デビューギアは何がいい!?イケてるキャンパーに一番最初に買ったギアを聞いてみた
東京五輪の男子バスケ日本代表・張本天傑選手が「重すぎるキャンプ愛」を語る!スポーツ界イチのギアオタク!?【キャンプの輪 番外編】
2021.11.28ライフスタイル
プロバスケットボール男子Bリーグの「名古屋ダイヤモンドドルフィンズ」でプレーし、東京オリンピックの日本代表で活躍した張本天傑選手。キャプテンとしてチームを引っ張る傍ら、他のBリーグ選手を巻き込んで「焚きB会」なるキャンプ同好会を立ち上げるほどのキャンパーとしても知られています。普段のキャンプスタイルやギアへのこだわり、今後の野望など、キャンプ愛をたっぷり語ってもらいました!
制作者
hinata編集部 中西優花
編集長。出版社にて月刊メンズファッション誌の編集を経て、hinata編集部へ。外で最高のお酒を飲むために、手軽なおつまみ作りはお任せあれ。キャンプと野球観戦をメインに、好きなものは広く深く。アウトドア以外にファッション、料理、美容など多ジャンルに興味あり。
Instagram:@yukantoi
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もくじ
バスケ界イチのキャンプ好き、張本天傑選手にインタビュー!
日本の男子バスケを引っ張る、名古屋ダイヤモンドドルフィンズの不動のエース
【張本天傑(はりもとてんけつ)選手プロフィール】
1992年1月8日生まれ、愛知県出身。身長198cm。2014年にトヨタ自動車アルバルク東京に入団し、プロバスケットボール選手としてデビュー。2016年に名古屋ダイヤモンドドルフィンズに移籍し、2018-19シーズンから2020-21シーズンまで3シーズン連続でキャプテンを務めた。2021年の東京オリンピックでは日本代表に選出。3番、4番どちらもできるフォワードとしてチームをけん引し、その存在感を光らせた。
Instagramの公式アカウントはこちら:@ten_ketsu
※2021年12月18日(土)、19日(日)の名古屋ダイヤモンドドルフィンズ対富山グラウジーズ戦にて、張本選手がデザインしたシェラカップやブレスレットのついたスペシャルシートを販売します。
詳しくはこちら:名古屋ダイヤモンドドルフィンズ
プライベートでは大のキャンプ好き
確かな実力と明るい性格で、プレーでも精神面でも日本の男子バスケ界を支える張本選手。プライベートでは、キャンプ好きBリーガーの集まる「焚きB会」を結成するほど、キャンプにのめりこんでいます。
張本選手の思うキャンプの魅力とこだわりはどこにあるのでしょうか?人気アスリートの気になるプライベートの様子を、オンライン独占インタビューで探りました。
外でゆっくり過ごす。ただそれだけなのに心地いい
きっかけはチームメイトに誘われたキャンプ
——今でこそかなりのキャンプ好きで知られる張本選手ですが、最初のきっかけは何だったのでしょうか?
張本天傑選手(以下、張本):最初は5〜6年前に、先輩たちに連れて行ってもらいました。その時はキャンピングカーに泊まったんですが、身長2mぐらいのバスケ選手3人+先輩の子ども2人の計5人で寝たらもう…車内がいっぱいいっぱい(笑)。誰かが寝返りするたびに車が揺れて、あまり寝られなかったのを覚えています。
——それは…。普通の人はなかなかできない体験ですね(笑)。
張本:寝る時はそんなこともありつつ、山中湖(山梨)の近くのキャンプ場で、富士山がとてもキレイに見えたので、楽しい思い出です。その後、2020年の春頃にチームメイトとキャンプに行って、本格的にギアを集めるようになりました。
もともと「好きなものは集めたくなる」主義。気づけばギア沼に
張本選手のキャンプサイト。一番のお気に入りだというヘリノックスのテント「ノナドーム4.0」を中心に、ハイセンスなギアがそろう
——キャンプにハマった一番の魅力とは?
