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人気キャンプブロガーkabawoさんの自宅のベランダ

【kabawoさん自宅訪問インタビュー!】「魂のこもっているモノを選ぶ」人気キャンプブロガーが語るポリシーとは

2019.03.25ノウハウ

キャンプブログやinstagramなどで、おしゃれキャンプ界を引っぱっている人気キャンプブロガーのkabawoさん。そのkabawoさんが昨年デザインし建築されたばかりのマイホームの中で「キャンプのこと、ブログのこと、ギアの選び方、キャンプスタイル」についてインタビューさせて頂きました。

kabawoさんってこんな人♡

自宅のソファに座っているkabawoさん
kabawoさんは洗練されたお洒落なスタイルのキャンプをブログやinstagram、twitterさらには多くの雑誌などから発信しているキャンパーさん。キャンプだけではなくインテリアやDIYのジャンルでもそのセンスをいかんなく発揮し、広く深く情報発信をし続けています。 お仕事は本人いわく「普通のサラリーマン」。昨年自らがデザインして建築した埼玉県のご自宅に奥様と3人のお子さんとお住まいです。 kabawoさんのブログはこちら:kabawoのそとあそび
━━━ kabawoさんは何をしている人なんですか? kabawo:普通の会社員です。今日も午後から出社です。 ━━━ キャンプはいつから始めたんですか kabawo:7年くらいかな、そんな長くないです。もともと車とバイクが好きで、キャンプも年一行くか行かないかくらいでしたね。子どもが生まれて、バイク危ないぞってなったんですよ。子どもが1歳の頃から始めましたね。1歳だと色々大変じゃないですか?って聞かれますけどむしろ1歳までが一番楽ですね。歩き始めると途端に好奇心が増して危険度があがってしまうので。 ━━━ いつもご家族でキャンプされているんですか?キャンプ頻度は? kabawo:いや、家族は行かないです。1年に1,2回しか家族でキャンプはしないですね。いつも1人でキャンプしています。前は自分から行っていたんですけど、キャンプは誘われたら行こうかなというスタンスになりました。ただ自宅を建てたりで忙しくて、しばらく誘われても行けなかったら最近は誘われなくなっちゃってなかなか行かなくなっちゃいましたね。
kabawoさんの自宅にある暖炉
━━━ 素敵なおうちですね、ここにはいつからお住まいなんですか? kabawo:ここには23歳から33歳まで中古の家を購入して住んでて、去年家をぶっ壊して、もう一度建て替えたという感じです。キャンプ道具が家中に溢れて片付かなくなってしまって、もう家たてかえようっていう結論にたどり着いたんです

ブログで発信をし続ける事について

ブログだけではなく雑誌やインスタグラム、ツイッターなどでも自分のスタイルを発信をするkabawoさんですが、ブログで発信を続ける事について「使命感で続けている」と言います。その言葉の中にある伝えたい想い とは? ━━━ 最近ブログよりインスタ(instagram)の勢いがありますね。 kabawo:そうですね、ブログのブームも終わりつつある。ただインスタで発信した情報は残らない、自分のさえ残らないんです、検索にひっかからないからね。突発的に人気がバン!とあがってバンと下がるようなイメージがある。 ━━━ ブログとインスタはちょっと違いますか? kabawo:ブログは続けないといけないから、ほぼ使命感で書いてます。例えば、廃盤になってなくなったアイテムがあったとして、30年後に誰かが検索したときに、インスタのデータは消えてないけどブログはサイトがある限りは見れるんです。 ━━━ そんなことを考えてブログをやっているんですね。やり続けていくうちに気づいたことですか? kabawo:そうですね、インスタが始まりだした頃から感じていたと思います。僕が影響を受けたブロガーさんの風空さんとかは今はもうブログやめちゃってますけど、そういう風にキャンプの基盤を作った人による教科書があったんですよ。みんなインスタをやり始めて、ブログが面倒くさくなってやめちゃったりとかでインスタに流れて、ブログがあがってこなくなっちゃたんですよ。 ━━━ ストック型じゃなくて、フロー型の情報収集になっていますね。 kabawo:そうすると本当数年後にこのテントを調べたいとか、当時どういうものが流行ったのかっていうことを調べたい人が将来出てきたりしても、もう情報が追えなくなって、流行がわからなくなってしまうことになりかねないですよね。自分たちもモスの歴史だったりとか、MSRの歴史とかだったりとか全部ネットでブログに書いてくれた人がいたから知れたのに、その人がいなくなっちゃったらもはやお蔵入りですよね。その使命感ですね。 ━━━ いまkabawoさんは何が気になっているんだろうなって、定期的にkabawoさんのブログを見ています。ブログから人気に火がつくってありますよね。 kabawo:これ(ブログで人気に火がついたもの)に関しては一回火がついちゃえばずっと下がらないですよ。

