【取材】キャンプじゃない、これは野営だ。軍幕愛用者の男クサさにあこがれる

ワイルドで野営的な軍幕スタイル。軍幕とは、実際に軍隊でテントとして使用されていた幕のことで、簡易的で軽量なため、キャンプで使用する人も増えています。実は比較的安価な軍幕は、雰囲気も抜群。より非日常感を味わえる世界観を演出してくれます。

そこで今回は、軍幕愛用者のキャンプに注目！ワイルドにキャンプを楽しむキャンパーに、軍幕にぴったりのギアや愛用幕、軍幕の魅力などたっぷり取材しました。

ひとりめにお話を聞かせてもらったのは、写真が趣味のwakagorowさん。「軍幕の堂々とした品のある姿はとにかく雰囲気が抜群で画になるので、レンズ越しに見るのがとても好きです！」とその魅力を教えてくれました。 実際に軍隊で使われていたからこそにじみ出る渋さが独特な雰囲気を作る軍幕。中にこもって寝るだけでわくわくしてきます。

wakagorowさんの愛用している軍幕は、ドイツ軍で使用されていたパップテント。パップテントとは、ちょうど2人分の寝床スペースが確保された簡易的なテントで、軍幕愛用キャンパーの中でも特に人気の種類です。wakagorowさんは、より広いスペースを確保するV字型の二股ポールを自作したり、ファスナー加工をするなど、アレンジを施して使用しています。

野営やブッシュクラフトキャンプをしたいと考えていたwakagorowさん。野営スタイルにぴったりなドイツ軍幕を購入したことがきっかけで、ハマりました。 整備されていない環境でキャンプをするにあたり、自分でファスナー加工やカスタムをして使いやすいように改良ができる軍幕はまさに野営向き。自分好みにカスタムして使ううちに、愛着がわいてくるところも魅力のひとつです。

渋くて独特の雰囲気をもつ軍幕。バックパックでの野営キャンプをメインにしているwakagorowさんは、そんな軍幕と雰囲気をあわせるようにコンパクトで渋い雰囲気のギアを選んでいます。

続いて取材したのは、ken.5013さん。「自分の好みで違った雰囲気を演出できる軍幕に魅力を感じている」という一人です。色合いや形状がシンプルであるからこそ、ミリタリーな雰囲気だけでなく、幅広いキャンプスタイルを楽しめるのだと教えてくれました。ken.5013さんは、合わせるギアによってレトロな雰囲気を演出。独特な魅力をもつ軍幕をさらに個性的にスタイリングしています。

ken.5013さんの愛用軍幕は、東ドイツ軍のポンチョシート。連結して使用することができ、3枚でワンポール、4枚でパップテントなど、さまざまなバージョンで楽しめる幕です。 雨が降るとどうしても連結部分から雨漏りしてしまうのが軍幕の弱点。ですが、ken.5013さんはそんな雨漏りも含め、自然を楽しんでいます。

焚き火好きのキャンプ仲間たちがが次々と軍幕を使用しはじめたことで、軍幕キャンプに興味をもったというken.5013さん。基本的にコットン生地である軍幕は、焚き火中心のキャンプをすることが多かったken.5013さんにもってこいでした。いざ使い始めると、ワイルドな見た目や丈夫な作りが、まさに焚き火向き。どんどんと軍幕の世界にハマっていきました。

軍幕でさまざまな雰囲気を楽しむken.5013さん。「鉄や銅、木や綿、というようにギアの素材を変えるだけでサイトの雰囲気もがらりと変わります」と雰囲気を変えるコツを教えてくれました。中でも、最近の便利なギアよりも少し不便なギアであるほど軍幕との相性が良いので、意識してスタイリングをしています。

シンプルだからこそ、自由自在にあやつることができ、さまざまな雰囲気を作り出す軍幕。自分好みにアレンジできるからこそ、軍幕は人々の心をつかんでいるのです。より自分らしく個性的にキャンプを楽しみたい人は、ぜひワイルドな軍幕キャンプに挑戦してみてください！