【犬と楽しむ白馬の雪遊び3選】ドッグラン付きの通年キャンプ場やスキー場でワンコ大はしゃぎ。犬好きが増えたワケとは?
「憧れの犬連れキャンプ」「初めての雪中キャンプ」。両方を一緒に体験できるのが、世界有数のアウトドアリゾート、長野・白馬。冬はスキー場のイメージがありますが、近年は犬連れの観光客の姿が通年で目立つようになっています。通年営業する犬フレンドリーなキャンプ場はもちろん、犬連れOKなペンションやスキー場、レストランはいたるところに。犬と楽しめる白馬のおすすめスポットを紹介します。
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キャンプ・アウトドアWebマガジン「hinata」編集部。年間に制作・編集する記事は600以上。著書に『ひなたごはん』(扶桑社ムック)など。
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犬連れのアウトドア好きが白馬に集結のワケ
子どもより犬連れの観光客が多い!?
1998年冬の長野五輪。日本のジャンプ団体が金メダルを獲得し、日本中を感動させた舞台が白馬です。今でもスキー、スノーボードの聖地ですが、実は近年、有名スキー場やレストランで、犬連れの観光客の姿が目立つようになっています。
そこで、その真相を確かめるべく、都内在住の小畑健造さん(29)・梢さん(27)夫妻が、白馬の「犬キャンプ旅」を1泊2日で体験しながら、犬連れが増えている理由と魅力を探りました!
自然発生的に犬の街に。
小畑夫妻が今回、白馬に行ってあらためて気づいたのが、犬連れの多さ。受け入れ可能な施設やレストランが選ぶほどあり、犬と一緒にアクティビティや観光が楽しめました。
「なぜ白馬村が犬連れ観光の街になったのか」
白馬村観光局の担当者に夫妻に代わって聞いてみると、「(村として)全面に押し出してプロモーションをしたことはないですが、犬好きの方々がイベント実施やわんわんマップの作成などをしてくれています」とのこと。
そこで、より詳細を聞くために紹介してもらったのが、犬連れ專門のペンションとキャンプ場を経営し、犬の情報発信をしている永井祐二さん(58)。「犬のリゾート」の見解は次の通りです。
「白馬には外国人観光客が増える前から、避暑やウインタースポーツを楽しむ在日米軍の関係者が多くいました。西洋は土足の文化ということもあり、宿泊施設の室内に犬を入れるのに抵抗が少ない人が多かったのではないでしょうか」。
実際に、大手の宿泊予約サイトで犬連れOKなペンションを探してみると、約40軒が確認できました。「標高が700mの場所にあり、夏でも熱帯夜になることがほとんどない」(白馬村観光局)というのも、暑さに弱い犬が過ごしやすく、影響しているとみられています。
日本で犬が一番喜ぶ冬のリゾート!?
犬とゴンドラで標高約1300mの銀世界へ。
特に、犬フレンドリーなスキー場として知られるのが、北アルプスの雄大な景色を楽しめる「白馬岩岳スノーフィールド」。2020年〜21年のウインターシーズンから、夏同様にゴンドラに搭乗できるようになり、21〜22年シーズンは、スキーヤー・スノーボーダーとゴンドラの列に並ぶ犬連れの姿が日常になっています。
北アルプスを前に山頂でワンコと記念撮影
ゴンドラを降りて圧雪された雪の上を5分ほど散歩すれば、北アルプスの神々しい景色を堪能できる山頂テラス「HAKUBA MOUNTAIN HARBOR」(白馬マウンテンハーバー)に到着。標高1,289mで一緒にとる記念写真は、犬との一生の思い出になります。ゲレンデ内に犬は入れませんので、注意しましょう。
雪上ドッグランにワンコも大興奮
▲雪上のドッグランを走り回る柴犬のゴン太
▲白馬の絶景を楽しめる山頂のブランコ
白馬岩岳スノーフィールドが人気となったもうひとつの理由は、ゴンドラ山頂駅の前にある「雪上ドッグラン」。モフモフの雪の上で、犬たちも大興奮です。
そのほか、犬が入れないエリアになりますが、白馬三山の標高差2200mのながめを飛んでいるように楽しめるブランコ「YOOーHOO!SWING」も、2022年に大人気のアトラクション。1回500円で、久しぶりにブランコに乗る大人からの歓声が目立ちます。
レストランも犬と楽しめる徹底ぶり!
