ホンダなのにアメ車?観音開きも楽しい、再バズり中のSUV「エレメント」
背面タイヤもかわいい!ホンダ初のキャンプ的SUV「CR-V(初代)」
2024.11.27ライフスタイル
主に1990〜2010年ころに発売された、「ちょっと古いけどツウならいま乗りたい」そんなキャンプな自動車をサラリと紹介する当企画。今回hinata的名車としてお届けするのは、都会的なスタイルとキャンプでも頼れるスペックを備えていた、「CR-V(初代)」です。その後のホンダの方向性を決定づけた存在ともいえる、いまでも大人気の1台を振り返ってみましょう。
制作者
増田 満
国産旧型車専門誌『ハチマルヒーロー』創刊編集長、『ノスタルジックヒーロー』編集長を経て独立したフリーランスライター&編集者。
以前は頻繁にキャンプに出かけたが、コロナ禍前に山間部へ移住して自然を満喫中。現在クルマ3台、バイク4台を所有して持て余し気味。
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もくじ
「CR-V(初代)」って、どんなクルマ?
1995年10月〜2001年8月に販売されていた、ホンダ初のクロスオーバーSUVが「CR-V(初代)」です。
ホンダ・CR-V(初代) 標準仕様
四輪駆動の頼れる走りに加えて、直線基調で都会的な雰囲気に仕上げられたエクステリアデザインが与えられているのも特徴のひとつ。
標準仕様と廉価版のB仕様だけの割り切ったグレード設定(後のマイナーチェンジ時に数種類のグレードも追加されました)もCR-Vならではのポイントで、アンダー200万円という手が届きやすい価格設定も魅力でした。
また、取り回しのしやすさを感じるサイズ(全長4,470mm・全幅1,750mm・全高1,705mm)や、居住性の高さもCR-V(初代)が成功した理由に挙げられるのではないでしょうか。
ターニングポイントにもなった1台
いまでこそミニバンやSUVを多くラインナップしていますが、過去のホンダは、アコードを筆頭にCR-Xやプレリュード、NSXなどのラインナップによるスポーティなイメージの強い時代が長く続いていました。
そんなホンダのターニングポイントともいえるのが、初代オデッセイ(1994年〜)や、その後に続いた今回紹介するCR-V(初代)の発売でした。
より多くのユーザーへの訴求を狙ったオデッセイと、それに続く背の高いモデルたちを「クリエイティブ・ムーバー」と名づけ、ホンダの新たな価値観を創出。それら大成功も後押しして、ステップワゴンなど後のホンダの方向性を定めることにもなったのです。
立体駐車場もOK!アーバンアウトドアなキャラ
CR-V(初代)は、スタイリッシュなエクステリアが与えられていたのと同時に、車両重量が1,370kgに抑えられていたのも人気の理由のひとつです。これなら自動車重量税などのコストも軽微になるというわけです。
また、4人乗車時にも余裕ある室内幅(1,460mm)を確保しつつも、高すぎない全高とされているのも魅力でした。立体駐車場にも無理なく駐車できるので、都会に住むアウトドア好きにもアドバンテージになったのでした。
安心できる走行性能も
デュアルポンプ式4WD機構・四輪ダブルウィッシュボーン式サスペンションが採用されていました
エンジンには、ライバル的存在のトヨタ・RAV4(初代)と同程度の排気量(2L)の直列4気筒VTECが採用されていました。130psの最高出力は軽いボディのおかげもあって必要十分。
また、前後輪に油圧ポンプを設けたトラクション制御装置「デュアルポンプシステム」が採用されているのもポイントです。
通常走行時は前輪を駆動するFF方式ですが、前後輪の回転差を検知すると瞬時に後輪へも駆動力を伝達してくれるので、キャンプ場や林道などの不整地での走行時も安心材料になるというわけです。
キャンプやそと遊びが楽しくなる機能も
開発テーマの「のびのび、ゆったり、リビング感覚」がしっかり実現されているインテリアにも注目したいところです。
コラムシフトとステッキ式パーキングブレーキを採用
前後シート間の距離は967mmもあるので、後席で足を組むことも可能です。
さらに、CR-V(初代)には「コラムシフト」と「ステッキ式パーキングブレーキ」が採用されているのも見逃せないところ。シフトレバーやパーキングブレーキレバーが邪魔にならないので、フラットなフロアと相まってスムーズに車内を移動できます。
前席の間には4人分のカップホルダーを備える、折り畳み式テーブルも装備されていました(B仕様を除く)。車内での軽食や小物を置くスペースとして大活躍。助手席下にはボックスタイプのトレーも用意されている贅沢さです。
また、前席・後席がフラットに倒せるのもアウトドア派にうれしいところ。後席側はやや傾斜が保たれるので、枕いらずで横になれるのもポイントです。
CR-V(初代)には容量374Lのトランクスペースが備えられていますが、フロア下には、防水構造のカーゴフロアバケットも。このバケットは取り外して水洗いできるので、水遊びで濡れたり汚れた道具をそのまま放り込んでも大丈夫。
さらにカーゴフロアバケットのふたは、脚付きのテーブルに早変わりするギミックも楽しい部分です。天板にはパラソルを通せる孔もデザインされているので、「キャンプでどんな使い方をしようかな?」なんていうふうにわくわくさせてくれるはずです。
中古市場は高値安定の傾向
発売当初は国内専用モデルだったものの、輸出仕様を追加するとアメリカなどでも大ヒットしました。都会的なスタイルに加えて、広い室内と十分な収納力や4WDによる走行性能の高さが評価されたのでしょう。
そんな日常にもキャンプにも大活躍してくれるCR-V(初代)は、現在の中古車市場では流通量が少なく高値で取引されています。
2024年11月中旬時点では、中古車サイトでの販売台数はわずか4台でした(筆者調べ)。いずれも100万円前後から150万円付近と、2代目CR-Vと大差がなく、その人気の高さを示しています。
ルーフレールも標準装備されていました
ちなみに、2代目CR-Vはボディサイズ・排気量ともに大きくなっているので、扱いやすさやランニングコスト面で初代に軍配が上がるかもしれません。
高年式で状態の良い2代目に乗るか、初代ならではの愛らしいキャラクターを愛するか…、自身の好みやライフスタイルにマッチするモデルを相棒に選ぶのがおすすめです。
【基本情報】
1995年・CR-V 標準仕様
- 全長×全幅×全高:4,470×1,750×1,705mm
- 車両重量:1,370kg
- エンジン種類:直列4気筒DOHC
- 排気量:1,972cc
- 最高出力:130ps/5,500rpm
- 最大トルク:19.0kgm/4,200rpm
- 発売当時価格:198.0万円(東京地区)
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