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スノーピークのイベント

【取材】伝統の地でキャンプ体験!スノーピークが手がける異色のツアーで、自然と人と文化が交流

人気アウトドアブランド・スノーピークがプロデュースするキャンプツアー「LOCAL WEAR TOURISM」。スノーピークとゆかりある地を訪ね、テント泊をしながら土地の伝統や人々の想いに触れる旅です。今回は、2020年11月に開催された岩手県一関市のツアーに参加。今後も定期的に開催されるので、個人ではできない特別な体験を味わってみてください。

人と土地が交流する旅「LOCAL WEAR TOURISM」

スノーピークのローカルウェアツーリズム
キャンプからライフスタイルまで、生活に寄り添うアウトドアブランド「スノーピーク」。同ブランドが手掛けるアパレルライン「LOCAL WEAR(ローカルウェア)」は、その土地ならではの素材や伝統技法を駆使した製品づくりを行っています。 その職人たちと関わる中で、彼らが後継者不足に悩んでいることを知ったスノーピーク。地域に根付いた伝統文化を未来に継承していくため、立ち上がったのがこの「LOCAL WEAR TOURISM(ローカルウェアツーリズム)」です。 今回体験してきたのは、岩手県一関市で行われた「LOCAL WEAR TOURISM in ICHINOSEKI 2nd」。人と自然と文化が交流する、特別なツアーについて紹介します。

当日のスケジュールはこちら

1日目 12:00 JR一ノ関駅にて集合。専用車で宿泊地へ 12:30 骨寺村荘園交流館へ到着・開会式~トークセッション 13:30 スノーピークスタッフとともにテント設営 14:30 専用車にて、京屋染物店へ移動 15:00 LOCAL WEAR IWATEを手掛ける京屋染物店にて染め体験 18:00 山王山温泉 瑞泉郷にて入浴 19:30 骨寺村荘園交流館に戻り、岩手の旬の食材でバーベキューディナー 20:30 焚火ラウンジ 22:00 テントにて就寝・消灯 2日目 06:00 起床~テント撤収 07:00 毛越寺に移動し、坐禅体験・境内散策 08:30 毛越寺周辺の美しい景観の中での朝食 09:45 秀衡塗 翁知屋にて、うるしの勉強会・工房見学に参加 11:00 平泉文化遺産センターにて、歴史を学ぶ 12:30 解散

テント設営で、土地に直にふれる

餅をつく子ども
到着するなりさっそく始まったのは、なんと餅つき!一関では、伊達藩から伝わったもち食文化が今もなお続いています。節目や祝事には餅を食すのが通例。地元の方に手伝ってもらいながら、子どもも大人も一緒になって杵を振り上げていました。
スノーピークのツアー
餅つきが終わったあとは、開会式とトークセッションへ。スノーピークの代表・山井梨紗氏と、スノーピークのローカルウェアを手掛ける京屋染物店代表・蜂谷淳平氏が、今回のツアーへの想いやお互いの関わりなどを語ってくれました。
餅とりんごジュース
トークセッションを聞きながら、参加者に振舞われたのは、岩手の果樹園で採れたりんごのジュースと、きな粉・あんこ・納豆醤油でそれぞれ味付けされた餅。耳と舌とでさっそく一関の地を楽しみます。
テントを運ぶ人
開会式とトークセッションが終わったあとは、宿泊するためのテント設営へ。宿泊地である骨寺村荘園交流館は、かつて「骨寺村」と呼ばれた荘園で、国の重要文化的景観にも指定されている特別な土地です。普段は泊まれない場所でのテント泊に、参加者はワクワク! スノーピークが用意したテントやシュラフを持って、さっそく設営へ。
テントの設営
テントの設営
今回参加していたのはキャンプ初心者が中心。ですが、スノーピークスタッフが設営をしっかりサポートしてくれました。「次回は1人でも設営できる!」と自信がつくほど丁寧な指導で、多くの参加者にとって、キャンプが好きになるきっかけになったことは間違いありません。
スノーピークのイベント
ずらりとテントが並ぶ様子は壮観。指導のおかげでどのテントも美しく張られています。

