ファミリーテントは「大は小を兼ねる」とはいかないワケ。ベテランデュオキャンパーと学ぶ適切なサイズ感
桜の便りも聞こえ始め、いよいよ本格的なキャンプシーズンの到来。新しい家族に恵まれ、ファミリーキャンプをいざ始めようというとき、悩むのが選ぶテントの大きさです。「子どもが増えるかもしれないし、大は小を兼ねるのでは?」と思ったファミリーキャンパーは要注意。ややコンパクトなテントを選ぶメリットをお伝えします。
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キャンプ・アウトドアWebマガジン「hinata」編集部。年間に制作・編集する記事は600以上。著書に『ひなたごはん』(扶桑社ムック)など。
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もくじ
ファミリーで使う初めてのテント
デュオキャンプからファミリーキャンプへ
友人とのグループキャンプや、カップルキャンプを経て、子連れのファミリーキャンプへ。夫婦のみで使っていたテントは手狭になり、もう少し大きいサイズのものが必要になります。
そもそもテントは、どれくらいのサイズがベストなのでしょうか。「子どもが1人のうちは3〜4人用?」「子どもが増えることを考え、4〜5人用を買っておくべき?」。テントの適切なサイズ感について、解説します。
2~3人用がファミキャンには汎用性高し!
もちろん、人数に限らず広々としたテントを使った方が快適なことは確かです。しかし、コストパフォーマンスで考えると、大人が2〜3人で使えるぐらいのややコンパクトなテントがおすすめ。夫婦のみでのキャンプから、子どもが大きくなるまで、同じテントを使い続けられます。
子どもが就学するころになると、習い事や学校行事などで家族全員でキャンプに行ける機会が減り、パパソロキャンや母子グルキャンの機会が増えることも。そんなシーンにも応用ができ、ファミキャンにはもっとも汎用性の高いサイズ感といえるでしょう。
家族3人+犬のファミリーでふたつのテントを体験!
ベテランデュオキャンパーの荘司夫妻と、お子さん+わんちゃん
夫婦でキャンプ場の勤務経験がある荘司夫妻。夫の大地さんは静岡でキャンプ場の開設を準備中です。
娘のひなたちゃんが1歳になった昨年の秋から、子連れでキャンプを再スタート。冬の間も毎週のようにファミリーキャンプに繰り出していたという、ベテランキャンパーのファミリーです。4〜5人用の大型ツールームテントをベースに、身軽で楽しみたいときは2人用のコットンテントを使い分けています。
1歳5カ月となる、ひなたちゃんとオンシーズンのファミキャンデビューを控え、これからの暑くなる季節に快適に過ごせるテントは?ホールアースの2〜3人用のふたつのテントの使用感をレビューしてもらいました!
定番のドームテント「アースドーム240SC」
大人2〜3人で使うのにちょうど良いサイズ感の、スタンダードなドームテント。一般的なドームテントより前室が広めで、家族3人とわんちゃんが日を避けたり、チェアを置いてくつろいだりするスペースは十分にあります。
インナーテント広々でファミキャンにも最適
インナーテントの快適収容人数は大人2人プラス、子ども1〜2人。1歳児のひなたちゃんが、歩き回れるくらいの空間はあり広々。妻のめぐみさんは「テント自体はコンパクトな印象なのに、中に入ってみると意外なほど広いですね。子どもがはしゃいで思い切り体を動かしても、ぶつからないくらいです」とびっくり。
通気性抜群。夏のキャンプを快適に過ごせる仕様
インナーテントには、上部に大きなベンチレーションが2カ所あるほか、側面にも窓があり、通気性抜群。前後左右の入り口と窓部分をすべてメッシュにしておけば風の通りが良くなり、夏でも快適にテント内で過ごせます。「たくさんある窓は、中から外の景色が見えるし、外からも中にいる子どもの様子が見えるので安心です」(大地さん)。
汎用性の高いツールームテント『アースハーフクーヘンSC』
ファミリーに人気急上昇中のツールームテント
ひとつのテントで「寝室」と「リビング」のふたつのスペースを確保できる、便利なツールームテント。タープを購入する必要がないので、コストと手間が省け、ファミリーキャンパーの強い味方です。
前室広々でタープいらず。設営時間を短縮できる
サイドの出入り口を大きく開放し、キャノピーアップで、オープンなリビングに。キャンプ場でそれほど場所を取らないサイズ感でありながら、テーブルとチェアを置き、家族全員でくつろぐのに最適な広さです。めぐみさんは母親視点でテントを評価。「タープ設営の時間を短縮でき、子どもが愚図る前にリビングが完成できるのでヒヤヒヤしなくて済みますね」。
大型シェルターとしても使える
インナーテントを取り外し、フライシートだけを残せば、トンネル型シェルターとしても使えます。大地さんも、この点はお気に入りの様子。「友人家族や仲間とのデイキャンプに、日陰にもなり大活躍しそう。うちの子くらいの小さな子どもなら、テントの中でも十分遊べますね」。
【ふたつのテントに共通】ファミリーキャンパーにうれしい機能が満載!
虫を寄せ付けない素材が、小さな子どもの夏キャンデビューにぴったり
オンシーズンのキャンプでストレスになる、虫刺され。とくに乳幼児など小さな子どもは虫に刺されやすく、かぶれてしまうことが多いので心配です。「アースドーム240SC」と「アースハーフクーヘンSC」のインナーテントは、特殊防虫加工「スコーロン®︎」を採用しており、虫を寄せ付けません。「防虫加工は、小さな子ども連れのキャンパーにとってうれしすぎる機能。蚊帳のようなテントの中にいれば夏でも涼しく、虫から守られて安心です」とめぐみさん。
UVカット&難燃機能でオールシーズン快適!
フライシートの生地裏のシルバーコーティングは、外気との温度差を最大でマイナス5℃程度軽減。UPF50+が紫外線から肌を守ってくれます。さらに、近くで焚き火をして火の粉が飛んできても穴があきにくく、燃え広がりにくい難燃加工も施されています。めぐみさんもテントに実際に触れ、「夏は涼しく、秋冬は焚き火も楽しめるので、オールシーズン快適に過ごせそうですね」と話してくれました。
強風に負けないアルミ合金ポールを使用
ポールの素材である7000番台アルミ合金は、軽量ながら弾性と強度に優れています。大地さんはこの剛性に注目。「子どもが愚図ってしまい、強風の中で慌ててテントを立てていたところ、ポールが折れてしまったことがあるんです。これなら多少風が強くても折れなさそうですね」。
カラーアシストシステムで簡単設営
ポールやスリーブ、ピンやテープが色分けされているので、どのポールをどのスリーブに通すか、どのピンをどのポールに刺すかが一目でわかります。「フライシートとインナーテントの連結位置も、テープの色で判断できるので、迷うことなくひとりでも立てられそうです」(大地さん)。
ファミキャンにはコンパクトなテントも選択肢に
大きなテントも広々使えていいけれど、多機能で汎用性の高いテントを持ち、ファミリーキャンプや、たまには夫婦のみでのキャンプ、ゆくゆくはソロキャンプや親子キャンプを楽しむのもあり。どのシーンにも対応する2〜3人用のややコンパクトなテントをファミキャン用のテントとして、ぜひ検討してみてください。