同じく山頂にあるSkyark(スカイアーク)は、夏は芝生、冬は雪原の景⾊が⽬の前に広がるカフェ。屋内で犬と食べれるエリアがあるので、あたたかい飲み物で、一緒に一息つけます。実は、信州味噌ラーメン(1,000円)が人気で、心も体もぽかぽかに。
▲犬も一緒に楽しめるカフェ
スキー場を運営する岩岳リゾートによると、白馬エリアでも比較的標高が高い場所にゴンドラなどでアクセスできるスキー場は自然環境への配慮から、ペット連れの乗車が制限されています。
小畑夫妻を出迎えてくれた同社の齋藤耕平さんは「岩岳では家族であるペットと一緒にゴンドラリフトに乗れて、白銀に輝く北アルプスのパノラマを楽しめるのが、人気になっている理由ではないでしょうか」と話してくれました。
犬とスノーシューで雪上散歩
雪国の手軽なアクティビティ
スキーやスノーボードと違い、スノーシューは誰でも練習なしですぐに銀世界を楽しめるアクティビティ。小畑夫妻は、白馬岩岳スノーフィールドに寄ったついでに、ゴンドラ駅の山麓駅そばにあるレンタルショップ「スパイシー」で、防寒靴とストックとのセットをレンタルしました。
▲白馬を中心に展開するレンタルショップ「スパイシー」
▲防寒靴に履き替える小畑夫妻
同スキー場の頂上部にあるトレッキングコース「ねずこの森」で、1周約1.2kmのウォーキングを楽しむ人が多いですが、誰でも歩いていない河原を歩いてみるのも、関東や関西の都市部では味わえない醍醐味。本格的な冬山とは違って体力に関係なく遊べ、白馬なら街のそばの何気ない世界でも、雪国の感動が見つかります。
小畑夫妻は、宿泊した犬専用の通年キャンプ場「Romperdog Run&Site」の裏庭の林を散歩。白馬の山並みが白く輝く景色をみながら、みとれていた小畑夫妻でした。
今回初めてスノーシューを楽しんだ小畑健造さんも「誰も歩いていない新雪を歩くのが楽しいですね。登山やスノーボードで白馬は数回来ていましたが、何気ないペンション裏の林を歩くだけでも、新鮮でした」と喜んでいました。
平原でも私有地の田畑の場合もあるので、宿泊先のホテル・ペンションや白馬村観光局などに確認しておきましょう。
【基本情報】
名前:スパイシー岩岳店
住所:長野県北安曇郡白馬村北城岩岳スキー場内
電話:0261-72-2479
「犬が本当に楽しいキャンプ場」をついに発見!
リードなしで過ごせる「Romperdog Run&Site」
冒頭に白馬の犬連れ人気について話してくれた永井さんがオーナーの通年キャンプ場。約120〜160平方メートルまでの計12サイトがあり、各サイトが柵で覆われ、犬もキャンプ中は自由に走れ回れます。「冬でも週末にサイトが埋まることもある」(永井さん)という人気ぶりです。
愛犬家による、愛犬家のためのキャンプ場
▲雪中キャンプでは、犬用のコットはお忘れなく
愛犬を連れてキャンプをしていた永井さんですが、「犬はずっとつながれっぱなしで、一緒に楽しんでいるのだろうか」と思い、一念発起。自らが理想とする犬のためのキャンプサイトを、所有するペンションの周囲の空き地に整備。2017年に当時としては珍しい犬専用のキャンプ場をオープンしました。
▲広々としたキャンプサイト
柵が風を防いでくれるので、冬でも体感温度が下がらないのもポイント。周囲にはペンションが建ち並び、リゾートのような趣でキャンプができる感覚を味わえます。
キャンプ場前の坂を500mほど降りれば、セブンイレブンや居酒屋、さらに車で5分の距離にスーパーもあり、利便性は抜群。ただ、冬は氷点下10度を下回ることも多いので、寒さに弱い犬種の場合には、暖房をきかせたおこもりスタイルにするなど、注意が必要です。
▲キャンプ場の前にあるペンション・ピレモン
トイレには暖房があり、温水が出るので、冬キャンプ初心者のデビューにはうってつけ。地面からの冷気を遮断する犬用のコット(簡易ベッド)もお忘れなく。
【基本情報】
名前:Romperdog Run&Site
住所:長野県北安曇郡白馬村北城828−259
電話:0261-72-5355
キャンプ場天国の白馬は犬と一緒に!
白馬村観光局によると、村内にはキャンプ場が約15カ所はあります。北アルプスの登山やスキー場のイメージが強く、関東や関西のキャンパーにとっては、穴場的な存在。首都圏の混み合うキャンプ場を抜け出し、犬と一緒に白馬でアウトドアを楽しむのが、白馬のキャンプスタイルです。小畑健造さんは旅を終え、「白馬には何回か来ていましたが、次は2泊3日で、違う季節も楽しみたくなりました」と話してくれました。