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ヨットの上で落ち着く2人の女性

帆布をアップサイクル!おしゃれで高機能な DIYバッグ「Truce Designs」潜入!

「DIYの聖地」ことポートランドで、シンプルなデザインながら機能性抜群の帆布を使ったバッグを手作りする「トゥルース・デザインス (Truce Designs)」。その工房を訪ね、ブランドを創立したルーク・マザーズさんにDIYバッグの魅力をインタビューしました。

ポートランドで生まれた手作りバッグ『トゥルース・デザインス』

ポートランドらしさって?

私の住むオレゴン州ポートランドは、周囲を自然に囲まれた全米屈指のアウトドアが盛んな街です。また「DIYの聖地」と呼ばれるほどこだわりの職人が多く、彼らの作る高品質のアウトドアギアもたくさんあります。さらに、環境への意識の高い人が非常に多く、全米で最もサステナブルで環境に優しい都市だと言われています。 今回ご紹介する「トゥルース・デザインス」は、そんなポートランドの精神を凝縮したようなハンドメイドのバッグブランドです。

トゥルース・デザインスとは

トゥールスのリュックを紹介している様子
トゥルース・デザインスは、ルーク・マザーズ氏が、ポートランドで8年前に立ち上げました。不要となったセイルクロス(ヨットの帆として使われる素材)やドライスーツのような防水性、耐久性に優れた生地をアップサイクルしたバッグを作っています。彼の作る商品は、環境に優しく、高機能なのはもちろん、1つとして同じものはないというオリジナリティも魅力です。ちなみに「休戦」という意味の「Truce」というブランド名は、用済みの素材と新たなニーズが「手を結ぶ」といったイメージで付けたそうです。 ブランドが誕生して以来、口コミなどでファンを増やし、現在は全米はもちろん、日本、欧州、オーストラリアなどでも、こだわりの強い人たちに愛されています。2016年6月から、オレゴンのアウトドアアパレルブランド「TREW Gear」と提携し、消費者は、より買い求めやすくなりました。

ルーク・マザーズのインスピレーション

ブランドを立ち上げたルーク・マザーズとその犬の写真
ブランドを立ち上げたルークさんは、ポートランド州立大学のセイリングチームにも入っていたヨット好き。最近も3週間ほど自分の作ったバックパック一つでフランスを旅し、トレッキングはもちろん、ヨットに乗ったりしたそうです。 バッグを作ることを思いついたのも、ヨットの帆の製造や補修をする会社に勤めていた時。廃棄されるセイルクロスの端切れを譲り受け、自分が欲しいバッグを作り始めたそうです。そうして作ったバッグが、家族、友人などに好評で、ブランドを立ち上げることになりました。ブランド立ち上げ直後は、毎日夜遅くまで工房に詰めていたそうですが、現在は、思い立って愛犬ハンクと共にサーフィンやスノーボードに出かける余裕も出てきたそうです。また、依頼があれば映画用の音楽を作ったり、趣味で友人と演奏したりと、充実した毎日を送っています。 アウトドアスポーツ、旅、音楽など、多くのフィールドからインスピレーションを得ているルークさん。アクティブな生活の中で、いつも新たな商品のアイディアや既存アイテムの改良点を見つけては、試行錯誤しているそうです。

トゥルース・デザインスの工房

トゥルース・デザインスの工房の近くにあるポートランド北部のセントジョーンズ橋の様子
トゥルースデザインスの工房は、ポートランド北部のセントジョーンズ橋にほど近い多くのDIYビジネスが集まるビル内にあります。
工房内の様子
工房内には、素材の布、作業台、ミシンやプレス機が所狭しと並んでいます。
ミシンで生地を縫っている様子
シンガーのミシンでタトゥーを入れている様子
シンガーのミシンでタトゥーを入れている様子
ルークさんは、古いシンガーのミシンを指差して、「これのタトゥーを入れてるんだよ、熱愛してる感じでしょ」と笑うほど、愛着があるようです。
ミシンで生地を縫っている様子
昨年から、需要の高まりに応えて、バンクーバーにバックパックの肩ストラップと背面のパーツを作る工房ができたそうですが、それ以外は、全てこの工房で1つ1つルークさんの手で仕上げられています。

