焼肉だけじゃない!バーベキューグリル1台で同時に何品作れるかチャレンジ
「バーベキュー」といえば、肉と野菜を焼き、〆は焼きそば。しかし、せっかく広い焼き網があるのだから、肉を焼いている横でも数品作れたら、食卓がもっと豊かになって楽しさが倍増します。ごく一般的なバーベキューグリル1台を使い、同時に何品調理できるか挑戦します。
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キャンプ・アウトドアWebマガジン「hinata」編集部。年間に制作・編集する記事は600以上。著書に『ひなたごはん』(扶桑社ムック)など。
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もくじ
バーベキューだからと言って「肉を焼くだけ」じゃなくていい
半袖一枚で過ごせる初夏は空気が気持ちよく、バーベキューのベストシーズンといっても過言ではありません。外で食べる大きなステーキ肉や野菜は格別ですが、毎回同じような食材を「ただ焼くだけ」になってしまっていませんか?屋外で作れる料理は意外と豊富です。次のバーベキューやキャンプに備え、レパートリーを増やしておきましょう!
肉を焼くかたわら「ホイル焼き」「燻製」「アヒージョ」「スープ」を同時に調理!
スタンダードなバーベキューグリル1台でできるんです
「レパートリーを増やす」といっても、特別な道具は必要ありません。今回使うのは、ごくスタンダードなバーベキューグリル1台だけ。幅60cmで、3〜4人で囲むのにちょうどいいサイズ感です。この上で肉や野菜を焼きながら、「アヒージョ」「スープ」「燻製」「ホイル焼き」を同時調理していきます。
食材は大きめのクーラーにまとめ、調理台の横にセットしておく
用意したのは、ステーキ肉、各種野菜、キノコなど。どれもスーパーで購入できる一般的な食材です。調理台の横に置いておけば、作業がしやすく便利。気温の高い時期は特に、食中毒には細心の注意を払うようにしてください。食材と飲み物は、氷や保冷剤と一緒に大きめのクーラーに入れて管理するようにしましょう。
今回使ったのはホールアースの「TTCソフトクーラー」。3〜4人分の食材と飲み物をまとめるのにちょうどいい容量の、35Lサイズです。2層構造の15mm厚断熱材による、抜群の保冷力が自慢。ソフトタイプなので重量が880gと軽く、両サイドに持ち手がついているので、中身をたくさん入れても持ち運びしやすい点が魅力です。
アルミクッカーをフル活用。アヒージョとスープを煮込む
おつまみに最高なお手軽アヒージョ
アウトドア調理の必需品であるクッカーを投入することで、バーベキューでも煮込み料理が楽しめます。まずおすすめしたいのが、ニンニクの香りが食欲をそそるアヒージョ。「肉は十分堪能したので、何かつまみながらゆっくりお酒を飲みたい」なんてときにちょうどいい一品です。
【材料】(2人前)
・マッシュルーム 5個
・ミニトマト 5個
・ブロッコリー 4〜5房
・ニンニク 1片
・鷹の爪 1本
・オリーブオイル 適量
【作り方】
①具材を食べやすい大きさに切る。
②ニンニクの皮をむき、包丁の腹でつぶす。
③①②をクッカーに入れ、上に種をとった鷹の爪をのせる。
④具材がひたひたになるぐらいまでオリーブオイルを注ぐ。
⑤クッカーを火にかけて煮込む。油がグツグツと沸いてきて、具材に火が通ったら完成。
口直しに最適!さっぱりしたトマトスープ
肉を食べ続けていると、だんだん油がくどく感じてきますが、酸味の効いたトマトスープで口の中をリセット。温かいスープが一品あるだけで、食事の満足度が格段に上がります。
【材料】(2〜3人分)
・ホールトマト 1/2缶
・コンソメキューブ 1個
・玉ねぎ 1/4個
・にんじん 1/3本
・セロリ 1/2本
