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リュックを背負って森林を歩く女性

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気軽に始めると大変?初めての山登りの時に気をつけたい、3つのポイント

これから本格的な夏の登山シーズンを迎えて、初めての登山を計画している人は多いのではないのでしょうか?でも初心者の登山は経験がないからこそ、「知っておくべき」ことが実はいろいろあるんですよ。そこで今回は初心者でも挑戦しやすい往復5,6時間の日帰り登山を想定して、『初めての山登りに必要な最小限の装備』『登り下りの疲れにくい歩き方』『知っておきたい登山マナー&ルール』をまとめました。

初心者の山登りでも揃えたい、必要最小限のアイテムはコレ!

トレッキングの道具

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①はじめの一歩も、最後の一歩も、登山靴次第。

岩が出ている場所や、滑りやすい土の上など、足場が不安定な山道を歩くのに、まず揃えたいのが靴。登山ともなると、数時間は歩くことになり、足にも相当負担がかかります。途中でケガをしないためにも、街で履くようなスリッポンや、足底にクッション性がまるでないスニーカーなどは絶対にやめてくださいね。 □軽登山・トレッキング用のシューズを選びましょう!
山の上から景色を眺める人

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いきなりハイカットのごつい登山靴は必要ありません。軽く、足首のホールド力のあるミドルタイプがおすすめ。軽くてフィット感のあるローカットシューズでも低めの山ならOKですが、傾斜がきつい山道はアウトです。防水性や透湿性のある靴を選べば、水たまりや急な雨などにも安心です。 □必ずためし履きをしてフィット感を確かめて!
足の形は一人ひとり違うので、甲の高さや足幅にあうものを、靴下をはいてフィッティングを。登山用品を扱う店なら、たいていスロープが用意されているので、上り下りを試してみましょう。靴の中で足がずれると、靴擦れの原因にもなります。一般的に、靴をはいた時に、つま先側に足をぴったり寄せて、踵に指1本の空間があるのが、ちょうどよいサイズと言われています。

②アウターとしてもOKなレインウェア。

レインウェア、と言っても街の中で着るようなレインコートではありません。軽い登山とはいえ、山の中は急に天気が変わって雨になったり、風が強くなったりすることもあります。雨や風に体力を奪われないよう、防寒にもなるしっかりしたレインウェアを用意しましょう。デザイン性の高いものを選べば、街でも活躍しますよ! □防水性・透湿性は必須!
ゴアテックス(R)に代表される、防水透湿性素材のレインウェアがおすすめ。透湿性とは、汗やムレなどを外に出す機能のことで、服のなかでたまった水蒸気をため込むことがなく、快適に着ることができます。 □コンパクトさ、フードなどの工夫にも注目!
アクティブに動けるようストレッチ性をもたせた素材や、手のひらサイズにまで納まってしまうポケッタブル。靴を履いたまま履ける足元のチャック、ひさしつきのフードなどもあると便利です。脇の下や首の後ろに、ベンチレーションといって通気口付きのものもあります。

③背負い心地で選びたいバックパック。

トレッキング用リュックとトレッキングシューズ

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日帰り登山に必要なものは、水や食料、地図にレインウェア、着替え、季節によってはフリースなどのミッドレイヤーまで、ざっとあげただけでも結構あります。それらを全部収納するには、やはりバックパックは必須。日帰りだったら20~30Lで十分です。手持ちのリュックでも代用はできますが、ショルダー部分がしっかりしていないと、荷物以上の重さを感じることになり、疲労度も高くなりますので、注意してくださいね。 □ショルダー&フレーム、ウエストベルト、チェストベルトが大事
重い荷物を背負って頂上を見つめる男性

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まずは背負い心地の良さが一番。背負ってみて、ショルダー部分とフレームが自分にフィットするものを選びましょう。バックレングス(背面長)短い女性向けのリュックも数多くあります。ウエストベルトとチェストベルトもしっかり締めて確認してください。サイドやフロントにポケットがあるものは、水筒や小物を収納できて便利ですよ! □バックパックのタイプ
バックパックには大きく分けて、大きくファスナーがついているデイパック型と、雨蓋型の2タイプあります。日帰り登山を想定しての30Lクラスだと、デイパック型のほうが種類は多くなっています。このタイプは荷物の出し入れが簡単ですが、雨の場合は、ファスナーから水が入り込んだりする可能性も高いので、レインカバーを用意しましょう。最近ではレインカバー付きのモデルも数多く出ています。

歩き方は疲労を左右する!?疲れにくくなる歩き方って?

