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オリジナル・ノマドの折りたたみ式バスタブに入る人々

どこでも露天風呂!ポートランドのDIYブランド「ザ・オリジナル・ノマド」訪問

「DIYの聖地」と呼ばれるオレゴン州ポートランドに、折りたたみ式バスタブを始め、ユニークなアウトドアギアを発明、制作、販売している「オリジナル・ノマド(The Original Nomad)」というガレージブランドがあります。アイデアを形にするオーナーのブランドンさんの工房を訪ね、その魅力を探りました。

オリジナル・ノマドとは

オレゴン州ポートランド生まれ

私の住むオレゴン州ポートランドは、周囲を自然に囲まれる全米屈指のアウトドアが盛んな街です。また「DIYの聖地」とも呼ばれるほどこだわりの職人が多く、彼らの作る高品質のアウトドアギアもたくさんあります。 そんなポートランド市内の小さな工房で、どこでも露天風呂を楽しめる「折りたたみ式バスタブ (Collapsible Tub)」やどこでも焚き火を出現させる「ポケット・キャンプファイヤー (Pocket Campfire)」と言ったユニークな発明品を販売する「オリジナル・ノマド」というアウトドアブランドがあります。 ポートランドのキャッチコピーは、「風変わりなままでいよう (Keep Portland Weird)」。ポートランドのDIY精神はもちろん、ちょっと風変わりなこだわりも感じるこの街らしいブランドです。

アウトドアをもっと楽しく

オリジナル・ノマドは、創業オーナー兼発明家のブランドンさんが、家族や友人たちとアウトドアを楽しむ中で「自分が欲しいものを作った」という筋金入りのガレージブランドです。 山や海、裏庭など、どこでも露天風呂を出現させてしまう「折りたたみ式バスタブ」がこのブランドの代表作。サーフィンやトレッキング、スキーの後など、この露天風呂で家族や友人とリラックスするのは至福の時だとか。 露天風呂に入る購入者の写真を見ても、海や山、雪の中でまで、ビール片手に仲間と共に満面の笑みを浮かべているものばかりで、みんなとても満足そうです。考えてみれば、アウトドアスポーツを楽しんだ1日を締めくくる露天風呂、楽しくないわけがありません。

ポートランドの工房を訪問

アイデアを形に

オリジナル・ノマドの発明家、ブランドンさん
オリジナル・ノマドの工房は、近年開発が進むポートランド市北部にあります。発明家のブランドンさんは、どんなに変わった人かと思いきや、とても穏やかで真摯な印象の方でした。 工房内のオフィスには、彼の新作アイディアの図面がいっぱいです。クライアントの依頼を受けて、彼らのアイディアを形にするためにデザインや制作チームに参加することもあるそうですが、基本は、ブランドンさんのオリジナルアイディアから商品を作っています。 オリジナル・ノマド独自の新商品として、パタン、パタンと折りたたんで車に積み込めるシャワーやキッチン、トイレ、ベッド完備のポータブルハウスを開発中だそうです。これがあれば、地球上のどこにだって、車で行ければ家を出現させられるってわけです。軽量化に試行錯誤しているそうですが、なんだか3D絵本のようなアイデアですね 。隣接したショールームスペースにポータブルハウスも揃うと思うと楽しみです。 工房の最も広いスペースを制作用に使っていて、生地の切断や縫製などを行う大きな機械が並んでいます。また、溶接などを行うエリアもあります。この場所でブランドンさんの発明品がスタッフと共に1つ1つ手作りされているのです。
オリジナル・ノマドの工房
以前は、インダストリアル・デザイナーとして働いていたと言うブランドンさん。ものづくりに目覚めたのは、お父さんの影響だそうです。DIYが得意なブランドンさんのお父さんは、自分がカスタマイズしたキャンピングカーでブランドンさんたち家族を引き連れて、山へ海へとあちこち旅行するのが大好きだったんだとか。 日常的にDIYやアウトドアに触れて成長してきたブランドンさんも現在は結婚して、奥さんと子供と共にアウトドアを楽しむようになりました。そして、出かけるたびにに「これがあったらいいなあ」と思うものを自分で作ってきました。

