厚さ6mmで実現する極上肉体験。「鉄板戦国時代」を制する匠製作所KOKOROの一枚
フィールドスタイル2021で発見!職人魂光る、真似できない発想の最新ギア【アウトドアギアさんぽvol.9】
2021.12.08キャンプ用品
アウトドア×ライフスタイルで使えそうなギアを求め、キャンパー視点でショップやイベントを渡り歩く好評企画「アウトドアギアさんぽ」。9回目は、11月下旬に開かれた国内最大級の外遊びの祭典「FIELDSTYLE JAMBOREE 2021」で職人魂と独自性が光るギアを探し求めました。
制作者
アキモトユウキ
中学時代にワンダーフォーゲル部でキャンプめしの美味さを知って以来、くいしん坊キャンパーの道を歩んで20年。バーベキューは、だんぜん肉の塊派!
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もくじ
外遊びの祭典「フィールドスタイル」で最新ギアを求め、探索!
今回の「アウトドアギアさんぽ」は名古屋に出張さんぽ。11月20日〜21日に開催された国内最大級の外遊びの祭典「FIELDSTYLE JAMBOREE 2021」に足を運んできました。
たくさんの最新ギアのお披露目の場である「FIELDSTYLE」の会場を巡った中、「クラフトマンシップ」と「オリジナリティ」をテーマに、ギアフリークな筆者の琴線に触れるアイテムをピックアップして、紹介します。
ゴールゼロをすっぽり包んで光を優しくする、38exploreの「ZEROCO38」
今年も5時間以上の行列ができるほどの盛況だった、人気ガレージブランド集団「M16」ブース。その中でも筆者の心を掴まれたのが、カメラ用の三脚を使ったテーブル「38パレット」でキャンプギア界を一世風靡したブランド「38explore(サーティエイトエクスプロー)」のアイテムです。
その名も「ZEROCO38」。こちらは、不動の人気を誇るGoal Zero社の小型LEDランタン「ライトハウスマイクロ」及び「ライトハウスマイクロフラッシュ」に取り付けるディフューザーです。
ディフューザーというのは、光を拡散させて柔らかくするシェードの一種。LEDの光は直線的なので眩しくなりがちですが、光を拡散することにより、優しい光になります。ムードアップに貢献するほか、写真撮影の光源として使いやすくなるので、キャンプシーンで写真を楽しむ方にとってもうれしいアイテムです。
「ZEROCO38 」の画期的なポイントは「ライトハウスマイクロ」をすっぽり包む構造。見た目がシンプルになるので、どんなキャンプスタイルにも合わせやすくなります。包むだけでなく、「ライトハウスマイクロ」をカチッとロックする構造になっているので、吊り下げた時に抜け落ちる心配もありません。
さらに底の部分には同ブランドの代名詞であるカメラ用品と同じ1/4インチ規格のネジ穴が設けられており、カメラ用三脚や同規格のアクセサリーを取り付け可能です。
別売りもしくはセット販売の「ASINOSTICK」を使用すると簡易的な三脚付きの照明になります。同ブランドの超小型多機能ランタンスタンド「ZEROPOD38」との組み合わせができるなど拡張性の高さも魅力です。
製造は、精密な削り出しを得意とするクラフトマンシップ溢れる工場、栗原精機。
一見シンプルながらも複雑な意匠が凝らされている製品「ZEROCO38」。金型から抜くのではなく、一個一個、素材の削り出しで作られています。それは、継ぎ目のない美しいラインや、ランタンをロックする構造、ネジ穴加工などは、金型方式では加工できないため。
人気のキャンプギアが出ると、似たアイテムが他のブランドから展開されがちですが、こちらは「真似できるものなら真似てみろ」と言わんばかりの職人魂を感じるプロダクトです。今後も画期的なアイテムを開発展開し続ける「38explore」から目が離せません。
【基本情報】
商品名: 38explore「ZEROCO38」
税込価格: 本体単品4,180円、「ASINO STICK」セット9,130円
詳細はこちら: 38explore
最新情報はこちら: Instagram(@38exploe)
▼「M16」についてもっと知りたい方はこちらの記事もチェック!