染め体験で、ローカルウェアのルーツを知る

染物の体験
設営後は、今回のメインイベントでもある染め体験へ。京屋染物店の工房へ訪れ、職人から直接指導を受けながら染め体験を行います。
染物の体験
染めるのは手拭い。スノーピークのトレードマークであるアスタリスクと、参加者の名前の型が用意されており、思い思いに手拭いの上に散りばめてどんな模様にするか考えます。
染物の体験
京屋染物店で用いられているのは「手捺染」と呼ばれる技法で、スキージという道具を使ってのり(インク)を生地に押し込みます。絶妙な力加減が必要となるため、しっかりとお手本を見た後に実践です!
染物の体験
染物の体験
きれいに色が入ったら、手拭いを乾燥させるために天井へ吊るします。ここからは職人の出番。染料と生地を密着刺さるための蒸し、余分な飲料を落とすための洗い、脱水し、再度乾燥させるという工程を、なんと一晩のうちに行います。ツアーから帰る前には、染め上がった手拭いを渡したいという熱い心遣いを感じました。
お土産屋ののれん
酒屋ののれん
染め体験が終わったあとは、一関の散策へ。和菓子にまつわる歴史資料蔵「寿梅文庫」を持つ和菓子店「松栄堂 総本店」や、伝統の清酒を造る「世嬉の一酒造」など、地域の魅力あふれる場所へ立ち寄ります。

食と焚き火で、人と交流する

夜の様子
夜の食事
一通り堪能したあとは、いよいよ夕食です。メインは岩手で採れた鹿肉や野菜を使った卓上バーベキュー。他にもさまざまな地域の食材を使った料理がビュッフェ形式で用意されました。
乾杯の様子
気温の低い11月でしたが、食事をした幕内はストーブによって快適に保たれ、おいしい食事に体の芯からほこほこ暖まりました。
獅子舞の様子
ワイワイとスタッフや参加者同士で会話をしながら食事を楽しんでいたところ、突如会場の中心で獅子踊りが鑑賞できることに!一関の伝統「行山流鹿踊り」を受け継ぐ地元の人々が、この日のために密かに用意してくれていました。暗闇の中、衣装をまとい舞う姿は圧巻。
焚き火で談話
獅子舞に圧倒され、食事もひと段落し、ゆったりとした時間のなか、会場のあちこちで火が起こされていきます。最後のお楽しみは焚き火ラウンジ。火を囲みながら、参加者・地元の方々・スノーピークスタッフが入り混じって語り合います。

伝統が生まれた、平泉の文化を学ぶ

座禅の体験
座禅の体験
翌朝は6時ごろ、早々に起床。シュラフなどの片付けを行ったのちに向かったのは、国の特別史跡、特別名勝に二重指定された天台宗の寺院・毛越寺です。ここで45分間の座禅を体験。澄み切った気持ちで1日の始まりを迎えます。
境内での朝食
境内での朝食
境内を案内してもらいながら、庭園へ移動。そこはスノーピークのチェアとテーブルが用意された、朝食の特設会場に変身していました。特別名勝に指定されている「毛越寺庭園」で食事を行うのは今回のツアー参加者が初めて。美しい紅葉を眺めながら、地域の食材を頂きました。
漆の体験
漆の器
食事を終え、2日目は平泉の文化を学びます。まず向かったのは、漆塗りを続けて60年以上の歴史を持つ「秀衡塗 翁知屋」。実際に漆塗りが施された食器に触れながら、技法やその価値についての勉強会を行いました。
文化センターの看板
文化センターの内観
最後に向かったのは「平泉文化遺産センター」。平泉の地に残された文化遺産について、パネルや映像を使って紹介する施設です。安倍氏の時代から現代にまで続く平泉の歴史を一通り知ることができます。じっくりと遺跡を眺めたり、説明書きを熱心に読み込んだりと、参加者は思い思いに当時の世界へ浸っていました。
染物の体験
すべての行程が終了し、解散…の前に、染め体験で染めた手拭いが到着!急ピッチで作業を進めてくれた京屋染物店からのうれしいお土産になりました。

人と自然と文化をつなぐ、スノーピークの心意気

イベントの様子
文化や土地にふれつつ、実は人との温かな交流が一番の収穫だった今回のツアー。人と人とがつながることで、その土地や伝統が息を吹き返すような、そんな不思議な感覚を味わうことができました。ただの旅行ではない、特別な体験ができる「LOCAL WEAR TOURISM」。ぜひ一度体験してみてください。 公式はこちら:Snow Peak LOCAL WEAR TOURISM


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