あなたはどっち派?達人がスノーピークのギアで展開するローorハイスタイル
友人知人のすすめでキャンプを始める人は、身近な人と同じスタイルを目指してしまいがち。そこでキャンプの達人が提案してくれたのは、キッチン周りを重視したあなたのためのサイトレイアウト術!ハイかローか、自分にはどちらのスタイルが最適なのでしょうか。疑問を解決しながら、自分にとって最適なレイアウトを見つけてみてください!
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キャンプ・アウトドアWebマガジン「hinata」編集部。年間に制作・編集する記事は600以上。著書に『ひなたごはん』(扶桑社ムック)など。
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教えて!キャンプの達人
今回教えてくれるのはこの人たち
スーパースポーツゼビオ アリオ蘇我店:高石さん(写真左)
ちょっと険しい表情の高石さんは、キャンプ歴16年以上のベテランキャンパー。ワイルドなキャンプ飯を作って食べることが大好きで、「キャンプの達人」としてもおなじみです。
スーパースポーツゼビオ ビバモールさいたま新都心店:矢澤さん(写真右)
高石さんの師匠にあたる、矢澤さん。キャンプに関する疑問を投げかければ、答えやヒントをくれるベテランキャンパー!普段はゼビオ店頭に立ちながらも、研修でキャンプのノウハウを指南することもあるキャンプのエキスパートです。
いまのあなたはどっち派?
ロースタイル or ハイスタイル
昨今、ロースタイルが主流になりつつあるキャンプスタイル。そもそも、今でこそ多くの人に親しまれてきた、立ったり座ったりの動作が楽ちんなハイスタイル。もともとはハイスタイルという言葉も存在しないくらいハイスタンスなギアが溢れていたにも関わらず、近年、なぜこんなにもロースタイルが流行っているのか…!?
━━━ 達人のおふたりにお聞きしたいのですが、なぜロースタイルはこんなにも流行っているのでしょうか…?
矢澤:理由の中のひとつとして例を上げるとすれば、ロースタイルなギアを先駆けて世に送り出していたスノーピークの存在や、焚き火の流行り、なんかが大きかったんじゃないかな。
━━━ 確かに焚き火の存在は、ロースタイルギアを流行らせる要素のひとつと言っても過言ではないのかもしれません!
矢澤:ただし、こんな背景もありながらハイスタイルが潰えないのは、やっぱり需要があるから。そもそもハイスタイルが廃る理由はロースタイル主流の流れのせいと言っても過言ではなく、ハイスタイル派のキャンパーさんはまだまだあちこちにいます。例えばここにいる高石くんとかね(笑)。
高石:褒めても何も出ないですよ(笑)。でも確かに、新しいギアは割とロースタイル寄りに作られがちな傾向にあります。需要もそちらに傾いているしね。
矢澤:褒めてはいないけどね(笑)。ただ、ロースタイルやハイスタイルなんてうたわずに、昔からずっと同じ傾向のギアを作りつづけているメーカーも存在するので、あくまでも今回私たちが紹介するハイスタイルとロースタイルは独断と偏見であることをここに宣言しておきます(笑)。
━━━ なるほど…。では「こんな人にはこのスタイルがいい。」なんておすすめはあるのでしょうか?
高石:あくまでも僕たちなりの見解になってしまいますが、ありますよ!ということで、矢澤さんと僕とでさっそくご紹介していきますね!
矢澤さんおすすめロースタイル
〇〇キャンプに最適だった!
━━━ ということで、さっそくですが教えてください!ロースタイルはどんな人におすすめなのでしょう?
矢澤:ズバリ、ソロキャンプを楽しむ人におすすめなのがロースタイル。料理は必要最低限でいい、なんて人に最適なんです。
━━━ どういったところがソロキャンパーさんにおすすめのポイントなのでしょう?
