ワンボックスをキャンプギアでバンライフ風にアレンジ!即席キャンピングカーで冬を気ままに満喫【Eキャンプ】
電気を使うアイテムを駆使して、より快適に、よりライトにキャンプを楽しむ新しいスタイル「Eキャンプ」。今回は、テーブルやコットなどの基本的なキャンプ道具と、大容量ポータブル電源、アウトドア家電を組み合わせ、ワンボックスをキャンピングカー風にアレンジします。キャンピングカーがなくてもその雰囲気を楽しむためのノウハウを、便利なアイテムを交えて紹介!
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キャンプ・アウトドアWebマガジン「hinata」編集部。年間に制作・編集する記事は600以上。著書に『ひなたごはん』(扶桑社ムック)など。
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もくじ
冬キャンプのハードルを下げるバンライフ×Eキャンプ
設営撤収が早く、フットワークが軽くなるバンライフスタイル
海外旅行に行きにくい今、新しい国内旅行のかたちとして、人気急上昇中のスタイルがバンライフです。バンライフとは「VAN(車)」と「LIFE(生活)」を掛け合わせた造語。車旅の先進国アメリカを中心に、世界的なアウトドア人気に後押しされて、日本にもじわじわとバンライフカルチャーが浸透中です。
火付け役は、ラルフローレンのデザイナーも務めた写真家フォスター・ハンティントン氏。愛車のワーゲンバンで北米12万マイルを気ままに旅し、その記録をまとめたエッセイ写真集「VAN LIFE ユア ホーム オン・ザ・ロード」(2011年)に発行したことが、バンライフムーブメントの発端とされています。
キーアイテムはポータブル電源
バンライフ人気の理由は、テントを張るキャンプより必要な装備が少なく、雨や風など悪天候にも強い点。設営撤収にかかる時間と手間が少ないので、より手軽にキャンプを楽しみたい方や、釣りやサイクリングなどの遊びがメインの方に支持されています。
そして手軽さが魅力のバンライフをさらに快適にするキーアイテムが、大容量のポータブル電源。スマホやデジカメ、ワーケーション用のパソコンなどのガジェットを充電でき、電源の制約がなくなるので、長期の連泊など、より自由な車旅ができるようになります。
今回使用したポータブル電源は、ドライヤーなどの1200Wクラスの家電が使える高出力が人気の最新ポータブル電源、エコフロー「リバーマックスプラス」。一般的なスマートフォンを約40回フル充電できる大容量(720Wh)ながら、ゼロから80%への充電は1時間以内、フル充電なら1.6時間で完了できる、業界最速クラスの急速充電機能を備えたハイエンドな電源です。
「リバーマックスプラス」は、電池容量をスタイルに合わせて変える機能も備えています。下段のエクストラバッテリー(360Wh)をプラスドライバーで取り外すと、360Whのコンパクトな電源としても使用できます。電気の使用が少ない夏は本体のみ、電気の使用が多い冬はエクストラバッテリーをプラスするといった使い方もおすすめ。エクストラバッテリーは単体で買い足しも可能。旅の長さや用途に合わせて、容量を増やせます。
こういった、ポータブル電源があれば、長い車旅もしやすくなり、リモートワーク中心の方も働く場所がより自由になるので、心強いです。シガーソケットや、別売りのソーラーパネルからの給電も可能。
便利な電気式アイテムを組み合わせて快適に
大容量ポータブル電源があれば、電源サイトでなくとも電気ブランケットや、電気調理器などの家電も使用可能。これらも駆使することで、車旅がより快適で手軽なものになります。原始的なスタイルのキャンプも楽しいですが、文明の利器にがっつり頼ったアウトドア旅もそれはそれで楽しいものです。
キャンプの道具を駆使して商用バンをキャンピングカー風に
トヨタのハイエースでキャンピングカー風アレンジ
今回は、トヨタのロングセラーバン「ハイエース」を例に、一般車をキャンピングカー風にアレンジしていきます。レンタカー屋さんのラインナップにも入っていることも多い、広いラゲッジスペースが魅力の人気車種です。
