BESSの家に住むキャンパーに聞いた、賃貸では実現できない暮らし。土間と薪ストーブのある“キャンプ”な日常
アウトドア好きが気になるBESS(ベス)の家。あこがれのオーナーになったキャンプ好き一家を訪ねて、家族みんなで体感する「アウトドアな暮らし」についてインタビュー。大量のキャンプギアに囲まれ、薪ストーブで暖をとる生活は、どんなメリットをもたらすのか。BESSの家に1年前に住み始めてからすでに4つの季節を経験した丸山ファミリーに、本音を聞いてみました。
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キャンプ・アウトドアWebマガジン「hinata」編集部。年間に制作・編集する記事は600以上。著書に『ひなたごはん』(扶桑社ムック)など。
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もくじ
キャンプ一家・丸山ファミリーが住むBESSの家
海と山がそばにあるログハウス
静岡県を代表するサーフポイントや日本一の面積のある茶畑など、豊かな自然と緑に恵まれた牧之原市。駿河湾に面した静波海水浴場から車で北西にしばらく進むと、景色は一変し閑静な住宅街に入ります。その中を走ること数分。かわいらしい谷折れ屋根が目を引くBESS(ベス)の家が現れました。
▲BESSの家の暮らしを満喫する丸山茂喜さん(右)と美香さん夫妻
淡いブルーに塗装されたログハウスの前にテントやチェアなどを並べ、おうちキャンプをしながら出迎えてくれたのは丸山茂喜さん・美香さん夫妻と、長女の寧月(しずく)ちゃんファミリー。
入居から約1年が経過したBESSの家で過ごす日々や、土間と薪ストーブ、そしてDIYの楽しみ方など、キャンプ好きなら誰しもあこがれるアウトドアな暮らしについて教えてもらいました。
「外遊びを自宅に持ち込むような暮らし」
選んだのは「カントリーログ」
丸山さん一家が選んだのは、BESSの人気モデル「カントリーログ」。積み上げられた丸太の外壁とゆとりのある幅広のウッドデッキにより、まるで童話に登場するログハウスのような外観を作り出しています。
同モデルの最大の特徴は、外との隔たりを感じさせない土間と、無垢材が生み出すラフな味わい。アウトドアシーンにただよう空気感を自宅の中でも感じられるこの家を、丸山ファミリーのようなキャンプ好きの家族はどう生かしているのでしょうか。
リピーターが多い家
▲この日、丸山家へ遊びに来ていたキャンプ仲間の永坂文也さん(左)
薪ストーブの煙突が縦に走る開放的な吹き抜けは、1階と2階をボーダーレスにつないでくれます。外と内、そして階下と階上の境界をあえてあいまいにさせた空間の影響なのか、この家に引っ越してきてからは訪れる客人が増えたと茂喜さんは言います。「近所の人たちがふらっと来て、いきなりバーベキューが始まることもあります。お客さんのリピート率はかなり高いですね(笑)。気兼ねなく来やすいし、なんだか落ち着くんだそうです」
▲リビング・ダイニングのキッチン側が美香さんの定位置
もともと丸太の家にあこがれていたという美香さんは、カントリーログに住み始めてから来訪者に対して気兼ねしなくなったのだとか。
「この家って、人をもてなしやすいんですよ。夫とお客さんが土間で話していて私はこっちのリビング・ダイニングにいるとき、物理的な間仕切りがあるわけじゃないけど、区画が違うから気を使わなくていいというか。テントサイトみたいな感じでしょうか。それでも、声は聞こえているので、どこにいても気配を感じられるのもいいんですよ。あと、玄関からお客さんが土間に足を踏み入れると、うちのテントの中に入ってくるみたいで面白いんですよね。気取っていなくて、人を呼びたくなる家です」
▲丸山家の長女の寧月ちゃん(左)と永坂家の長女の香乃ちゃん(右)
お客さんを呼びたくなる気持ちは、子どもだって大人と同じ。「この家に来てから、娘がよく友達を連れてくるようになりました」と茂喜さん。足の裏で木材の心地よさを感じる自然に近い暮らしは、外遊びが好きな子どもにもぴったりです。のびのびとラフに遊べるのも、木の家の良さ。
趣味を詰め込んだ土間は男の夢
まるでキャンパーの隠れ家のよう
ウッドデッキから直接アクセスでき、汚れを気にせず使える土間は、茂喜さんが家の中で一番好きな場所。秘密基地のような土間の一角で、音楽を聴きながらお酒を飲んだり、友人と趣味の話に興じたり、心からリラックスできる時間を過ごしています。「家の中にいても"外"を感じられるのも良い」と茂喜さんは語ります。