矢澤:ローチェアに座ったまま、ゆっくりお酒を飲んだり、おつまみを食べたり。基本的に動きやすさを求めるのではなく、1人の時間をぼうっとしながら過ごしたり、ソロキャンパー同士で焚き火を囲んだりするのにぴったりなスタイルです。
高石:今はロースタイル向けのギアが続々と誕生しているので、その中から自分の好みやスタイルにあったものを選ぶ楽しさも、ロースタイルならではかもしれません。大手アウトドアメーカーだけでなく、ガレージブランドや他業界からのキャンプ業界参入も多く、むしろ情報やもので溢れていて「探すのが大変」なんて声も耳にするほど…。
━━━ なるほど!ちょっとした料理を楽しむソロキャンプや、そんな仲間の集うグループキャンプにもロースタイルはおすすめなわけですね!でも確かに、選ぶ楽しさも難しさも隣り合っているのかも…。
矢澤:そういった難しさは、現代ならではかも。ただ、ロースタイルの場合全体的に身の置き場が低くなるので、圧迫感が減りサイト内が広く見える、開放的に感じられる、といった強みも持ち合わせています。
矢澤:今回はスノーピークの新作「ミニッツドーム Pro.air 1」でロースタイルをご紹介していますが、何人も入るシェルターやタープの下ならその効果は間違いなし!という訳で、居住性を求めるキャンパーさんにも、ロースタイルはおすすめです。身長によっては不向きな場合もありますが、ソロテントだってご覧の活用方法があります。天候に左右されずにロースタイルを楽しめます。
高石さんおすすめハイタイル
こちらはこちらで、〇〇キャンプにもってこい!
━━━ 冒頭でも触れていたように、ハイスタイルのキャンパーは減っている気がします。それでも、高石さんがおすすめする理由はどこにあるのでしょう?
高石:それはもちろん、料理のしやすさ・快適さがハイスタイルにあるからです!料理好きのキャンパーさんや、お子さん連れのファミリーキャンプにも、僕はこのハイスタイルをゴリゴリにおすすめしています。自宅のキッチンだって、立ちながら料理するでしょう?
矢澤:言いたいことはわかるけれど、ロースタイルだって、座ってときどき目線を合わながら料理できるし、ファミリーキャンプにめちゃくちゃおすすめなんだけどな〜!
高石:でも、あれ取ってこれ入れて…って料理していくと、いちいち立ったり座ったりするのは面倒じゃないですか?あくまでも僕個人の見解ですが、僕はそれが苦手でハイスタイルをこよなく愛していますし、今でも採用しています。ましてやお子さんと一緒に料理をするのであれば、とっさの時に動きやすい方が断然いいと思っています。
━━━ つまり、ロースタイルでもハイスタイルでも、お子さんと一緒に料理は作って楽しめることに変わりはなく、ハイスタイルとロースタイルどちらを選ぶのかは人それぞれということですね?
高石:僕はハイスタイル一択ですが(笑)、そう考えてもらって全然いいと思います。要するに「好み」ということになってしまいますが、迷った際には参考にしてみてください。
ロースタイル&ハイスタイルおすすめギア
達人セレクトでお届け!
達人のお2人にロースタイル、ハイスタイルそれぞれのおすすめポイントを教えてもらったところで、それぞれが使用しているおすすめギアを紹介していただくことに。なんとまさかの、オールスノーピーク!?さっそく、ポイントも一緒に教えてもらいました!
おすすめのテーブルは?
矢澤:ロースタイルにおすすめのテーブルは、IGTという呼び名で親しまれているスノーピークのアイアングリルテーブル。さまざまな調理器具をセットできるフレームをベースに作られています。このフレームに木製パネルを必要な幅分置けばローテーブルに、2枚ずつ取り除き、そこへ使いたい調理器具をセットすれば煮たり焼いたりと調理できるローキッチンに早変わりしてくれます!
その中で今回私が使用しているのが、同シリーズの脚部一体型折りたたみ収納可能な「IGT スリム」。3ユニット分がシステムデザインされているため、画像のように、フラットバーナーをセットすることも可能。作業しやすい場所に好きな調理器具をセットし、他は木製パネルをはめ込んだまま調理をするのにも、普通にローテーブルとしても扱えます。シンプルなくせにお洒落で、使い勝手までいいローテーブルなんです!
