1枚のデッサンから始まった物語。日本一のキャンプサイトに夢の「ツリーハウス」ができるまで。
最終更新日:2020/09/07
キャンプ場

「こんなツリーハウスを作りたい!」そう言って描かれた1枚のデッサン。そこには子どもも大人もだれもがワクワクする世界がありました。日本最大級のオートキャンプ場「北軽井沢スウィートグラス」にできた大人気のツリーハウス。その誕生秘話に迫ります!
日本最大級の大人気オートキャンプ場「北軽井沢スウィートグラス」

そんなスウィートグラスの一番の目玉は、手作りの「ツリーハウス」。その人気は季節を問わず、冬の時期でもキャンセル待ちが出るほどです。


ツリーハウス誕生秘話をインタビュー!

トムソーヤの家、森の秘密基地、ワクワクするものが作りたい!

15年ほど前でしょうか。“トムソーヤの家”や“森の秘密基地”って、冒険心がくすぐられて楽しそうだよねっていう話が社内で持ち上がりました。初期の段階では、木の上にデッキを作ろうとか、その上にティピを立ててツリーティピを作るのはどうかとか、森の奥に小さな小屋を建ててみようかとか、そういった話をしていたんですよね。

出典:TSUTAYA
ちょうどその頃、アメリカで「ワールド・ツリーハウス・ミーティグ」が開催されることがわかったんです。当時スタッフの一人だった稲垣豊がミーティングに参加しました。そこで稲垣は感性を開化させ、一枚のデッサンをしたためました。
始まりは、1枚のデッサン。

稲垣豊(いながき・ゆたか)
1968年生まれ。自然の中で暮らしながら物創りをしたいという思いからログビルダーとして就職。その後北軽井沢スウィートグラスのスタッフとなりツリーハウスを建築。 2008年にはForestWorksを立ち上げた。
このデッサンが、今あるツリーハウスを作るきっかけになりました。絵の左下にいるのは、稲垣が当時飼っていた猫の“くり”。くりがブランコに乗って夕日を眺めている、こんなツリーハウスを作ってみたいと稲垣は言いました。
これを見たスタッフはみな共感しましたね。「これは、子どもから大人までが楽しめるデザインだ」って。そうして、スウィートグラスにこういった遊具のあるツリーハウスを作ろう!ということに決まりました。
子どもも大人も誰もが楽しめる“ユニバーサルデザイン”の追求。
その当時から、スウィートグラスでは「ユニバーサルデザイン*」というものを探求するようになりました。マーケティングの世界では“ターゲット”というものを重視しますよね。子ども向けの遊び場とか、大人向けのキャンプとか。でも我々は、“デザインはそういったターゲットの区分けを超越するものだ”と考えました。

子どもが楽しく遊べるのはもちろんですが、それを見た大人も楽しめたり幸せな気持ちになれたりするもの、それが我々の目指す「ユニバーサルデザイン」です。その一つの形が、稲垣の描いたツリーハウスだったということです。
ツリーハウスに子どもの笑顔が加わって、初めて作品が完成する。
我々が作ろうとしたものは単なるツリーハウスではありません。ツリーハウスと、それを使って楽しそうにキャッキャッと遊ぶ子どもたち、そしてそれをみて楽しむ大人、そういったツリーハウスを思い思いに楽しむ人々全体の世界を作り出そうとしました。

これは稲垣がデッサンのあとに描いた設計デザインです。実際には描かれてはいないですが、絵の中で子どもたちが遊ぶ姿が目に浮かびませんか?我々が作るツリーハウスという作品は、子どもの笑顔が入って初めて完成するんです。

図面のない建築物。生きている木とイメージを調和させていく。
稲垣のすごいところは、図面がないところ。図面のような3Dのイメージが、稲垣の頭の中にあるだけなんです。 図面を引かないことはツリーハウスの設計においては合理的な側面もあります。生きている木と一緒に作っていくわけですから、完全に図面通りにいくことはあり得ません。頭の中のイメージを現場の木に合わせる形で進めていきました。

出典:(写真注:ツリーハウスのデッキを、生きている木が支えている。)
うーーん。“建築物”と捉えればトラブル続きと言えるかもしれませんね(笑)。でも、うちのツリーハウスの図面は白紙なわけです。何か壁にぶつかったとしても、「じゃあ、どうしようか?」と考えるだけです。だからトラブルと捉えたことはないですね。課題というか、“ただの出来事”というか(笑)
壁にぶつかったら「どうしようか?」と考えるだけ。発見で乗り越えていく。
例えばですね、マッシュルーム型のツリーハウスを作るとき、屋根にどうやって丸みを出すかが大きな課題でした。

木方さん:本物のしいたけを裏返してみたんだそうです。しいたけの裏には何層ものスジがあるのをご存知ですか?マッシュルーム型のツリーハウスの屋根の裏をみると、まるで本物のきのこみたいなスジあるんですよ♪
なにか困ったことがあっても、発見によって乗り越えてきたわけです。

出典:(写真注:マッシュルーム型屋根の裏は、本物のきのこのようなヒダの設計になっている。)
今はまだ未完成。進化し続けるツリーハウス

北軽井沢スウィートグラス基本情報


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