マラソン選手が腕時計をして走るのを見たことがありますか?あれは時計で自分のペース配分を管理しているのですが、実は登山も同じで、ペース配分がとても大事。そして、登り下りの歩き方にも、疲れにくくなるちょっとしたコツがあるのです。楽しく登山ができるように、ぜひ頭の片隅に入れておいてくださいね。

①登りの歩き方

高い山を見つめる男性

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いよいよ登山スタート!気持ちがわくわくしますね。でも、はやる気持ちを抑えて、まずはゆっくり足慣らしをしていきましょう。30分ほど歩いてみると、バックパックのショルダーベルトが緩んでいたり、荷物が左右どちらかかたよってしまっていたり、服装の調節が必要だったりすることがあるので、休憩しながら、直しましょう。 ●ペース配分が大切 登りは傾斜があり、感覚的には下りよりもきつくなります。最後まで歩ききるためにも、ペース配分が大事です。いきなりハアハア息切れしてしまうようなピッチで歩くのではなくて、同じペースで歩幅を気持ち狭く、ゆっくり歩きます。エベレスト登頂経験があるプロスキーヤーの三浦豪太さんによると『ゆっくり会話しながら歩いて50分ごとに休むカメ戦法』が『速いスピードで歩いて30分ごとに休むウサギ戦法』よりも疲れにくいそうです。 ●登りのコツ 登りは、膝を持ち上げるようにして歩きます。バックパックを背負っているからといって、背中を丸めてしまうと、腰にも負担がかかってしまいます。頭から膝を持ち上げていないほうの足裏まで、一直線になるように重心をのせ、持ち上げた足は、靴底全体が地面にしっかり着くように意識しましょう。後ろ足にある重心を、前足が地面についたら、前足に移すようなイメージです。重心移動がスムーズにできるようになれば、きっとラクに上れるようになるでしょう。

②下りの歩き方

目的地について、達成感を味わったあとは、いよいよ下りです。ハアハアすることもないので、「下りは登りよりもラク」と思いがちですが、膝や筋肉に負担がかかるのはむしろ下りのほう。下りのほうが気持ちも緩みがちなので、ケガをしないように気をつけたいですね。 ●急がず、歩幅を狭くして 下りは、体が下に引っ張られて、足がどんどん前に進んでしまいます。急ぎすぎることのないよう、歩幅を少し狭くしてペースを守って下りましょう。岩が露出している場所など、段差がある場所では、安定して前足を降ろせる場所を確認しながら下ります。段差では膝にも負担がかかるので、なるべくゆっくり静かに足を降ろしましょう。 ●下りのコツ 登りと同じで、後ろ足にある重心を、前足の着地と同時にゆっくり移す、というイメージです。下りの斜面では、前足に重心がある場合、ぬれた土や木の葉の上では滑りやすくなります。後ろ足に重心が残っていれば、たとえ前足が滑ってもぐっとこらえることができるのでスリップすることも減ります。急な斜面では腰をかがめるなどして、重心を安定させましょう。

登山マナーを守れば、登山がもっと楽しく!

登山は自然を楽しむアクティビティ。だからこそ、自然破壊につながるようなことはやらない、ということは山でのルールです。そして誰もが気持ちよく登山ができるように最低限のマナーは守りたいものですよね。そこで初心者にも絶対に知っておいてほしい、山でのルールをまとめてみました。

ゴミは必ず持ち帰りましょう

自然環境や景観を守るために、出したゴミは責任を持って持ち帰りましょう。

動植物の持ち込みは原則禁止です。

自然の生態系を守るため、植物や種子の持ち込みはやめましょう。犬を連れての登山も流行っていますが、リードが外れて、野生動物に影響を与えるかもしれません。他の登山客も犬が好きな人だけとは限らないので、初心者は動物を連れて行くことはやめましょう。

動植物の持ち出し・採取は禁止です

山道を歩いていると、普段見られないような、珍しい植物があります。自然保護のために、記憶の中だけにとどめておきましょう。ロープが張られているような場所への立ち入りもやめましょう。

登山客同士で挨拶をしましょう

すれ違う時や追い越す時には、「こんにちは」「ありがとうございます」と挨拶や会釈をしましょう。お互いに気持ちよく登山ができるはずです。

すれ違う時は登る人を優先に

広くはない道で、登りと下りの両方から人が来てしまった場合には、登りの人が優先です。待っている人は、山側に立ち止まって、通り過ぎるのを待ちます。

落石を起こさないように気を付けましょう

小さな石もスピードがつけば危険。できるだけ道をはずれずに歩き、落石をおこさないようにしましょう。

喫煙の際の配慮と、吸い殻の後始末をしましょう

多くの人が集まっているところではしない、など周囲に配慮しましょう。山火事の危険性もあるので、吸い殻は責任を持って持ち帰りましょう。

登山計画書を提出しましょう

たとえ日帰りでも、山の中は何があるか分からないもの。一人で登山する時には特に、家族や周囲に行き先をつげておきましょう。行先やルートなどを記した登山計画書(登山届)を書いて、登山口のポストに投函しましょう。 ⇒日本山岳協会のホームページで「登山計画書」がダウンロードできます。 日本山岳協会ホームページ

まとめ

以上、安全で楽しい山登りデビューのために、知っておくべき3つのポイントはいかがでしたか?初心者は、はじめは無理をせず、時間に余裕をもって計画することが大事です。どうぞ、はじめての登山が楽しく、充実したものになりますように!


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