高石:僕がおすすめするのは、師匠と同じIGTシリーズの中でも、特に汎用性の高いIGTフレーム。別売のポールで4段階の高さ調節が可能で、持ち主の身長や好みに合わせて使用できます。ちなみに今回はハイスタイルのために「830脚セット」を採用することで、僕の調理スタイルにはバッチリな高さを確保しました。
そこへ僕がセットしたのは、IGTフレームから飛び出した右端の「ステンボックス ハーフユニット」、続いてお隣の「フラットバーナー」、「ステンレストレー」、「グリルバーナー」の4点。ステンボックスには調味料を入れておけば調理の際に出し入れしやすく、バーナーたちの中間にトレーを配しておけば、とっさの時に調理器具の置き場所に困りません。こういったカスタマイズが叶うのも、IGTならではの特長です。
高石:IGTフレームたちと一緒に紹介したいのが、拡張するのに最適な天板類「マルチファンクション テーブル」。マルチファンクション テーブルはすべて竹で作られており、デザイン性も強度もピカイチ。長方形や四分円といった形の中から、自分好みの長さやサイズを選んで使えます。
全て別売りパーツのためそろえるには少々お値段が張るものの、レイアウトのカスタマイズは無限大!テーブル同士が如何様にも連結できるため、キッチン周りに集まる人数によって調整してみるのも面白いですよ!次はどう連結させよう?なんてよく考えてしまいます。
オススメのチェアは?
矢澤:私がおすすめしたいロースタイル用チェアは、モダンな色調がサイトになじみやすい「ローチェア ショート」。コンパクトで収納しやすく、絶妙な角度に深く座ってくつろげる快適なチェアです。アームレストのシックな装いもまた、味。背景になっているテント「ミニッツドーム Pro.air 1」とカラーも合わせやすく、大人な空間を演出するのにも最適です。
高石:僕が座っていたハイスタイルにオススメのチェアは、ユーザーさんからも好評を獲得し続けている「Take! チェア」。竹とアルミのコンビネーション美はもちろん、まるで包み込まれているかのような座り心地が最高です!キャンプシーンだけでなく、自宅でも愛用者の多いチェアなので、1脚はあっても損のないチェアです。
ちなみに言うと、背もたれの長いロング版も人気なので、できれば店頭で座り心地を体感した上で、ご自身にぴったりなチェアを選ぶのがいいかもしれません。
最後に教えて!おすすめシェルター&テントって?
矢澤:今回のロースタイルでは、「ミニッツドーム Pro.air 1」を取り入れました。なんといっても話題の最新作だし、私も個人的に熱視線を送っているテントだったので(笑)。スノーピークのノウハウが結集され、高い居住性を確保した「ミニッツドーム Pro.air 1」は、約3kgという重量にも驚かされる超軽量テント。ソロキャンプ需要の高まる昨今、ロースタイル派のキャンパーに心からおすすめしたいです!
高石:僕が使用していたのは、デビュー当初から長く愛されているスノーピーク初のシェルター「リビングシェル」。天井が高く、長身すぎなければ成人男性がまっすぐ立てるサイズ感です。インナーテントを吊り下げれば素早く寝室が確保でき、別売の対応テントとドッキングも可能。居住性だけでなく汎用性も高い、ハイスタイルに最適なシェルターです!
━━━ 本当にすべてスノーピークギアばかりでした!スノーピークだけでこんなにもバリエーション豊かにレイアウトできるなんて、ファンにはたまらないですね。今回も素敵なご紹介をありがとうございました。
自分らしいキャンプスタイルを見つけよう!
今回はキャンプの達人のおふたりに、ハイスタイル&ロースタイルの長所と短所をお聞きしてきました。「言われてみれば確かに…」というキャンプあるあるも満載でした。これまでのスタイルに違和感を持っていたり、新しいスタイルに挑戦したかったキャンパーの皆さんはぜひ試してみてください。