試行錯誤を繰り返し、商品化

その1つが、「どこでもお風呂に入ってリラックス」を叶える「折りたたみ式バスタブ」。 最初は馬用の水桶とターキーフライヤー (七面鳥を丸ごと揚げる寸胴鍋とガス台のセット)、それからカニを焼くバーナーといった身近にあるものを組み合わせて、試作品を作ってみたそうです。もちろんこれでは、お湯を沸かす効率も悪いし、持ち運びも一苦労です。それでもアイディアは1つの形になりました。 その後も暇を見つけては、持ち運びや組み立てのしやすさ、エネルギー効率などの面から、改良、試作を重ねていきました。そして2014年、ついに商品化し、自身のブランド「オリジナル・ノマド」をラウンチしました。 彼の発明した折りたたみ式バスタブは、インターネットを通じて口コミで広まり、これまでに、国内外のクライアントに400個以上販売したそうです。

アイデア商品を紹介

代表作の「折りたたみ式バスタブ」

これまで紹介してきた代表作の折りたたみ式バスタブは、露天風呂を使いたい場所で、分厚く耐久性の高いビニール素材にフレームを通してバスタブ組み立てて、水を入れ、付属のコイルを使ってお湯を温めるというものです。 コイル部分に水を通して循環させることでお湯を温める仕組みになっていて、コイルはプロパンガスもしくは薪を使って直火での加熱が可能です。外の気温が10度から15度ほどの場所ならば、2時間から2時間半ほどで、お湯の温度が40度以上になるそうです。 タブを組み立てた時の大きさは、直径約150cm、高さ約60cm。伸び伸びと、とは言えませんが、大人4人が同時に入れる大きさです。タブの色は、赤、黄、黒の三色。フレームを外して折りたためば、ダッフルバッグに収納できます。 お湯を温めるためのコイルを含む総重量は約23kg。バスタブとコイルのセット価格で700ドルです。 購入はこちら:The Original Nomad
この露天風呂があれば、アウトドアで人気者になれること、間違いなしではないでしょうか。 海外からの注文もカナダを中心に少なくないそうです。興味のある方は、サイトから問い合わせてみてくださいね。

どこでも焚き火が可能なポケット・キャンプファイヤー

ポケット・キャンプファイヤーは、「焚き火禁止の場所でも焚き火がしたい!」という自分のワガママを叶えるために作ったアイテム。プロパンガスを使用して、ステンレス製の本体の穴から炎が噴き出す仕組みです。 ポケット・キャンプファイヤーには、折りたたみ式のグリドル(鉄板)がセットになっています。そのため、グリドルをセットすれば、卵焼きやパンケーキ、鉄板焼きなどを簡単に作ることができます。
グリドルを乗せて組み立てた時の大きさは、長さ約55cm、幅約40cm、高さ約22cm。持ち運ぶようにバラせば、長さ約27cm、幅約15cm、高さ約5cmまで小さくなります。重量は、約5.8kg、価格は、250ドルです。プロパンガスが必要ではありますが、これがあれば、いつでもどこでもパパッと焚き火や料理を楽しむことができますね。 購入はこちら:The Original Nomad

どこでもグランピング?!「ヒッチ・キャンパー 」

最後に紹介するのは、大物の「ノマド・ヒッチキャンパー・ウィズ・テント&アネックス」。トレイラーのように車の後部に接続して運び、どこでも居住空間を出現させるというキャンピングカーとテントが合体したような商品です。 ヒッチキャンパー内には、温水シャワーやテーブル、ストレージまでが組み込まれていて、どこでも快適にキャンプが楽しめるそうです。ルーフトップテントは、ブランドンさんのお子さんのお気に入りだとか。ブランドンさん本人は、すぐに余裕を持って料理のできるテーブルが気に入っているそうです。 このヒッチ・キャンパーは、自立も可能なので、組み立てた状態で残して、車で出かけることもできます。フルセット価格は、4985ドルです。 購入はこちら:The Original Nomad
必要は発明の母と言いますが、「アウトドアでこれが欲しい、でも売っていない」と言うものを「じゃあ作っちゃえ」とDIYしてきたブランドンさん。自分で作ったアイテムを提げてキャンプに出かけ、みんなをアッと驚かせるのは楽しいに違いありません。 彼の発明品はもちろん、アウトドアギアのDIYに興味のある方もぜひオリジナル・ノマドのサイト (The Original Nomad)をチェックしてみてください。キャンプがもっと楽しくなるアイディアに出会えるかもしれませんよ。


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