▲茂喜さんが愛用しているカメラ
▲土間でDIYに没頭する寧月ちゃん。茂喜さんが撮影
床の汚れや傷など関係なしに遊べる土間は、寧月ちゃんにとっても思い切り羽を伸ばせるスペース。土を踏みしめるように裸足で降りて、お父さんのDIYをお手伝いすることもあります。
土間の隅で疑似太陽光を浴びる多肉植物も、茂喜さんが愛情を注ぐ趣味のひとつ。「多肉植物はBESSの家に来てから育て始めました。この緑を見ながら、お酒を飲めるくらいかわいがっています(笑)」
空調から調理までを受け持つ薪ストーブ
体の芯まで温めてくれる
茂喜さんの"秘密基地"から見て土間の反対側に設置された薪ストーブも、丸山家にアウトドアテイストをもたらしています。1階はもちろん、煙突からの熱によって2階も含めた家全体が暖まり、室内のどこにいても快適な温度に。
玄関ドアとウッドデッキへ通じる窓を開けたままでも、薪ストーブのおかげで家の中は十分に暖かいので、冬でも自然に近い生活を実現できます。
ストーブの燃料となる薪の調達は、茂喜さんが担当。職場近くの造園屋さんが無料で提供してくれるそうです。
「薪は今のところタダでもらえるので、かなり助かってます。薪ストーブがあれば、ほかにエアコンなどの暖房を稼働させなくていいから、電気代は夏より冬のほうが安いくらい。経済的でしかも体を芯から温めてくれるって、理想的ですよね」。薪割りは、寧月ちゃんが手伝うこともあります。
オーブンとしても優秀!
ピザを焼くのも薪ストーブの醍醐味。火室の四方から発せられる遠赤外線の輻射熱は、食材に対して均一に火を通すので、ふっくらした焼き上がりに。丸山家ではピザ以外にも、ダッチオーブンを使ってチキンを焼いたり、グラタンや魚、石焼き芋など、頻繁に薪ストーブを活用して調理をしています。
茂喜さんが焼いてくれたピザを食べて、寧月ちゃんや美香さんもうれしそう。広々と座れるゆとりのリビング・ダイニングは、家族の憩いの場。BESSの家に住み始めて以来、薪ストーブが生み出す心地いい暖かさを味わいながら、食事をしたり何気ない会話をしたりと、3人でゆっくりと過ごす時間が増えました。
木の家を育むよろこび
DIY精神をかき立てられる
「家じゅうどこでもDIY可能な木の家で暮らしていると、アイデアがどんどん浮かんでくる」という茂喜さん。「家の中のどの部分に手を加えるのかとか、このギアはどこに置いたらカッコいいかな?って考えているときがとても楽しくて。ギアに合わせて収納棚を作ったり、壁に釘を打ち込んだりと、家を"育てる"ようにして毎日を過ごしています」
土間に設置された棚は、すべて茂喜さんのお手製。テントやタープ、クーラーボックスなどのギアに合わせ、最適な収納場所を用意しました。ディスプレイはアウトドアショップを意識。ひとつひとつのギアが手に取りやすい位置に整然と並べられています。
こちらは天井に作業用の足場を取り付けた収納スペース。こうした大胆な発想を生かせるのも、「『住む』より『楽しむ』」をスローガンに掲げるBESSの家ならではです。
寧月ちゃんの遊び場である吊り下げハンモックも、茂喜さんのDIY作品を活用したもの。天井の太い梁に、水道管同士を溶接して作ったコの字型のぶら下がり器具を取り付け、そこにハンモックをセットしています。
キャンプへ行くのが楽になった
ガラスサッシを隔ててウッドデッキとつながる土間には、キャンパーの茂喜さんにとってうれしい側面もありました。
「以前アパートに住んでいたときよりも、キャンプへ行くのが楽になったんですよ。ギアはすべて土間に収納してあるので、外へ持ち出すのが簡単。それに、キャンプから帰って来たときにギアが汚れていても、床が土間なら気にせずそのまま室内に持ち込めるので、単純に外遊びのハードルが低くなりました」
ギアの収納場所から外へは、わずか数歩。BESSの家は屋外と屋内のボーダーを意図的に不明瞭にすることで、物理的にも心理的にも、自然をすぐそばに感じられる設計になっています。
住人とともに成長するBESSの家
▲永坂さんの妻のみなみさんと長男の夏輝くんも交えてコーヒータイム
BESSの家は住人がそこで暮らしを営む限り、完成することはありません。月日を重ねるごとに味わいが増す木の家には、いつまでたっても手間をかけたくなる余白が残っており、ユーザーを飽きさせないのです。
「家の完成度で言えば、まだ2~3%くらい。今後、まだ手を加えたい部分がたくさん残っているので、いろいろとDIYを試してみたいです」と茂喜さん。
好奇心旺盛な丸山ファミリーが暮らすBESSの家は、この先も決して色あせることなく、成長し続けるに違いありません。