懐かしさ感じる、この玉の正体は?detourlife×FUJIKINKOの火起こしポンプ「Fire Blow Contoroller」
続いて、お邪魔したのは、「Freelymost & Activery(縦横無尽)」をモットーに、物事を見つめジャンルに囚われないモノづくり&セレクトをしているライフスタイルストア「TSUNOKAWA FARM」。カレー をテーマにしたオリジナルブランド「CURRYMASON」でおなじみのストアです。
筆者の心をくすぐったのが、同ストアが展開するアウトドアブランド「detourlife(デトアーライフ)」と、東京葛飾区の町工場ブランド「FUJIKINKO」がコラボしたアイテム「Fire Blow Contoroller」。
一見すると何に使うのかわからない道具ですが、こちらは焚き火用の火おこしポンプです。スティックの持ち手をピストンのように前後させると、先端から空気が送り出されるシンプルな構造。あるようでなかったアイテム。
火吹き棒も良いですが、ポンプ型には、口をつけずに済むから衛生的な点や、息の吹きすぎで酸欠になることがないなどの利点があります。
「Fire Blow Contoroller」の本体は味のある真鍮で作られており高級感たっぷりです。簡単に細かく分解でき、メンテナンスもしやすい上、シンプルな構造ゆえ壊れにくいので、長く使える道具に仕上がっています。
精度の高い真ちゅうの加工は、昭和44年創業の町工場が展開するブランド「FUJIKINKO」の得意分野。下請け企業に甘んじず、洗練されたアイテムを世界に向けて送り出さんとする彼らの気概が、製品のクオリティの高さに垣間見えます。
そして気になるのが、ポンプの押し子の先端に付いたドラえもんのしっぽのような、まんまるの玉。こちらはなんと、アーケードゲームのコントローラーの握り玉。ゲームセンターで遊んだことのある大人なら、ノスタルジックな気持ちになること必至の感触です。
ちなみに、この玉も浅草の町工場で長年にわたって作られているもの。日本の職人魂と遊び心に想いを馳せつつ、「Fire Blow Contoroller」で焚き火をコントロールしましょう。
【基本情報】
商品名: detourlife×FUJIKINKO「Fire Blow Contoroller」
税込価格: 12,000円
詳細はこちら: TSUNOKAWA FARM
最新情報はこちら: Instagram(@tsunokawafarm)
こだわりが細部にまで行き渡る、純国産ウッドチェア「Army Duck Chair」
各社からキャンプ用のウッドチェアが数多く展開されていますが、カーミットチェアの人気を超えるものは現れていません。そんな中、オリジナリティあふれるメイドインジャパンのウッドチェアを展開していたのが、名古屋発の新ブランド「Really Life Tools」。
天然木の温もりや、加工の丁寧さが目を引くフレーム部分は、国産の胡桃、栗、桜材が使用。しかもその木材は、東海地区の山を切り開き、道を作る際に伐採されそのまま使用されることなく朽ちるほかなかったものを活用しているので、持続可能な開発目標(SDGs)への配慮も感じられます。こんな美しい木材が使用されることなく朽ち果てている事実を知りました。
シート部分には、愛知県知多半島で織られている、アメリカ発祥の米国連邦規格に準じたコットン生地「アーミーダック」を使用。高密度で細い糸を織り上げているため、一般的な帆布に比べて薄さがありつつも伸びにくいのが特徴です。それでいて米軍の弾薬運搬袋に使用されるほどのタフさも備えているので、シートに最適の生地です。
さらに、シートがハンモック状になっているので、姿勢に合わせて、体をサポートしてくれます。リラックスしたときの後傾姿勢と、焚き火や調理の際の前傾姿勢が両立できるのも優れたポイント。
