2020年のキャンプトレンド大予想。今年確実にくるスタイルとは!?
2020年のキャンプ業界やアイテムはどのような進化を見せるのかー。キャンプのトレンドに詳しい人気セレクトショップの関係者らに、前年からの傾向をもとに予想してもらいました。共通しているのは、おしゃれキャンプから一歩進んだ先にある流れでした。
2020年のキャンプトレンドの変化とは!?
アウトドア業界が盛り上がった2019年。20年も引き続き成長を続けることは間違いなさそうですが、さらなる進化を遂げることは必至。今後予想されるキャンプのトレンドの変化を、アウトドア用品のセレクトショップの関係者にインタビューし、教えてもらいました。
東京・世田谷区で人気セレクトショップ「fridge(フリッジ)」などを経営する国内販売代理店「ドナ」代表 熊坂スグルさん
ニッチなアイテムも脚光を浴びた前年からの変化とは?
昨年はノルウェーのアウトドアブランド「イーグルプロダクト」のやかんが1,000個ほど売れたのが一番の驚きでした。キャンプで定着した焚き火にまつわるものの売れ行きが良いとは思っていましたが、10,000円近くするもので、やかんの中では高級品です。これまでのやかんになかった見た目の美しさはあるのですが、いよいよニッチなものまで脚光をあびるようになったのかと、キャンプ熱の高まりを感じました。
2019年に発売されたスノーピークのHOME&CAMPバーナは、カセットコンロ用のガス缶の使いやすさを生かし、キャンプで気軽に道具を使いたい層をうまく捉えていました。キャンプのアイテムはよく言えばターゲットが細分化し、悪くいうとオタク化している傾向が見て取れます。
そういう意味では、マスを対象にした大型のアウトドア専門店が苦労する市場に変化しています。販売するアイテムに統一した世界観があって、キャンプ仲間で集えるような個人店の存在感が増しているのが2019年の特徴でした。
工具メーカーや子供のおもちゃにも注目
2020年も多くのブランドから多種多様な道具が出ると思いますが、キャンプが得意なら、特別なものを買わないように道具を減らしていく人も増えていくでしょう。キャンプのおしゃれさを求めるのでなく、純粋に自然の中でのキャンプを楽しむ動きも加速してくいくと思います。
個人的には、ギアでは工具メーカーのマキタにも注目しています。特にUSAのデザインは洗練されたものが多くあり秀逸です。ホームセンターで手に入るようなものでも、面白いものはまだまだあり、これを活用しない手はありません。
また、子供がアウトドアで遊べるおもちゃはもっと広がりが出てくると思います。自然を体験できるキャンプは子供の教育的な効果も高いので、ファミリーの需要が減ることはありません。自分自身も小さな子供を持つ親なので、新たなおもちゃの展開は期待しています。
キャンプ+αの流れが加速?
キャンプのスタイルという点では、ただお酒を飲んで、ゆったりするだけでなく、キャンプ+αの流れが強まっていくのではないでしょうか。アウトドアでのサウナが流行する動きがすでに見られますが、カヌーなどのアクティビティももちろん活発になると思います。
今後の懸念点としては、キャンプが道具にこだわるコアな人たちだけの集まりになってしまい、エントリーユーザーを寄せ付けないようになってしまうことです。初心者やファミリーでもハードルが高くならないように、今のキャンパーや店舗がキャンプを始めやすい環境を整え、キャンプの楽しさを伝えていって欲しいですね。
plywoodスタッフの安藤樹(いつき)さん
大型テントやストーブを通して多様性の広がりを実感
2019年は様々なブランドから優れたギアが発表され、キャンプスタイルにさらなる「多様性」の広がりを実感した1年でした。特に大人数で楽しめる大型テントのほか、数年前にはあまり見られなかったヴィンテージや復刻、さらには海外のテントなどキャンプ場でも見る機会が増えましたね。
plywoodではノルウェー発の老舗アウトドアブランド「ヘルスポート」のvalhallを中心に同ブランドのテントがよく売れました。またストーブの売れ行きもよく冬キャンプがよりポピュラーになってきたこともアイテムの売れ方を通してうががえました。
2020年はハイブリッドと軽量コンパクト
2020年のキャンプシーンでキーワードをあげるなら「ハイブリット」と「軽量コンパクト」。ポータブル電源の普及によりキャンプで使うエネルギーがガスに加え、電気も一般的になりつつある今、より家とアウトドアの境界が薄くなり快適性に拍車がかかることが予想されます。
電源も視野にいれたスタイルやギアで2020年はハイブリット化が進むと予想しています。
「軽量コンパクト」は、他の関係者からも同じ声が出るほど、2019年からの継続したトレンドとして進化していくと思います。新たなブランドや最新プロダクトが追加され、2020年はより進化し注目を集めるのではないでしょうか?
ラグジュアリーとワイルドの二極化も?
さらに、「ラグジュアリー」と「ワイルド」の二極化も進むのではないでしょうか。キャンプを「より楽に」「より快適に」というラグジュアリーなスタイルは、DOMETIC(ドメティック)の3way冷蔵庫のような、電源なしでも利用できる家電に近いようなアイテムやポータブル電源で家の家電を持ち出して誰でも楽しめるようになっていくでしょう。
一方、より自然を感じたいという方はブッシュクラフトなど最低限の装備で不便さを楽しむワイルドなスタイルへ拡大、移行するのではないでしょうか。ワイルドなスタイルを好む方は、より軽量でコンパクトなギアの方向に進化することでしょう。
さらに楽しみ方が多様化する2020年
前年からの人気の高まりをそのままに、さらに楽しみ方の多様化が進みそうなキャンプ業界。キャンプ+αに、ハイブリッド、軽量コンパクトなど、自分に合ったスタイルを突き詰め、自然の中での時間を満喫してみてください。