても珍しいタイプです!ノズル交換をしなくてもガソリンとガスボンベ(OD缶)のどちらかを使用できます。通常のキャンプで手軽なガスを使って、雪中キャンプにはガソリンを使うなど使い分けるのもいいですね。 ━━━おおー!扱いやすそうです! 【基本情報】 商品名:SOTO ストームブレイカー 使用サイズ:150×130×90mm 収納サイズ:65×65×90mm ゴトク:直径170mm 重さ:225g(本体のみ)

足から底冷えしないか不安なんです!

雪上での底冷えは侮れません!

━━━最後に、末端冷え性の私でも安心できるアイテムはありませんか? 岩切:それなら、やはり王道の「ソレル カリブー」がおすすめですよ。使用限界温度は-40℃ですが、あくまで「限界」ですので、本当に-40℃のカナダとかだと少し厳しいですね。北海道くらいだったらとても快適に過ごせますよ。中底を取り出すこともできるので、ケアしやすいのも嬉しいところです。
岩切:40年以上変わらぬデザインで、男女問わず人気のカリブー。ラバーシェルがつま先部分を覆っているため、強い雨や深い雪の侵入を防ぎます。インナーブーツは取り外しが可能になっており、寒さからしっかり守るフェルト素材を採用。足元を冷やしません!シーズン中ずっとスキー場などで、こもって働くインストラクターさんや宿を経営している方なども暖かいのでよく履いてらっしゃいますね! ━━━雪山で働いている人が履いているなら安心の実用性ですね〜! 【基本情報】 商品名:ソレル カリブー(メンズ/上写真) 筒丈 :約235mm ヒール高さ:約30mm(測定サイズ: 27cm) 重さ:964g (片足) 使用限界温度(目安):-40°C 商品名:レディース(下写真) 筒丈 :約215mm ヒール高さ:約30mm(測定サイズ: 24cm) 重さ:901g (片足) 使用限界温度(目安):-40°C

まとめ

いかがでしたか?雪中キャンプに必要なものや、ノウハウが知れてよりイメージが湧きました!これを機に、躊躇していた雪中キャンプに挑戦していきたいですね。皆さんもぜひ、冬の雪中キャンプを満喫してみてくださいね。
【基本情報】 L-Breath powered by snow peak御茶ノ水店 住所: 東京都千代田区神田小川町2-4-14 L-Breath 御茶ノ水店内 6F 電話:03-3233-3555 営業時間: [平日・土曜] 11:00〜20:00 [日曜・祝日] 10:30〜19:30

雪中キャンプギアを探しにいくなら

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