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山小屋づくりの様子

【0から始める山小屋DIY】失敗が失敗を呼ぶ、波乱の「屋根と外壁づくり」

2024.03.16ノウハウ

おやじライター丹羽孝之が、念願の山小屋をフルDIYで仕上げている過程をお届けする連載【アウトドアおやじの秘密基地づくり】。第三回は波乱続きの「屋根&外壁」編。設計図ナシでスタートさせた屋根づくりは、頻発するトラブルへのスピード対処が求められる日々でした。本格的な冬が訪れる前に、はたして完成できるのか!?必見です。

雪が降る前に屋根と壁を仕上げたい!

自他ともに認めるアウトドアおやじが、永年の夢だった「山小屋のセルフビルド」を敢行。この連載では、2022年6月からスタートした小屋建築作業を、ハプニングもありのまま、臨場感たっぷりにお届けしていきます。
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アウトドアおやじ/ライター

丹羽孝之(にわ たかし)

キャンプ歴40年。登山(クライミング、沢登り、縦走)、ヒマラヤ山域や北インドでのトレッキングとバイクツーリングなどなど、アウトドア全般を愛する。 年間のキャンプ泊数は約20泊。2021年はバイクでの北海道一周と九州一周のソロキャンプツーリングに繰り出し、50泊を達成。

Vol.1では土地選びと小屋のコンセプト設定、Vol.2では基礎建築について紹介してきました。整地と基礎工事は夏の間に終わらせたものの、13畳という広めのサイズ設定のおかげで、躯体(立方体)の四隅の直角出しに四苦八苦。なんとか居住空間の骨組みを完成させたのでした。 今回は「小屋組み」と呼ばれる屋根の骨組みからです。雪が降る前になんとか屋根と外壁を完成させたくて、連日朝から晩まで作業しましたが初めてのことばかりで失敗の連続…。果たして間に合ったのでしょうか!?

やばい、屋根の形が決まってない

片流れ屋根の住宅

出典:PIXTA

片流れ屋根の住宅
ここまでの作業は過去のDIY経験から頭の中でイメージできていたのですが、小屋組みを始めるには当然屋根の形をどうするのか決まってなければいけないわけで…。ぼんやりと片流れの屋根(左右どちらかの壁上を頂点とし、傾斜のついた1面を屋根とする形)ににするつもりでいたんです。ところが…。

片流れ屋根を諦めて切妻屋根へ設計変更

切妻屋根の住宅

出典:PIXTA

切妻屋根の住宅
いかんせん、小屋の建築場所は雪深い長野県大町市。ご近所さんにもいろいろとアドバイスをいただきました。落雪勾配を考えると、片流れにした場合、とんでもない高さの小屋束が必要になる試算(とても脚立で作業できる高さではなかった、とだけ書いておきます)。 「やはり切妻屋根になるのか…」葛藤が続きました。なぜならば、作業の難易度と、屋根材のコストが大幅アップになってしまうのです。そもそも屋根なんて作ったことないし…。 でも、これ以上悩んでいる時間はありません。腹を括りましたよ、切妻屋根でいきます!

さあ、切妻屋根ってどうやって作るんだ?

小屋組み
切妻屋根の小屋組み過程
お気づきの方もいると思いますが、この時点で屋根の設計図は無し。よその建築現場を眺めたり、YouTube動画検索と、先輩からのアドバイス頼りです。 なんとか小屋束を立て、棟上げはしましたが、垂木の太さや長さ、本数(間隔)、固定方法、全てその場で決断。いま考えると、このあたりから暗雲が立ち込めていました。頭の中が作業スビードに追い付けない…。屋根工事って本当に難しいんです。屋根屋さんの凄さを思い知らされました。 何が難しいって、屋根の下地になる野地板合板の貼り方。最初の一枚で水平垂直を出さないとどんどんずれていくんです。屋根の端の "役物" と呼ばれる水切り板金、ケラバや唐草ですが、雨水が入り込まないように取付ける順番がとにかく大事。継ぎ目の重なり方向は雨水の流れを考慮します。 大町のホームセンターでは想定した屋根材が調達できず、片道45分かかる店まで買出しに行きました。

小屋組みが完成し、屋根の形が見えて感動!

