クッション性
ランニングシューズとウォーキングシューズの最大の違いはソールのクッション性です。ランニングシューズはヒールと前足部のクッショニングを強化している一方で、ウォーキングシューズはランニングシューズほどのクッション性はありません。これは、ランニングとウォーキングでは、走る際にかかる体重の負荷や、着地時の足の動きが大きく異なるためです。
ウォーキングは常にどちらかの足が地面に着いていて、体重の負荷はあまりかかりません。反対に、ランニングは足を早く動かすため両足が地面に着かない瞬間があることに加え、着地時は身体の3倍の体重がかかります。つまり、ランニングシューズには、より高いクッション性が必要です。
柔軟性
ランニングはウォーキングよりも動きが激しく、蹴り出しから着地まで足がさまざまな角度に動きます。そのため、ランニングシューズは足の動きに合わせて屈曲できるように、柔軟性が求められます。特に、足中央部や土踏まずの柔軟性が高められていることが一般的です。
一方で、ウォーキングシューズにもある程度の柔軟性は必要ですが、ランニングシューズほどの柔軟性はない傾向にあります。
耐久性
ランニングシューズは1,000〜1,500km、ウォーキングシューズは1,500〜2,000km程度がシューズの寿命と言われており、ウォーキングシューズの方がやや長いという違いがあります。これは、ウォーキングシューズのソールが比較的硬めにつくられている一方で、ランニングシューズのソールは激しい足の動きに合わせられるよう柔らかくつくられているからです。そのため、ランニングシューズは頻繁に使用することで劣化してしまうこともあります。ソールの耐久性の違いから、シューズにかかるランニングコストが異なることもランニングシューズとウォーキングシューズの異なるポイントです。
軽量性
ランニングシューズとウォーキングシューズでは靴に異なるソールや素材が使われているため、重さも当然異なります。より軽いのはランニングシューズで、ウォーキングシューズは硬めのソールや、合皮、革などか素材に使われることが多くやや重めです。
通気性
ランニングでは足に汗をかきやすいため、シューズには通気性の高いメッシュ素材が採用されていることが多いです。また、通気孔があるモデルも多く、内部の蒸れを軽減する工夫が施されています。一方、ウォーキングシューズは安定性や耐久性を重視して設計される傾向があるため、ランニングシューズほどの通気性はそなえていません。
サイズ
せっかく機能性の高いランニングシューズを手に入れても、サイズが合っていないと怪我や疲労につながりパフォーマンスが低下してしまいます。そのため、まずはしっかり足のサイズを測ることから始めましょう。
足の指の一番長い部分と、かかとを直線で結んだ長さが足のサイズになります。ただし、一般的にそのサイズから0.5〜1.5cm程度プラスしたサイズが良いとされていて、足の形によってプラスする長さが変わります。日本人の約60%は親指が一番長い「オブリークタイプ」と言われており、その場合は1〜1.5cmほどサイズをプラスすることがおすすめです。
クッション性
ランニングシューズとウォーキングシューズの違いでも解説した通り、ランニングシューズには着地の衝撃をやわらげる高いクッション性が求められます。そのため近年は厚底なモデルの人気が高い傾向にあり、各ブランドのさまざまな独自機能が搭載されたモデルが豊富です。
一方で、中には接地感覚を鍛えるためにあえて薄底のランニングシューズを選ぶ人もいます。クッション性は低いですが、まだフォームが身に付いていない初心者や、インターバルトレーニングに役立つので、練習には薄底、大会には厚底と使い分けてみることもおすすめです。
用途・シーン
ランニングと一口に言っても、そのスタイルはさまざまです。毎日の軽い運動としておこなうのか、本格的な競技としておこなうのかに加えて、それぞれ走る距離も異なります。そのため、ランニングシューズは、自分がランニングをする目的と距離やその目標(タイム)を明確にし、それに合うモデルを選ぶことが大切です。
ナイキやアシックス、アディダスなどの人気ブランドはビギナー用から競技用までさまざまなモデルを展開していて、それぞれどんなスタイルに向いているかターゲットを設定しています。ブランドが公表しているチャートを確認してみると、シューズがさらに選びやすくなるため、ぜひチェックしてみてください!
機能性
ランニングシューズには、ほかにも多彩な機能が搭載されたモデルがあります。たとえば、雨の日に水の侵入を防いでくれる「防水・撥水機能」や、汗やムレにより発生したにおいを軽減させる「防臭機能」、夜間ランの安全性を高める「リフレクション機能」などです。
自分がどんなシーンで走るかをよく考えて、最適な機能が搭載されたモデルを選びましょう。
サイズ
ウォーキングシューズのサイズ選びも、基本的にはランニングシューズと同じです。足のサイズに合ったものを選ぶことで、より快適に歩くことができます。高齢者の場合は、サイズが大きすぎると中で滑って歩きにくくなることもあるので、足のサイズにプラスするサイズ(捨て寸)をやや小さめにとることがポイントです。
用途・シーン
ウォーキングシューズもランニングシューズと同様に、さまざまなシーンを想定して幅広いモデルが展開されています。通勤や通学などのシーンに最適なデイリーモデルや、より長時間の歩行に向いている通気性と軽量性が高いモデル、膝の負担を軽減するモデルなどさまざまです。人気・定番モデルをチェックするのはもちろん、自分が使うシーンや、身体のコンディションに合うかどうかもしっかり見極めましょう。
機能性
ウォーキングシューズは、ここまでで紹介したもの以外にも、便利な機能が搭載されているモデルがあります。中でも、ウォーキングシューズはランニングシューズよりも使用頻度が高いため、脱ぎ履きしやすいよう、かかとにループやファスナーが付いたモデルが豊富です。
ほかにも、雨の日でも使えるよう防水・撥水機能を搭載した製品や、ハイキング用に防水透湿性の高いゴアテックスを採用したモデルなど、ラインナップはさまざま。ウォーキングシューズはランニングよりも使う場所やシーンが多岐に渡るため、最適なアイテムを選べるように機能性も必ずチェックしておきましょう。