【ASOMATOUS】創作好き×レビュー好きな最強コンビが生み出す"オバケギア"!
ハンバーガー形のマグネット式ランタンフック「HANGBURGER」や指に掛ける小さなナイフ「bailout」など、独創的なギアで新作登場の度に話題をさらっている「ASOMATOUS」。2021年創業とまだ新しいブランドながら、ユニークな発想を形にするだけではなく、しっかりヒットさせて量産に成功している舞台裏に迫りました。
大学時代からのバディが立ち上げた「思いつきから生まれる」ギア
ハンドルがなく、指にリングを通す「フィンガーナイフ」のbailoutなどユーモラスなギアがそろう
「ASOMATOUS(アソマタス)」は、大学時代に出会って意気投合したという吉田宝さんと河島匠さんの二人が手掛けるアウトドアメーカー。ものづくりが好きな吉田さんと、ガジェット好きでレビューブログを長い間書いていたという河島さんは、アイデア出しとユーザー目線でのブラッシュアップができる最強コンビ!
キャンプやそと遊びをしながら、「この商品がこうだったらよくない?」という「思いつき」を膨らませて、完成度の高い商品を生み出しています。
「形がないもの」を「誰もが待ち望んでいた形」にしたギアたち
ちなみに、ブランド名の「アソマタス」とは「形がないもの」という意味。いわば、頭の中にある「思いつき」というオバケのようなものを、キャンプの世界に具現化しているのです。
ところが、いざ形になってみれば「確かにそれを求めてた!」と、多くのキャンパーが飛びつくギアが勢ぞろい。しかもルックスもよく、自慢したくなるようなものばかりです。百聞は一見にしかず。まずはアソマタスの人気商品3つを紹介しましょう!
【HANGBURGER】これでランタン自由自在!アソマタスの代表作
まずはおなじみ、「HANGBURGER(ハングバーガー)」!
ハンバーガーみたいな形状ですが、じつは強力な磁石が仕込まれたランタンフック。テントやタープの生地を挟んで、好きな場所にランタンを設置できるというものです。
重さ67gと軽量ながら耐荷重は800gもある力持ち。ちなみに、1つに耐荷重4kgのマグネットが4つ使われており、過酷なアウトドアの環境下でも落ちることがなく、かつ手で楽に移動ができるという絶妙な磁力を選んでいるそう。
これまでにカラーバリエーションも約40種類出ており、コレクション魂もくすぐられます。
テントの中にランタンをつり下げたいけれど、スタンド式フックを置くと邪魔…という「あるある」な問題をスマートに解決
【bailout】吉田さんイチオシの「フィンガーナイフ」
2つめは指にはめて使う小さなナイフ「bailout」。
アウトドア用といえば大きなナイフが多い中で、「“ちょっと使い”にいいナイフが欲しいよね」という話から生まれたもの。ズボンのベルトやキーホルダー、ネックレスなどにぶら下げることができ、咄嗟のときにもサッと使えます。
ブレードは水やさびに強い440Cステンレスで、慣れていなくても簡単に砥石で砥げる形状にもこだわりが。「昔の子どもが肥後守というナイフで刃物の扱いを覚えたように、bailoutでナイフの使い方や手入れの仕方も覚えてほしい」という願いが込められています。
リング部分は大人の男性の指でも入る大きさながら、滑り止めがあるのでギュッと握れば子どもも安全に使える設計。袋や箱を開けたり紐を切ったりのほか、フェザースティックだってつくれます。
【EX-GATE】ゴールゼロがグレードアップ!累計販売数「5万個以上」のヒット作
3つめはキャンパーの間でおなじみのLEDランタン、ゴールゼロに付けるカラビナの「EX-GATE」。あまりのシンデレラフィットに「ゴールゼロのオフィシャルパーツみたい」という声も届く逸品です。
ゴールゼロには通常、フックなどに掛ける小さなハンドルが付いていますが、「ここがカラビナだったらいいよね」というアイデアからハンドルに取り付けられるカラビナを考案。装着が簡単なのにしっかりはまり、リュックやベルトループ、エプロンなどにさげてもカチャカチャしないのがウリ。
シェードを付けてからEX GATEを付ければ外れなくなり、シェードストッパーにもなるスグレモノです。価格も手ごろで見た目もグレードアップするので、アソマタス入門ギアにもおすすめ!