魂のこもっているモノを選ぶ、というこだわり

kabawoさんの自宅のキッチン
次々と新しいアイテムを発信しているkabawoさん、どういう基準でアイテムを選んでいるのかを聞いてみました。「カッコいいから」、という答えをイメージしていた私を裏切る答えがそこにありました。
kabawoさんのキャンプ道具が収納してある倉庫
━━━ キャンプ道具の収納は庭にある自作の倉庫ですか? kabawo:そうです。基本は外の倉庫にいれるようにしています。でもテントだけは寝室に置いています。テントの手入れは面倒くさいことばっかりなんですよ。くさくなったり、温度差が出ると加水分解といってベトベトになったりします。だからなるべく温度が一定のところに置いておかなきゃいけないんですよ。なので衣装ケースにいれて乾燥剤をかけて保存しています。 ━━━ キャンプ道具に対する愛情ですね。 kabawo:そうしないともう、取り返しのつかないことになってしまうので・・・。そういえばこないだ、加水分解してしまったテントのベトベトを直す薬を開発しました。モスとかMSRとかダナーとか大体加水分解するんですよ。いつベトベトしだすか臭くなるかとかひやひやしながら購入するんですけど、そのベトツキを直す液体です。 ━━━ えぇぇ!!!(一同驚き)全部自分で作ったんですか? kabawo:そうですね。加水分解したテントってはがすしかなかったんですよ、重曹なんかを入れたお風呂につけて洗うって作業をしなければならなかったんですけど、そうすると繊維がペラペラになってしまうんです。これははがすのではなくて、塗ってあげることで繊維を長持ちさせて使うことができます。
━━━ kabawoさんが持っているテントって普通のテントじゃないから・・。 kabawo:こないだアメリカから取り寄せたテントがあって、それが日本で3張ないんじゃないかなっていうものなんです。モスのテントで、30年前くらいのテントだと思いますがほぼほぼ新品で、こんなブルジョアなテントないんじゃないかって思ってます。 ビルモスっていう社長が1980年にモスっていうテントブランドを立ち上げたんですけど、スノーピークとかの原型になっているのが、このモスのテントなんですよ。 ━━━ kabawoさんは常に新しいギアを発信しているイメージがありますが、どういう基準で選んでいるのでしょうか? kabawo:日本的な企業ってあんまり好きじゃなくて。日本って総合商社が多くないですか?例えば自動車メーカーなら、コンパクトカーを作れば大型車を作ってって全部やりたがる会社があるじゃないですか、海外だとジープだと四駆しか作らないでいたり、フェラーリだとスポーツカーしか作らなかったり、一点のところにかけるのが海外なんですよ。 kabawo:それに下町の工場とかで大量生産してブランドのラベルはって、1,000円とか2,000円高く売ってるような中途半端なところもある。日本人ってどうしてもそのブランドならそのブランドで全部揃えたがったりするから、そのニーズにはあってるのかもしれないですけど、自分はテントだったらテントばっかり作っているプロフェッショナルなメーカーが好きですね。 ━━━ だから上場していないよう小さなガレージメーカーのギアを多く発信しているのですね。 kabawo:ガレージブランドの人ってほんとに作りたいものを作るんですよ。(自宅で使っている)このテーブルも知り合いのおっさんが板から切り出して全部趣味で作っているんですけど売れるレベルなんですよ。それだけにこだわっているようなメーカーって最近結構ごろごろしてるんです。そういう風なブランドの方が自分の性に合っているかなって思います。モノって魂が入っていると思うんですよ。今世の中にはいっぱい物があふれていて量産品を買って壊れたら捨てるっていう感じだけど、ひとつひとつ職人さんが作ったりとか、魂がこもった、こだわりを持った商品が好きでそんなのばっかり買っていますね。
インタビュー中のkabawoさん
━━━ もうずっと、そうやってモノを選び続けているんですか? kabawo:そう言われるても・・・いつからかっていうのはわからないですね……。 kabawo:うーん、だって、甲子園の球児って、土持って帰るじゃないですか、あの土って俺から見たらただの土じゃないですか、100g500円とかでも買わないのに。でも高校球児にとっての土っていうのは、高校野球をやり続けた3年間の結晶だと思っていて、彼らにとってはものすごい価値がある。その気持ちとか思いっていうのがモノにはこもると思うんですよ。 kabawo:だからホームセンター行って100円の量産品タワシと300円の職人が心をこめて作っているタワシがあったとしたら、どちらかというと300円のタワシを選びたくなるだけですね。庭で使っている薪割り道具とかもスウェーデンの何十人っていう職人がいる中で作ったギアに全部職人の名前が入っているんですよ。すごいなって思って。だれだれが作って、責任持ってますっていう証がかっこいいです。
kabawoさんの自宅にある棚に飾られているランプ
━━━ いつからそんなポリシーを持つようになったんですか? kabawo:何だろう、工具から入っているのかもしれないです。自分工具が好きで。会社員なんですけど、車の機械の修理とかメンテナンスをしているんですよ。それでかな。 ━━━ あぁ、すごく納得しました!職業柄、プロの作ったものに出会う機会が多かったからそういう風に思うようになったのかなと感じました。

