自転車キャンプに必要な持ち物は?自転車で日本縦断をした私が教えます!
いつもと違う、渋谷発のキャンプ。折りたたみ自転車とトレーラーでまったり旅【キャンプ×自転車】
2020.12.27キャンプ場
キャンプ人気の高まりとともに、スタイルも多様化。2021年に「来る」と言われているのが「キャンプ×自転車」です。特に注目は、長距離を旅する本格的なツーリングではなく、サイクルトレーラーをつけて10kmほどをゆったり走るお気楽UL(ウルトラライト)キャンプ。景色の移ろいとキャンプ場に着く達成感は、いつものオートキャンプと違った体験です。
出発は渋谷スクランブル交差点から
キャンプ場といえば、山間部のイメージですが、意外と街のそばにも多くあるもの。都内だけでみても、大田区の平和島や江東区の若洲海浜公園など、都心から10kmちょっとをこげば行けるキャンプ場が点在しています。そこに注目したhinataの自転車キャンパーで、元自転車屋の従業員、近藤実(26)は「一番東京ぽい」という理由で、渋谷のスクランブル交差点から向かうキャンプを計画。まったりと「キャンプ×自転車」が楽しめそうな折りたたみ自転車とサイクルトレーラーの組み合わせで挑戦します。
ハチ公そばで自転車を組み立て出発
いつものオートキャンプとは違って、移動の景色の変化も楽しもうと、近藤が選んだのが、自然と対極にある渋谷駅のスクランブル交差点。電車でhinataオフィスのある最寄り駅、目黒駅からJR山手線で2駅の渋谷駅に向かいます。
思いついたままに、行き先まで公共交通機関で移動できるのも、折りたたみ自転車を使った「キャンプ×自転車」の旅ならでは。ハチ公のそばで自転車を組み立て、スクランブル交差点スタートのキャンプ旅へ。
恵比寿、目黒と抜け、快調に飛ばす近藤。とてもこれからキャンプに行く人には見えず、街に違和感なく、溶け込んでいます。昼ご飯をどこで食べようか、探しながら走れるのも楽しみの一つ。
湾岸エリアの橋の坂も余裕でクリア
距離が短いと坂道も楽々
湾岸付近に近づくと、運河にかかる橋の傾斜も目立つように。ただまだスタートして1時間ほど。長距離ツーリングではないので、ペダルをこぐ力強い近藤。キャンプ場に到着して疲労が残らないのも、公共交通機関と折りたたみ自転車を使ったキャンプの良さ。
キャンプに使えるサイクルトレーラー
日本ではまだまだ認知度がないサイクルトレーラー。ペダルをこぎながら荷物をかつぐことから解放されるので、ゆったりと景色を楽しみながらツーリングに向かえます。近藤も「意外に抵抗は感じず、普通の自転車のように走りますね」と見直した様子。
車では出会えないあのキャラクター
自転車の醍醐味は、普段の車移動では気づけない、道中の景色。紅葉が色づいた街路樹に誘われるがままに走ると、至るところにミッフィ―の人形や絵が描かれた遊具が登場する公園を見つけます。目黒川が天王洲南運河にそそぎ込む東品川海上公園、通称「ミッフィー公園」。近藤の表情心なしか、なごやかに。
▲ミッフィーを横目に走る近藤
▼メルヘンの世界を抜け出すと、大井競馬場の勝負の世界
ミッフィー公園から出て30分弱。今度は一転。大井競馬場の大人の世界が広がっていました。
つい2時間ほど前にいた渋谷の雑踏が嘘かのような、落ち着いた京浜運河沿いの道に。釣りを楽しむ人を横目に、大田区内のキャンプ場に到着します。寄り道をしながら13kmのキャンプ旅。「キャンプ場で達成感を感じながらの設営は、普段のオートキャンプにはない充実感でした」(近藤)。
約7kgのULスタイルでも快適キャンプ
近藤は今回の自転車旅のために、ULスタイルのアイテムを持参。「全部で約7kgぐらい」(近藤)という軽さながら、ストイックになることなく、快適にキャンプを楽しめる必要最小限の装備です。大手ブランドの焚き火台1つで近藤の荷物のすべての重さのものがあるぐらい。いかにオートキャンプの荷物が多いか気付かされます。
【アイテム一覧】
テント…プレテント・ソリスト
バーナー…ジェットボイル・フラッシュ
テーブル…スノーピーク・オゼンライト
寝袋…ナンガ・オーロラ450
照明…ゴールゼロ・マイクロフラッシュ
焚き火台…パーゴワークス・忍者ファイヤースタンド
マットクライミット・慣性Xフレーム超軽量スリーピングパッド
バックパック…トレイルバム・ステディー
▲近藤のULアイテムの展開イメージ
疲れたら電車ですぐ帰宅!?
キャンプ場でキャンプアイテムを広げた後は、泊まりたい欲望を抑えながらも、撮影のため日帰りデイキャンプ。帰りに疲れてしまっても、いつでも駅前でおりたたんで、そのまま自宅の最寄り駅にいけるのも折りたたみ自転車キャンプのいいところ。今回は走り足りない近藤はまた帰路も自転車でオフィスに戻り、海沿いのキャンプ場から一転、現実に引き戻されていました。
試したかった折りたたみ自転車
自転車のツーリングキャンプといえば、ドロップハンドルのバッグに、サイドのツーリングバッグをつけて走る正統派の「チャリダー」スタイル。ただキャンプ好きの近藤が目指すのは、あくまでキャンプ主体の「キャンプ+@」のアクティビティ。自転車メインではなく、キャンプメインで考えたときに、疲れて果ててしまって、ただ寝るだけのキャンプにはしたくないところ。
そこで注目したのは、目的地のそばまで公共交通機関で行き、駅やバス停から折りたたみ自転車でキャンプ場を目指すスタイル。ただ快適さを残しながらのキャンプなら、そこそこ大容量のバックパック分のアイテムは必要。そこで見つけて貸し出しをお願いしたのが、サイクルトレーラーがつけられる特徴的な折りたたみ自転車「iruka(イルカ)」。
前輪と後輪が同軸にたためるので、キャリーカートのようにコロコロと転がせ、かつぐことなく持ち運べます。国内はもちろん、海外でも展開しており、折りたたみ自転車が人気のインドネシアでもすぐに予定数が売り切れてしまうほど支持されています。
特徴的なのが、サドルにつないで牽引できるコンパクトサイズのトレーラー「iruCart」。欧州でよく見られるサイクルトレーラーは、後輪につけるために全長が長くなってしまい、国内での繁華街でのカーブや駐輪には不向きですが、iruCartならサドルとつなげるので、長さを抑えられ、街中でも機動的な印象でした。
iruCartの荷台の長さは80cmで、耐荷重は約15kg。キャンプ道具を詰めた50Lのバックパックにもちょうどよいサイズ感。バックパックなら、移動のときにかつぎ、カートの上にirukaを載せて運べます。
今回自転車を借りた近藤も「接続部分がどの角度にも動くようになっているので、車道から歩道に上がるときの段差でも、ひっかかることがなく、スムーズに移動できました」と気に入った様子。
キャンプ×自転車はストイックでなくても楽しめる
折りたたみ自転車で、目的地のそばまで行き、その土地の魅力や景色を堪能できる折りたたみ自転車でのキャンプ旅。出発が街中でも、地方の無人駅でも、移動の楽しみと、キャンプ場に着く達成感は、車でまっすぐ向かうオートキャンプにはない魅力です。まったりペダルをこぎながら、キャンプ場だけでは見えない世界をのぞいてみましょう。
撮影協力:iruka
hinataガレージ
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