張本:もともと自然が好きだったので、自然の中でゆっくりできる時間そのものが大きな魅力ですね。それまでは試合や練習に追われる毎日で、なかなか外でゆっくり過ごすことがなかったので…。何も考えず、景色をゆったり眺めながら飲むお酒は最高だなぁとしみじみ(笑)。
——そこからご自分でキャンプに行くまで、どれぐらいの期間でしたか?
張本:半年ほどで人並みにキャンプができるぐらいまでの道具はそろえました。最初は「とりあえず行ければいいや」という感覚で、ギア一式で合計5〜6万円前後。テントは8,000円ぐらいのものを通販で買って…という感じでした。そこから実際に自分で行くようになって、インスタで情報収集するとおしゃれなギアがたくさん出てくるわけですよ。そうなると…集めちゃいますよね(笑)。
張本選手のランタンコレクション
——すっかりギア集めの沼にハマっていますね。キャンプを始める以前は何か他の趣味があったのでしょうか。
張本:スニーカー集めが好きでした。その収集癖というか、マニア心が今は完全にキャンプギアに移行していますね。今はひととおり必要なものがそろったので、これからはもう「めっちゃ欲しい!」と思ったものだけを買う感じなんですが、ランタンはつい集めてしまいますね。
一番のお気に入りだという、ドイツ製のビンテージランタン
——特にお気に入りのランタンは?
張本:ドイツ製のビンテージランタンです。100年モノで風合いがめちゃくちゃいい感じ。友人がキャンプで使っているのを見て一目惚れして「これいいっすね!」って言ったら「いいよ、あげるよ〜」とプレゼントしてもらいました(笑)。全部で10個ちょっとあるランタンの中でも一番のお気に入りです。
普段のキャンプスタイルと最近の偏愛ギア
焚き火の時間が一番好き
——張本選手の思う、キャンプ中の至福の時間は?
張本:やっぱり焚き火じゃないですか。料理を作ってお酒を飲みながらぼーっと火を眺めて。ずっと見ていられますね。真夏は焚き火のそばにずっといると暑いので、火のぬくもりを感じられる秋冬シーズンに行くキャンプが一番好きかもしれないですね。
キャンプ好きバスケ選手が集う「焚きB会」
——張本選手といえば、バスケ界全体をキャンプ沼に巻き込んでいる印象です。
張本:はい、一緒にキャンプに行くBリーガーたち12〜13人で「焚きB会」というものを立ち上げました。同じメンバーで行くとそれぞれ役割分担が決まってくるので、すごくスムーズ。先日はスープを8時間ぐらい煮込み続けてラーメンを作った人がいたり、焚きB会のキャンプではみんな得意分野で活躍しています。あ、僕はいつもフリー(笑)。好きな料理を作っています。
以前キャンプで作ったビーフカツカレー
——料理がお好きなのですか?
張本:そうですね、けっこう幅広くいろいろ作ります。自信があるのはガーリックシュリンプかな。それこそ焚きB会でキャンプに行く時は、いろんな国の料理を試してみたりします。煮込み系だとすき焼きや韓国料理のプデチゲ、ビーフカツカレーとか。
——ビーフカツカレー!豪華ですね…!
張本:揚げ物もよくしますよ。僕、実家が中華料理店なので、エビマヨとかも得意です。
キャンプ場そばの海でSUPを楽しむ焚きB会メンバー
——役割分担が決まっているということですが、焚きB会のなかで決まっているキャンプ中のルーティーンもあるのでしょうか?
張本:いや、決めていないです。基本的に毎回新しいキャンプ場に行くようにしているので、近くに滝があれば見に行ったりとか、海があればSUPしたりとか、テントサウナに入ったりとか…。その時、その場でできるアクティビティを楽しむことが多いです。
——今までで一番楽しかったアクティビティは何ですか?