シートのカラーも複数用意される予定ですが、中でも黒のシートは、染色にもただならぬこだわりがありました。410年以上の歴史がある愛知の伝統工芸、名古屋黒紋付染(なごやくろもんつきぞめ)により染色されており、長く使っても色落ちすることのない美しい黒を実現しています。
さらに、家のインテリアとしても高級感のある外観ながら、コンパクトに収納できるので、さまざまなフィールドに持ち出せます。価格や販売時期は未定なので、気になる方は公式インスタグラムで最新情報を待ちましょう。
【基本情報】
商品名: Really Life Tools「Army Duck Chair」
最新情報はこちら: Instagram(@reallylifetools)
3種の鉄板を使い分け&合体!男心くすぐる進化系鉄板、Number55 の「鉄板焼鉄YAKIGANE 」
最後は、クラウドファンディグで数々の成功を収めてきた、アイアン製のギアを展開する岐阜県発のブランド「Number55(ナンバーダブルファイブ)」から、いまだかつてない発想の3枚重ね鉄板「鉄板焼鉄 YAKIGANE」。
さびにくく丈夫な黒皮鉄板をプレスして作られた「鉄板焼鉄 YAKIGANE」は、「壱ノ垣」「弐ノ垣」「参ノ垣」と呼ばれる異なる役割を持つ3枚の鉄板で構成されています。
「壱ノ垣」はフラットでオーソドックスな鉄板。お好み焼きや焼きそばなどさまざまな鉄板料理が楽しめます。「弐ノ垣」はスリット入りの鉄板。網のような使い方ができ、肉の脂を程よく落としながら焼くなどの使い方ができます。「参ノ垣」はエンボス加工が施された突起付きの鉄板。魚や鶏肉のの皮目など、くっついて剥がれやすい食材を焼くのに適しています。
さらに、単体で使用する以外に、組み合わせも可能。「壱ノ垣」の上にに「弐ノ垣」を重ね、波型グリルのような使い方をしたり、各3.2mmの鉄板を3枚重ねて、厚さ9.6mmの極厚鉄板とし、蓄熱性をアップさせるなどの使い方もできます。
セットには熱くなった状態の鉄板を安全に取り扱うためのリフターも付属。リフターには栓抜き機能も付いています。こういったさりげないディテールも製品作りにこだわりを感じるポイントです。
3枚を重ねて、専用の収納袋に収めればコンパクトに収納可能で、置き場所にも困りません。
「ナンバーダブルファイブ」は、車用部品のプレス金型など金属加工を得意とする和晃精工と、広告などデザインを得意とするルンゴが共同で立ち上げたブランド。それぞれの強みを生かしたプロダクトは、デザインと実用性、クオリティの高さを兼ね備えています。
こんな企業タッグが増え、素晴らしいギアがどんどん生まれてほしいですね。
【基本情報】
商品名: Number55「鉄板焼鉄YAKIGANE」3種+取っ手+麻袋セット
税込価格: 13,200円
詳細はこちら: Number55
最新情報はこちら: Instagram(@munber55_ogaki)
▼「Number55」についてもっと知りたい方はこちらの記事もチェック!
キャンプ料理の幅が格段にアップ!鉄鍋&鉄板がそれぞれ蓋になるNumber55の斬新アイデアとは?
岐阜発のキャンプギアブランド「Number55(ナンバーダブルファイブ)」が、キャンプ料理の幅を格段に広げる鉄鍋と鉄板「垣天火 ENTENKA(えんてんか)」をMakuakeで発売。上下反転させることで、それぞれがふたの役割を担い、一組で「焼く」「蒸す」「揚げる」などの調理ができ、発表初日から目標金額を大幅に上回る話題となっています。
良いギアは今後もまだまだ生まれてくる!
フィールドスタイルを巡って、筆者が感じたのは、ガレージブランドの盛り上がりがさらに増し、各社の製品のクオリティの水準が上がっていること。釣りやバンライフなど他の領域とのクロスオーバーを果たしながら、今後もまだまだオリジナリティとクラフトマンシップシップあふれるギアが生まれることでしょう。