炎を制する者はキャンプを制す!冬に向けて知っておきたい「焚き火」にまつわるエトセトラ
どんなに気温が低くても、アウトドアへ飛び出したくなるのが外遊び好きってもの。とはいえ寒さに対して無防備な状態では、キャンプ場などに着いてから身の凍えるような思いをするだけ…。そこで頼れるのが「焚き火」です。この記事では、初心者が焚き火をはじめる際に気を付けたい注意点をご紹介。さらに用途に合わせて選べる3種の焚き火台と、あわせて使いたい関連ギアについてもお伝えします!
制作者
キャンプ・アウトドアWebマガジン「hinata」編集部。年間に制作・編集する記事は600以上。著書に『ひなたごはん』(扶桑社ムック)など。
公式Instagram:@hinata_outdoor
公式X:@hinata_outdoor
もっと見る
揺らめく炎だけでムードがグッと高まる
心まで温めてくれる
どんなアクティビティにも、「あ〜やっててよかった」と感じる最高の瞬間があるはずです。たとえばサーフィンなら、それは波に乗っているとき。釣りだったら、魚をゲットしたタイミング。山登りなら、山頂から美しい景色を眺める時間…。
そんなふうにアウトドア遊びではさまざまな最高の瞬間があるわけですが、キャンプの場合それは「焚き火」に当たるのではないでしょうか。
キャンプ場に着き設営を終え、まったりと過ごす時間。薪に火をつけ次第に大きな炎となり、体を芯から温めてくれる。周囲の自然の空気も相まって、日常から離れるためのスタートが切れる。それが焚き火の魅力であり、キャンパーたちが愛する「コト」として人気の理由ではないでしょうか。
はじめるための注意点3つ
魅力たっぷりな焚き火ですが、やはり火を扱うからには注意点がいくつかあります。ここでは、初心者が焚き火をする際に気をつけたい3つの事柄を挙げてみました。マナーの問題はもちろん、自身の安全を守るためにも、チェックしてから焚き火デビューを飾るようにしましょう。
【その1】許可されている場所を選ぶ
出典:PIXTA
焚き火はできる場所が限られています。基本的に公園ではNG。許可されているキャンプ場であっても、直火が禁止されていたりと、施設によってルールがまちまちです。まずは出かける先の施設やキャンプ場などに、事前に確認をとるようにしましょう。
【その2】安全な環境を整える
出典:PIXTA
許可されている場所で焚き火をするにしても、やはり火を扱うだけに安全面への配慮は必須。たとえば焚き火台を使う場合でも、地面に難燃シートなどを敷くのが好ましいところ。いざという場面に備え、準備は念入りにしすぎるくらいがいいでしょう。
【その3】然るべき道具をそろえる
道具は質のいいものを選びましょう。たとえばグローブひとつとっても、アウトドアブランドのものと軍手では雲泥の差があります。また、薪に火をつける際の時短のために、バーナーなど着火用のギアを持参するのもあり。お洒落なトングなどもあれば、焚き火気分がもっと盛り上がります!
思い切り楽しむための「ギア」がこちら!
用途を意識して選びたい「焚き火台」
ひとくちに焚き火台といっても、その種類は多岐にわたります。キャンプをする人数や必要な食事の量など、用途を意識して使い分けるのがおすすめです。
たとえば写真のホールアース「ファイヤスタンド」は、なにかと使い勝手がいいオールマイティな1台。シンプルな構造ながら安定感のある優れものです。本体はスチール製で頑丈ながら、約3kgと子どもでも持てる軽さ。脚と本体だけで構成されているので、組み立てや片付けの際に手間取ることはありません。価格も3,000円台とリーズナブル。ビギナーが初めの一歩として選ぶにもふさわしい焚き火台です。
お次はこちら。スノーピークの「焚火台 M」です。同社の工場で一つひとつ手で生産されているこの製品は、ワンタッチで開閉できるイージーな作り。ベースプレートも付属するので、芝生などの上でも地面へのダメージを抑えて使用できます。
また、別売りの「炭床プロ」を使用することで燃焼部分の底上げをし、無駄な木炭の使用を抑え均等に熱源を維持することが可能に。使い勝手がいいうえにエコな焚き火台です。
ワンタッチで折りたためて、この薄さ。非常にコンパクトになります。
別売りの「焚火台 M コンプリート収納ケース」に入れることで、持ち運びも楽々。ケースにはベースプレートや「炭床プロ」も収納できます。