小屋組み
五寸勾配の切妻屋根の小屋組み完成
なんとか小屋組みが完成して屋根の形が見えてきました。感動! 次に待ち構えているのは110枚ものガルバリウム(金属建材)の横葺き材です。店頭で葺き方を教えてもらったものの、勝手がわからず、そう簡単にはいきません。メーカーの動画もプロ向けの内容で、肝心なところは端折られてて参考にならないし、YouTubeにも参考になる動画が見当たらず。 そんな中、見よう見まねでどうにか耐水の要となる屋根の下地を貼って、役物の板金加工も自分でやりました。その後、先輩とロッククライミングの装備で安全を確保してから屋根材の施工を開始したものの、3段目辺りで屋根の横方向の真ん中が下がってて水平に積み上がっていない事に気付きました。なぜなんだ!頭が混乱…。 よくわからないまま最初からやり直し。一段ずつ水糸を張って水平を調整しながらのリカバリー作業で、たっぷり一日後戻りとなってしまいました。 反対側の屋根はこの失敗経験を活かして、少しはマシに棟まで積み上がりました。まぁ、できたんだからいいか…。

小屋作りで最大のピンチが!

山小屋の屋根
失敗を乗り越えて!?ようやく屋根が完成
が、なんと肝心なところで最大のピンチが待ち受けていました。 屋根の頂部の棟板金(山型の傘の部分)の裾と屋根材の重なり寸法がほとんど無いじゃん!もう一段足すと今度はカットする場所が合わない。ある意味運が悪かった!? 絶妙な寸足らずとは、素人丸出しです。これじゃあ雨水が屋根の中に流れ込んでしまう…。 屋根屋さんはこういう時に臨機応変に板金加工してしまうらしいのですが、オヤジにはそんな技術は無くて、必殺・隙間埋めのパテ注入で妥協です…。数年のうちにやり直さないといけない宿題となりましたとさ(泣)。 さて、下から見ると屋根は素晴らしい仕上がり具合です(笑)。いつまでもくよくよしないで次に進められるのが年の功ってやつですよ!屋根が上がると一気に小屋らしくなりました。 複雑な気持ちですが満足!

実は膝の手術予定日が迫ってました

この時点で10月末。作業ができるのはあと数日です。雪が来るというのもありますが、実はコロナ禍で先延ばしされていた左膝半月板損傷の手術が待ち構えているのです。 3年前にバックカントリースキーでの急斜面の登り返しのキックターンで、足元の深雪が雪崩れてしまい谷側に転倒。半月板をやってしまったのです。これまで騙し騙し過ごしてきたのですが、限界を感じました。残りのアウトドア人生をかけて手術する事を決意。 担当医からは普通に歩けるようになりますよと言われましたが、その程度じゃ困ります。スキー、クライミング、沢登り、バイクなど全てのアクティビティーへの復帰が目標なのですから。 ということで、半月板の手術したらしばらくは車椅子生活になるため、なんとしてもそれまでに外壁づくりまで終えねばなりません。そこまで完成したらひと区切りをつけ、来春までにリハビリを終えて小屋作りを再開するスケジュールです。

外壁作業がギリギリ完了した!

外壁作業
外壁作業も失敗の連続でした
なんとか屋根を終わらせてホッとしたものの、まだ外壁作業の大仕事が待ってます。まるで現役時代の仕事の追い込みの様相です。カウントダウンモードに入った感じで、アドレナリンがドバドバ。 外壁の構造は一般住宅と同じで、柱に合板を打ちつけて透湿防水シートを貼り、それから外壁材を取り付けるための「胴縁(どうぶち)」と呼ばれる部材を打ち付けます。

購入した壁用下地合板のサイズ規格が違ってました…

まずはホームセンターへ構造用合板を購入に行ったのですが、さっそく確認不足によるミスがありました。 一枚打ち付けてみたら、板の継ぎ目が柱のセンターに届かない!合板の幅を測ってみたら900mmしかない。マジか、幅910mmの物を買ったはずなのに…。たしかに売り場の値札は910mmとあったのですが、違う規格のものを手に取ってしまったようです。やってしまいました。 軽トラで大量に買い付けてきたので、交換しに行く気力が湧きません。ここで悪魔の囁きが脳内に響き渡ります、「妥協しちゃえよw」。 敗北。 継ぎ目に1cmの隙間が出るハメになってしまいました。これが後々響いてくるとは思うはずも無く…。焦ってると失敗だらけですね。

窓が先なのかぁ!