トゥルース・デザインスのバックパック

ドロップライナー・バックパック

ドロップライナー・バックパックをルークさんが紹介している様子
トゥルースデザインスの代表作と言えば、「ドロップライナーバックパック」。外側には、リサイクルしたセイルクロス、内側にはデットストックのドライスーツ生地が使われているため、軽量で、強く、抜群の防水性を持っています。
肩のストラップは体にフィットし、付属している腰のストラップを使用すれば、激しく動いても快適です。 また、腰や肩のストラップには、 メイドインUSAの撥水性パッドを利用しており、汗蒸れなどによるカビの心配も不要です。 フランス旅行にもこれ一つで出かけたというルークさん愛用のドロップライナーバックパックを使って、そのこだわりを徹底解説してもらいました。

セイリングの素材を活用

セイリングの素材を活用していることを説明している様子
ルークさんのバックパックに使われているセイルクロスは、最も権威あるヨットレース「アメリカズカップ」第34回で優勝した「オラクルチームUSA」が使用していたものです。世界最先端のテクノロジーを駆使した強靭で軽い素材であることはもちろん、ヨットファンにはたまらないストーリーが詰まっています。
ドロップライナーの部分にドライスーツ生地を使ってることを説明している様子
また、中の「ドロップライナー」部分には、ドライスーツ生地を使用しています。このライナーは引っ張り出せるので、例えば中に砂が入ったなどという時にも簡単に水で洗うことができます。 生地は余剰品を使用しているため、セレクションはその時々で違いますが、あるものの中から好みの色でカスタマイズできます。鮮やかな色だと中に入れたものが見やすいのでおすすめだとか。
軽子てしなやかなファイバーグラスを背中の部分に使用していることを説明している様子
背の部分には、帆をぴんと張らせるために帆の中に差し入れるファイバーグラス製のバテンを利用。軽くてしなやかなこの素材が、背負った時に体にフィットするのはもちろん、バックパックを置いた時にも美しいフォルムを保ちます。

細部へのこだわり

自分が利用する中で改良を重ねたバッグだけあって、いくつもの便利なフィーチャーがあります。例えば、背負ったまま開閉のできるトップフラップのポケット。
背負ったまま開閉のできるトップフラップのポケットを実際にルークさんが背負って説明している様子
取り外し可能な2本のストラップを使えば、小さく収納したり、スケートボードやクライミングギアなど、バッグに収まりきらないものを固定して持ち運ぶことができます。
取り外しが可能な2つのストラップの説明をしている様子
肩ストラップを背面腰パッド部分に簡易的に収納すると、ダッフルバッグのように使用することもできます。例えば、飛行機客室の頭上の荷物棚に入れる時なども、ストラップがひっかかったりすることなく収納でき、便利です。
ダッフルバッグとしても使えることを説明している様子
しかも、なんとバックルがホイッスルになっています。
バックルがホイッスルになることを説明している様子

カスタマイズにも対応

カスタマイズ後のバックパック
オーダーを受けてから作るため、例えば、セイルクロスの数字の入った部分が欲しとか、水のボトルを入れるポケットが欲しいとか言ったカスタマイズにも対応しています。
バックルを強靭なコブラバックルに付け替えたバックパック
また、バックルをプラスチック製から、オーストリアから取り寄せた強靭なアルミニウム製バックル「コブラ・バックル」にアップグレードすることもできます。カスタマイズをご希望の方は、サイトからメールでルークさんに相談してくださいね。

こだわり派にオススメ

新商品も間もなく登場

ベストセラーは、これまで紹介してきたドロップライナーバックパック。大中小の3種類があります。 また、新製品として今年の年末には、通勤などに便利なデイパックが登場する予定です。
他には、ドップキット、ダッフルバッグやトートバッグ、ショッピングバッグなども作っていますので、サイトをチェックしてみてくださいね。

ポートランドと日本の取扱店

日本では「SimWorks」がトゥルースデザインスの商品を取り扱っています。ポートランドでは、今年オープンしたばかりの「TREW Gear」旗艦店やオレゴン産クラフトのセレクトショップ「MadeHere PDX」に置いてあります。また、オフィシャルサイトから直接注文することもできます。日本への送料は$60ほどになるそうです。 使えば使うほど味が出るというセイルクロス。アウトドアにも都会での生活にもシームレスに活用できます。デザインや機能性、それに環境にこだわりのある方にぴったりのブランドではないでしょうか。 SimWorks Trew Gear PDX Storefront MadeHere PDX


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