最後がこちら。ロゴスの「ロゴス ザ ピラミッド焚き火 M」です。特徴的な台形の火床は、使用する炭の量を最適化できるエコな目的。輻射熱を焼き網へと集約させる構造で、熱エネルギーを効率よく使える秀逸な一品です。
また、標準装備のゴトクのおかげで台の上に調理器具をのせられるのもポイントです。ケトルでお湯を沸かすのはもちろん、耐加重が約10kgあるので食材を詰め込んだダッヂオーブンで調理することも。体を温めながらカレーをじっくり煮込んだりすることも可能です。
テーブルとチェアは「タフ素材」で安心を確保
焚き火台のそばで使うギアは火に強い素材のものを選ぶのが吉です。たとえばチェアは、難燃性の生地を使用したアイテムがグッド。こちらのホールアース「ボーンファイヤーチェア」は、難燃加工(PVCコーティング)を本体生地のポリエステルに施しているので、火の粉が付着しても燃え広がりにくい特性に。焚き火台のそばで安心して使えるのです。
また、ロースタイルなので焚き火の熱を近くで楽しめるというメリットも。あぐらをかいたり、脚を伸ばしたりできるので、長時間座っていても疲れにくいのがうれしいところです。木製のアームレストがデザインのアクセントとしても効いています。
続いてはテーブルです。こちらもロースタイルで、上で紹介したチェアと合わせやすいホールアースの「ヒートレジスタントサイドテーブル」。一見するとシンプルなローテーブルですが、実は焚き火台のそばでこそ使いやすいディテールを持っています。
それが耐熱塗装を施した天板です。放熱パンチングメッシュも施されているので、焚き火台から上げたばかりの熱々のダッチオーブンも置いても大丈夫。「料理ができたから取り出したいけど、置く場所が…」という状況に陥る心配もなし。まさに焚き火のためのテーブルです。
お洒落な小物で「写真映え」も意識
上述のような焚き火のための基本ギアをそろえたら、お洒落な小物も準備するのがおすすめです。
たとえば火ばさみ。みんなが知ってる「あのトング」はもちろん便利で使いやすい品ではありますが、せっかく素敵な時間を過ごすなら、お洒落なアイテムで身の回りを固めてみるのもありです。
火ばさみのおすすめはこちら。ラルファの「オリハルコン」です。ウッド製の持ち手とスチール製のはさみがお洒落なコントラストを生み出していて、キャンプ時間をちょっといいのもにアップグレードしてくれます。
先端に設けられたフック機能で、スキレットのふたなどをテコの原理で持ち上げられるのもおすすめしたい理由です。ペグ抜きとしても使えるので、焚き火のあるキャンプにこそ持っていきたい火ばさみです。
また、脱ビギナールックを狙うためには、着るものにも気を配りたいところ。たとえばキャンプベスト。これを1枚サッと着用するだけで、簡単にキャンプの「こなれ感」を演出できます。
おすすめはクリフメイヤーの「ヒノコキャンプベスト 」。その名の通り火の粉に強い難燃素材を使用しており、焚き火のあるキャンプにこそうってつけ。淡いカラーリングで上級者っぽいお洒落感もゲットできます。
フロントの両サイドに設けられたポケットは大容量で、分厚くかさばる焚き火用のグローブを入れるのにもぴったり。背面にも大型のポケットを配しているので、1〜2本の薪を運ぶこともできますよ。
さらに、暖色系のグローブもあれば焚き火っぽさが増します。焚き火グローブは火の着いた薪を持つ際はもちろん、薪割りなどにも使えて何かと重宝するはずです。
白の軍手よりも厚手のグローブを使っている方が「ツウ」っぽい印象になるのも見逃せないところ。焚き火のあるキャンプは雰囲気を楽しむものです。せっかくなら細かいアイテムにまで気を配り、お洒落なキャンパー気分にどっぷり浸ってみてください。
この冬は焚き火のあるキャンプをしよう!
「寒くてもキャンプへ行きたい!」を楽しく実現できるのが焚き火です。まずは用途に合う焚き火台を選び、そこから好みに合うチェアやテーブル、小物類をそろえて焚き火のあるキャンプライフにトライしてみましょう!
これから本格的な寒さが到来します。こんな季節こそ、焚き火のありがたみを心から味わえるもの。ぬくぬくと過ごすための策をアレコレ練って、真冬のキャンプも楽しんでみてください。
撮影/瀬田秀行