合板を貼り終えてから防水透湿シートまで貼り終えました。小屋建築作業の冬眠前になんとか外壁が仕上げられそうな感じ。 外壁の仕上げ材も悩みましたが、耐用年数や積雪期を考慮してガルバリウム鋼板の角波板にしました。ホームセンターの在庫都合で2色展開になってしまったけど、やむを得まい。 で、ここでも失敗が! 筆者のポリシーは“段取り八分”なのに、思考が作業に追いつかず”段取り三分”位になってしまっていたのです。 LINEでやりとりしていた先輩から、「外壁材より窓の据付けが先だよ!」との指導が入りました。ガーン!窓は翌年の春からにしようと思ってたのに…。またまた大ピンチです。

YouTubeの窓作成DIY動画をあさる

自作窓
自作の突き出し窓
どんな窓を作るか全く考えてなかったというか、屋根作りで思考の限界になっていた当時、考える余裕がなかったのです…。 慌ててYouTubeのDIY動画で窓作りの事例をあさり、簡単に作れそうな窓を検討しました。結果、ガラスは使わず、「ハモニカーボ」という中空のポリカーボネイト製の材を使った突き出し式の窓に決定。 手間がかかったのが蝶番の取付け。電動工具がそろっていないため、蝶番の厚みの欠き込み作業はノコギリとナイフで慎重にやりました。時間のかかる作業でモチベーション維持がきつかった…。四枚の窓を作るのに、丸3日もかかってしまいました。

助っ人達と並行作業で追い込み

筆者が窓作りをしている間に、助っ人に来てくれた仲間達に外壁作業を並行して進めてもらうことにしました。 壁の合板の上に防水透湿シートをぐるっと貼っていく作業。大型のホチキスみたいな“タッカー”で打ち付けます。次に胴縁を打ち付けたら、最後の外壁材を打ち付ける準備が完了です。 この時点で、残された作業日数はあと2日。 外壁材のガルバリウム角波板を重ねてビス穴をドリルで一気に開けようとしましたが、鋼板同士が滑って穴がズレてしまったり、窓の位置の鋼板の切り取りの向きを間違えてしまったり、その後もトラブル続きで予定より半日遅延。 翌日も朝から日暮れまで必死に作業して、なんとか外壁の打ち付けが完了しました!この時はもう完全に「仕事モード」。

なんとか屋根と外壁が完成!が、ちゃんと(?)オチがありました

仲間達の助けでなんとか冬前に屋根が上がり、外壁と窓が完成できました。さて、迎えた帰宅予定日11/3文化の日、達成感と脱力感に包まれながら朝食をとっていたこのオヤジは、最後のドジな勘違いに気づきます。 なんとなしに流し聞いていたFMラジオから「明日は祭日ですね、今日一日頑張りましょう!」 と明るい声が。 えっ?どういうこと?ひょっとして今日は11/2なの!?マジかよ!!なんと、数日間カレンダーも見ずに全開モードで作業してるうちに、日にち感覚がズレてしまった模様…。なんてこった…これも老化現象なのか(笑)?

春まで冬眠

山小屋の雪景色
春まで建築作業はお休みです
数えきれないほどの失敗・反省点はありましたが、何はともあれ、2022の作業は予定どおりに終わりました。 帰宅して数日後には膝の半月板手術。冬の間にリハビリを終えて復活です。次回vol.4でいよいよラスト!2023年春からの作業をお伝えします。どうぞお楽しみに!

アウトドアおやじの秘密基地づくり

おやじライター丹羽孝之が念願の山小屋をフルDIYで仕上げていく過程をお届け。25年前に購入した長野県大町市の土地に、遊びの拠点をつくっていきます。



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