最初はリサイクルショップのつもりだった!?
木津川下流に広がる笠置キャンプ場は年間10万人が訪れる「キャンプの聖地」。約3万平方メートルもの広さを誇り、車で乗り入れることもできる
こんなギアたちを発信しているアソマタスですが、ブランドストーリーもユニーク。バックグラウンドを覗いてみましょう。
大学時代に出会ったふたりは、大学卒業後、いったん別々の道を歩みます。吉田さんはアウトドア総合メーカーに約8年在籍し、その間に河島さんもIT企業に勤めたり、単身で鳥取県へ移住して自然に関わる仕事をしたり、アウトドアブランドの野良道具製作所大阪店店長になったりと、それぞれに経験を積みました。
10数年を経て、お互いに仕事が一区切りついたころに、「一緒にアウトドアの仕事をしようか」とアソマタスが誕生。とはいえ、最初は京都の笠置キャンプ場近くで、アウトドアギアのリサイクルショップを考えていたのだそうです。
運命を分けた一泊二日の島根ツアー
「あの一泊二日島根ツアーがなければハングバーガーもアソマタスも生まれませんでした…」と吉田さんと河島さん
「アウトドア経験も長い二人なので、目利きはそれなりにできそうだよね。ホームセンターでは売っていないようなギアを、お手頃な価格で買えるリサイクルショップにしようよ、というのが最初の計画でした」と、吉田さん。
ところがある日、島根県に知り合いの手伝いで一泊二日で出かけたときのこと。工房にクライミング用の壁を立てる、という内容だったそうですが、その工事を無事に終えた帰路に吉田さんが「やっぱりものづくりしたいな…」と呟いたそう。
最も苦労した、製造を担ってもらえるパートナー探し
最初から「ガレージブランド」じゃなくて「メーカー」のつもりでスタートしたというアソマタスは、アイデアだけではなく、品質と量産にも目を向けていました。ところが、OEMではなくて、自分たちがつくった製品の素材に合わせて協力してくれるところを探すというのが本当に大変だったといいます。
「世の中にないもの」だから、ユーザーとして納得するまでテスト!
大ヒット商品のEX-GATEも、「ゴールゼロにははまるけどゼインアーツのジグにははまらないよね…」と、汎用性が出るように調整を重ねたのだとか
「世の中にないもの」を形にするということは、製品としての合格ラインも自分たちで決めるということです。手探りながら、ふたりの経験値と、吉田さん曰く「自分たちのクレーマー気質が役立ちました」とのこと。
「僕たち自身がクレーマーになりかねない人間で、買ったものが一回で壊れたらキレますからね(笑)。品質にこだわって、価格相応のものはつくろうと思いました。やったこととしては、まず自分たちの経験と市場のニーズのすり合わせです」
例えばハングバーガーでは、風速3~5mで磁石のフックにこれくらいの重さをかけるとなったらどんな強度がいるのか、とか、ストレスなく生地の上を滑らせるには?といったことを、いろいろな磁石を用意し、いろいろなものをぶら下げて検証したそうです。
2024年4月27日に直営ショップもスタート!今後も目が離せません
「
年に一度はヒット商品と呼ばれるものを出したい」と意気込むアソマタスの二人。2024年春は、自在金具の付いたペグの発売を予定しているそう。詳細はこれから発表される予定ですが、誰もが思っていた「モヤモヤ」をいつものようにスパッと解決してくれそうな予感です。
2024年4月27日(土)からは、京都府笠置町のオフィスで直営ショップ「THE UNFORM STORE」もオープン予定。アソマタス製品が買えるのはもちろん、吉田さんと河島さんがセレクトするブランドの商品や、アソマタス限定品も並ぶというから見逃せません。笠置キャンプ場に行く人はぜひ立ち寄ってみては。
詳細はこちら:
THE UNFORM STORE 公式Instagram