早速「ハイエース」のラゲッジスペースに基本的なキャンプ家具を運び込み、快適に過ごすためのリビングや寝室を作っていきます。今回のテーマは、キャンプ家具をセッティングし、手軽にキャンピングカー風の居住空間を作ること。内装に手を加えない現状復帰が可能なアレンジなので、車をレンタルする方や、将来的には車を売って、買い替えたい人も気軽にチャレンジできます。
テーブルと椅子を配置してくつろぎスペースに
日中はタープを張って外で過ごすのもいいですが、寒い時期や、雨天の際は車内にリビングスペースを作れるとどんなときも快適に過ごせます。車内リビングに最低限必要なアイテムは、チェアとテーブル。ほかにも、車内を明るく照らすLEDランタンや、ブランケットなどで装飾するとより雰囲気がアップし、バンライフの気分も上がります。
車のラゲッジスペースの高さが低い場合、チェアはグラウンドチェアや座椅子、テーブルは脚の短い座卓を選びましょう。車内でワーケーションする場合は、パソコンを操作しやすい高さのチェアとテーブルにすることで、体の負担を減らせます。高さを自由に変えられるキャンプ家具も各社から展開されているので、こちらもおすすめです。
コットやマットを配置して寝室に
夜寝る際はチェアをたたみ、コットやマットを配置して寝室を作ります。テントと違って、地面からの冷気による底冷えがない点も車中泊のメリット。とはいえ窓からの冷気はあるので、気温に合わせた寝袋や、湯たんぽやブランケットなどの保温手段はしっかり用意しておきましょう。吸盤で付け外し可能なカーテンも、窓からの冷気の軽減やプライバシーの確保に有効です。ラゲッジスペースの高さが低い場合は、マットやローコットを選びましょう。
電気毛布×ポータブル電源で冬の車中泊が快適に
暖を取る方法をどうするかは、冬の車中泊の課題です。車内は火気厳禁なので、灯油ストーブやガス式ストーブはご法度。かといって、エンジンをかけっぱなしにしてのエアコンの使用は、周囲に迷惑で排気ガスも発生します。そんな時に便利なアイテムが、電気式のブランケット。大容量のポータブル電源と組み合わせることで、電源サイトでなくても長時間暖を取れます。
今回使用した電気毛布(約188×130cmサイズ)の場合は、最大消費電力は55W。あくまでも計算上ですが、720Whの容量を持つポータブル電源なら、強モードでも約13時間使用できます。これだけの時間使えれば、2泊3日のキャンプも安心です。
電気毛布は、火器と違って付けっぱなしでも安全なので、冬キャンプ初心者にもおすすめのアイテム。720Whのポータブル電源のフル充電にかかる電気代は数十円ほどなので、灯油やガス缶などの燃料に比べるとランニングコストが安い点も魅力です。
車への積載や家での保管の際に、灯油ストーブより場所を取らず、灯油タンクも持たずに済むので、荷物をコンパクトにできます。
電気クッカー×ポータブル電源で安全に車内調理
バーナーなどの火器が使えない車内での調理には、ポータブル電源と電気式のクッカーの組み合わせがおすすめです。車内で火を使わず調理できるので、悪天候でも快適に食事の支度ができます。今回使用した電気式のクッカーは、品数の豊富さとアイデア満載のキャンプギアが人気のブランド、ホールアースの「コンパクトマルチクッカー」。
セット内容は、コンパクトな600Wの電熱器に、直径185×高さ90mmのふた付きの小鍋と、直径185×高さ40mmのフライパン。小鍋とフライパンは焦げ付きにくいフッ素加工が施されており、メンテナンスもしやすいです。またスタッキングしてコンパクトに収納できるので、持ち運びにも困りません。まさにバンライフに最適なクッカーセット。
使い方は簡単で、電熱器のコンセントを電源につなぎ、本体の火力調節つまみをスライドさせるだけ。小鍋の内側には米用の目盛りも刻まれているので、炊飯も手軽にできます。
ポータブル電源と電気クッカーがあれば、車内でも安全に調理が可能。「ポータブルマルチクッカー」を車内に忍ばせておき、車内でぬくぬく快適にキャンプ飯を作りましょう。
マイカーをお手軽キャンピングカー化して冬キャンプを楽しもう
車があれば、寒さに強いテントや本格的なストーブがなくても大丈夫。クルマを走る秘密基地にすれば、キャンプや旅の楽しみ方がさらに広がります。マイカーやレンタカーを簡単にアレンジしたお手軽バンライフスタイルに、ポータブル電源やアウトドア家電を掛け合わせ、冬キャンプをライトに楽しみましょう!