・ブロッコリー 4〜5房
・マカロニ(なくても可) 50g
・水 400ml
・塩こしょう 適量
【作り方】
①玉ねぎ、にんじん、セロリを1cm角のサイコロ状に切る。
②すべての具材をクッカーに入れ、潰したホールトマトと水、コンソメキューブを加える。
③クッカーを火にかける。野菜が柔らかくなるまで、10分程度煮込んだら完成。
軽量なアルミクッカーなら網に載せても安定
同時に複数調理をする場合、載せるものが重すぎると、網ごと炭床に落ちてしまったり、バランスが崩れてクッカーがひっくり返ってしまったりと、バーベキュー用の網では支えきれなくなる可能性があります。せっかくの料理が台無しになるだけでなく、高温の炭が落下する場合もあり危険です。
バーベキューグリルの上に載せるなら、アルミ製クッカーがおすすめ。ステンレスのダッチオーブンや鍋と比べて軽量なので、網への負担を減らせます。熱伝導率にも優れているため、調理時間が短くて済むというメリットも。
ホールアースの「ノマドクッカーBK」は、熱くなりにくいラバーハンドルを採用。ラバーが溶けてしまわないよう、火加減には注意が必要ですが、グローブがなくても取っ手に触れる手軽さが魅力です。ハンドルをたたみ、コンパクトに収納可能。
燻製器いらず!?少しの工夫でできるお手軽燻製
100均アイテムを使った簡易燻製器
屋外では煙を気にせずいられるので、バーベキューは燻製作りにチャレンジする絶好の機会。本格的な燻製器を買うのは少々ハードルが高いですが、100均のアイテムをうまく使えば簡易燻製器が作れます。使うのはアルミ深皿2枚と網、スモークチップだけ。
深皿にスモークチップを適量入れたら、上に網を載せて食材を並べます。あとはこれをグリルの上に載せるだけ。スモークチップから煙が出てきたら、逆さにしたもう一枚のアルミ皿を上からかぶせて煙を閉じ込めます。
今回はチーズとウインナー、うずらの卵の燻製作りに挑戦。煙が出始めてから15分ほどで、食材の全体がほんのりと色づき、きちんと燻製ができました。
網の下で「じゃがいものホイル焼き」を調理
網の下のスペースも無駄にしない。炭のそばでじっくりロースト
網の上で他の料理を作っている間、ひそかにもう一品の調理も進行中。洗ったじゃがいもを皮のついたままアルミホイルで包み、炭の中に入れて30分ほど放置します。遠赤外線でじっくりと熱することで、芯までホクホクの絶品ホイル焼きが完成。
バターをつければ安定のおいしさ。よりおつまみっぽくしたいなら、イカの塩辛をのせるのも絶品です。
引き出し式の炭床なら炭の継ぎ足しも簡単!
今回のように網の下にも食材を入れる場合や、調理中、火力の調整のために炭を注ぎ足したり移動させたりする場合は、焼き網が少々邪魔になります。ただ肉や野菜を焼いているのみなら、網をいったん持ち上げれば良いですが、今回のようにクッカーなどを使っている場合は、食材をこぼさないよう、網はなるべく動かしたくありません。とはいえ、上の物をすべてどかして作業するのも面倒。
そんな時、炭床が引き出し式になっていると、食材を加熱しながら炭を動かしたり、食材の焼け具合を確認できるので便利です。これからバーベキューグリルの購入を検討している人は、炭床が引き出し式のものを選ぶといいでしょう。
調理中、網の横ズレにも注意
網の上にたくさん食材を載せる場合は、重みで網が横にずれてしまう可能性もあります。せっかく作った料理をひっくり返してしまわないように、ストッパーがついていると安心です。
盛り沢山のメニューでバーベキューを充実させよう
ギア選びや調理方法を工夫すれば、バーベキューグリル1台で、「ステーキ」「グリル野菜」「アヒージョ」「トマトスープ」「じゃがいものホイル焼き」「燻製」の6品を同時に調理できました。バーベキューのマンネリ化に悩んでいる人は、これを参考に、食卓を豊かに彩ってみてください。