新しいギアを見つけるアンテナはどこに?

ベランダにある調理器具
kabawoさんの発信する情報はいつも新しい。その情報をどこから掘り出してくるのか、そんな単純な疑問をぶつけてみました。 ━━━ 常に新しいブランドやギアを発掘しているイメージがありますが、そういうアイテムってどうやって見つけているんですか? kabawo:インスタとかFacebookとかですかね。キャンプつながりで知り合った、アンテナ張っている人が周りに多いんです。インスタやFBはブログよりも情報の更新が早いので、オンタイムで情報を得れているような気がします。 ━━━ Facebookの知り合いはどちらで繋がった人が多いのですか? kabawo:GOOUT(キャンプイベント・フェス)とかですかね。以前のGOOUTはすごかったですよ。今は出店料が高くてなかなか出せないですけど以前は安かったから可能性に満ち溢れたガレッジメーカーがいっぱい出ていたんです、楽しかったな。
kabawoさんのインタビューの様子
━━━ そうは言っても始めの頃ってウェブに情報が少ない状態じゃないですか。そういう状況の中でのアンテナのはり方ってどういう風にしていたんですか? kabawo:僕にはすごいと思ってお手本にしていた人がいて、僕がブログ始める頃にカリスマブロガーだった風空さんっていう方なんですけど。キャンプ雑誌を見ていて、「何だこの人は!」っていう衝撃をうけて、ネットで検索したらブロガーさんだったんですよ。それが風空さんです。 それまでも色んなスタイルには挑戦していて、かわいい系の女子キャンプの会にも入って、ピンクのコンテナとか買おうとしたこともありました。レジまで行って我にかえりましたが。 ━━━ 好奇心が強いんですね。 kabawo:なんか色んなところに首突っ込んじゃうんですよね。その時は競争みたいな感じでしたね。どれだけかわいくしなければいけないのか!みたいな。 ━━━ 一応そういう流行の渦にも巻き込まれてみるんですね。そこから抜けて、今のkabawoさんの世界に行ったんですね。 kabawo:最初はテントに何があるかなんてわからなかったけど色々調べてみたら、ヒルバーグとかモスとかMSRとかが自分にはドンピシャだったていう感じですね。

発信し続けることで人と違うスタイルでいる

kabawoさんの自宅のベランダ
「魂のこもったモノを選ぶ」というポリシーを持つと同時に「人と違ったスタイルでいる」ことにこだわりを持つkabawoさん。kabawoさんが発信する情報は常に流行を作り出しているので、流行りが追いついて来たらまた違う発信をするの繰り返しです。そんな追いかけっこすら楽しんでしまう様子が印象的でした。 ━━━ やっぱり人と同じ感じは嫌ですか? kabawo:嫌ですね。以前はテンティピ(テント)を持っている人なんて全然いなくて、多分僕が取り入れたのが日本で一番早かったんですよ。でも増えたらさめちゃうんです。 ━━━ kabawoさんと同じものが欲しいなぁと私も思うんですが、ブームになるころにはkabawoさんはもうそこにはいないという・・常に頭ひとつ上にいる感じがします。 kabawo:いやいや、ひとつ下にいる事もあります。情報を得るために、アメリカのオークションサイトとかもたまに見たりしています。そこでちょいちょい買ったりしてますね。日本で5万で売っているものをアメリカだと1万で売ってたりするんですよ。 kabawo:そこで超かっこいいと思ったものが無名のガレージメーカーだったりするんですが、それが流行るかって言われたら流行らないんですよ。人とかぶらなかったりとか、レアなもの持ってる満足感が強いですね。

まとめ

kabawoさんの自宅のベランダに置いてある椅子
キャンプの楽しみ方は人それぞれですが、「自分にとって快適な空間を作る」事もキャンプの楽しみ方の一つです。自分の大好きなギアに囲まれてキャンプや生活をすること、流行に飛びつくのではなくて、流行を作り続けることを楽しむkabawoさん。センスだけでなく、芯のある素敵なキャンパーさんでした。

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