キャンプ・アウトドア情報メディア | hinata〜もっとそとが好きになる〜

通気性に優れた防水透湿ウェア!ザ・ノース・フェイスが新素材「FUTURELIGHT」を開発

THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)が、本格的なアウトドア活動向けに開発した防水透湿の新素材「FUTURELIGHT(フューチャーライト)」を発表しました。従来素材よりも通気性に優れ、高い防水・耐久性を確保しながら軽量化を実現。これまでの防水透湿素材との違いや開発の経緯を聞いてきました。

アウターシェルは何故着たり脱いだりするのか

出典:DeRepente / ゲッティイメージズ

本格的なアウトドアスポーツでの一番の課題は、運動することで使うエネルギーから発生する、熱や汗からの衣服内の蒸れです。従来の透湿素材は衣服内と外気との差が生じることで透湿をする仕組みです。つまり衣服内が蒸れたり、温かくなってから初めて透湿され始めます。そもそも蒸れさせないために、ベンチレーションやウェアの着脱で調整することが多く、そこがストレスにもなっていました。 そこでザ・ノース・フェイスは、防水と透湿の機能を両立させながら、高いレベルの耐久、耐風性も可能にする素材の開発に着手しました。

過酷な環境に耐える防水透湿素材「FUTURELIGHT」

ザ・ノース・フェイスは、8,000m級の山などの極地で同ブランドのサポートアスリートとともにフィールドテストを重ね、開発に3年をかけて「FUTURELIGHT」を実現。LIGHT(軽い)という名前からも分かるように、同社で従来採用していた防水透湿の素材よりも通気性を高め、ウェア内の蒸れを放出するベンチレーションを減らして軽量化に成功。さらに過酷な環境下でも身軽に動けるストレッチ性も向上させました。

従来の防水透湿素材と、全く異なる方法で開発!

ミクロ単位でポリウレタン繊維を吹き重ねるナノスピニング技術で、1枚のフィルムを成型。これが防水透湿素材のナノフィルムになります。 繊維に無数にできた隙間で空気の流れを作り、衣服内の熱と湿気を放出させる通気性を実現。繊維の隙間は水の分子よりも小さいため、雨などの外からの水分は通さず、「防水性」と「通気性」という相反する機能を両立させました。
FUTURELIGHTは、極地での活動を想定した頂上シリーズ「サミットシリーズ(SUMMIT SERIES)」、バックカントリースキー&スノーボードに特化した「スティープシリーズ(STEEP SERIES)」、トレイルランニングなどで活躍する「フライトシリーズ(FLIGHT SERIES)」の3種類に採用されています。
9月27日に開かれたメディア向けのレセプションでは、新素材を使ったウェアの紹介の後に、アルパインクライマーの馬目弘仁(まのめ・ひろよし)さんと、佐藤裕介さんが使用感を紹介。
馬目さんは「触り心地が柔らかくて、着心地がとても良いです。アルパインクライマーにとっても、ゴワつきにくくしなやかなソフトシェルは本当に着心地が良いです。通気性があるので、本当に寒い時期は上着と一緒に使うなど、中間着として期待ができます。またウェアだけではなくて、テントやシュラフカバーにも活用できるのではないでしょうか」と話し、今後の新素材の展開を期待していました。

ブランドの今後の方針は...?

FUTURELIGHTは登山などの本格的なアウトドアシーンに対応できる素材として開発されましたが、「今後は普段の生活で使う雨具にもFUTURELIGHTの技術を反映させたい」(ブランド関係者)とのことです。アルパインクライマー馬目さんのお話に出た新素材のテントは、2020年3月の発売を目指して開発中。FUTURELIGHTの「LIGHT」という単語は、未来への希望の光という意味も込められており、今後さらなる進化を遂げそうです。

まとめ

防水透湿ウェアの蒸れの解決を目指したのが、FUTURELIGHTのウェア。機能性だけでなくデザインも洗練され、思わず着たくなる一着。登山やスノースポーツ、キャンプなどのアウトドアにお試しください。

特集・連載


あわせて読みたい記事