張本:SUPがかなり楽しかったです!海のそばのキャンプ場で、SUPを30分ぐらい漕いで近くの無人島まで行って、ゆっくりしてまた戻ってくる…みたいな。次の夏までに"マイSUP"を買おうか悩んでいます。
最近のお気に入りギアは?
張本選手が普段から愛用している酒器やテーブル
——好きなギアブランドや、最近買ったお気に入りアイテムを教えてください!
張本:ブランドだと「アシモクラフツ」「デバイスワークス」「ナチュラルマウンテンモンキーズ」など、いわゆるガレージブランドが好きです。まだ使っていないものの、最近買ったお気に入りは「ブラックデザイン」という台湾のブランドの連結式テーブル「HIYORI」。品切れでなかなか買えなかったのですが、何とか見つけて手に入れました。新しいギアを買うと、次のキャンプのシミュレーションを頭の中でずっとしてしまうので、もう「HIYORI」を使うイメージはバッチリです(笑)!
アスリートにキャンプ好きが多いワケ
日々のプレッシャーから開放され、心身を癒やしてくれる
——Bリーガーをはじめ、キャンプ好きなアスリートが年々増えているように感じます。張本選手から見て、アスリートとキャンプの相性はどうですか?
張本:相性はすごく良いと思います。どのスポーツでも、毎日プレッシャーとの闘い。どうしてもストレスがたまりますが、キャンプという非日常で自然に囲まれていると、そのプレッシャーから少し解き放たれる感じがして心が癒やされます。
日々頑張った「ごほうび」としてキャンプギアを購入
——2021年はオリンピックもあって、例年とはまた違うプレッシャーもあったのでは?
張本:そうかもしれません。コロナ禍や代表の練習もあり、オリンピック前はほとんどキャンプには行けませんでしたが、日本代表としてオリンピックの試合を戦い終えた後、自分へのごほうびとしてテントを買いました。上の写真にも写っている、ヒルバーグの「ケロン4GT」です。やっぱりキャンプ用品は安い買い物ではないので、今回のように大きな試合があった後など、節目のタイミングで買うことが多いですね。実際にキャンプに出かけなくても、買い物が気分転換やストレス発散になっています。
今後挑戦したいキャンプスタイル
子どもとキャンプデビューしたい!
快晴のふもとっぱらキャンプ場にて、夕日が照らす赤富士をバックに「富士山ポーズ」
——普段は焚きB会のメンバーでキャンプに行くことが多いそうですが、今後挑戦したいキャンプスタイルはありますか?
張本:今、息子が3歳なのですが、来年ぐらいからはがんがんキャンプに連れていきたいです!妻とは一度だけ一緒にキャンプに行ったことがあって、楽しんではくれたものの、あまり寝られなかったそうでハマるほどではなかったみたいなんですよね。そんな経緯もあって、僕だけ「キャンプ行ってくる」と出かけるのが何となく申し訳ないな〜という気持ちもあって。息子が一緒にキャンプを楽しんでくれるようになれば、妻も子育てを休憩できるので、快く送り出してくれるんじゃないかと(笑)。
——父子キャンプ、楽しみですね!
張本:いや〜…ものすごく楽しみです!ペグ打ちを手伝ってもらったり薪を拾ってもらったり、普段の生活ではできない経験をたくさん積ませたいですね。やっぱり自然から学べることってたくさんあると思うので、あえて過酷な環境に置くじゃないですけど(笑)。たくましく育ってほしいです。
キャンプがあるからバスケを頑張れる、バスケがあるからキャンプが楽しい。
インタビュー中、終始楽しそうにキャンプのエピソードを語っていた張本選手。過酷な環境で戦うアスリートの視点から見たキャンプ・自然の魅力に触れることで、あらためてアウトドアが「日常の中の非日常」であることに気付かされました。
「戦う時は全力で戦い、遊ぶ時は全力で遊ぶ」。日々を全力で戦っている大人だからこそ、キャンプが心地よく感じられるのかもしれません。