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【取材】プロ3人が語る。2020年のアウトドアウェアはこれが来る!

2020.01.16ノウハウ

2020年のアウトドアウェアは一体どんなものがトレンドになるのかー。アウトドア業界に詳しい3人の目利きに、その動きを予想してもらいました!果たしてどんな意見がやってくるのでしょうか。感度の高いキャンパーは要チェックです!

2020年のトレンドを今からチェック!

2020年のアウトドア業界は、まだまだ拡大する勢いが止まりません。特に各アウトドアブランドが注力するのがウェア。商品展開はさらに加速する見通しです。今年も各ブランドがアパレルの流行を取り入れつつ、アウトドアの動向も探りながら、デザインと機能の両立を追求した肝いりの逸品をリリースします。 2020年のアウトドアウェアのトレンド感から今後の展望まで、業界の最先端に立つプロフェッショナルたちに話を伺ってきました。

2019年のトレンドをおさらいしよう

大きなトピックスは、年々大きくなってきている「サステナブル」(持続可能性)の声。2019年はより一層その意識が高まり、あちこちで飛び交っていたのが印象的でした。色としてはくすみブルーやサンドカラー、カーキグリーンが流行しましたね。

二極化する未来 / スノーピーク(阿部さん)

「アウトドアも多様化が進む現在、ぱっくりと二極化していくのではないか」 こう語るのは、スノーピークPR担当の阿部さん。アウトドアとタウンユースの垣根が限りなく低い「アーバンアウトドア」は、今や定番化しています。同時に機能性も進化し続けています。この2つの傾向のうち、各社ブランドはどちらかに偏っていくのではないかということです。また、他ジャンルのブランドもだんだんとアウトドア化していく傾向にあります。タウン向けのアイテムも、徐々にテクノロジーを乗せるようになり、アウトドアブランドだけの特権ではなくなっていきそうです。
さらに阿部さんは「ダウンやフリースといったここ最近の流行は、来年も継続する」と予想。また「女性進出が進みつつあるアウトドア業界では、より女性受け、ファミリー受けの良いアイテムがどんどん出てくるだろう」という見解も示しています。例えば、UVカットアイテム。紫外線が気になる女性や、自分の子供に着せたいというお母さんも多そうです。
スノーピークはこの流れの中で、インセクト・シールドシリーズをより広く展開していきます。いわゆる防虫ウェアと呼ばれるこのシリーズは、発売からシーズンを重ねるごとにじわじわと人気が出てきており、女性からの人気も高まっています。特にビギナーは基本的に春夏にキャンプを楽しむことが多いので、人体に無害で、かつ着ているだけで虫が寄りにくくなるこのウェアは重宝しそうです。また街にもなじむデザイン性の高さは、2020年夏の街中とを席巻するウェアになるかもしれません。

テクノロジーの進化が止まらない / コロンビア(梶さん)

アウトドア業界に身を置いていると、テクノロジーが年々着実に進化していることを肌で感じます。コロンビアの広報担当、梶さんもその1人。各社ブランドが出している同じウェアシリーズでも、それぞれきちんと性能が上がっているから驚きです。例えば、これまでは薄くて軽いウェアなら、安くて機能性もそれほど高くないのが一般的でした。ですが、今は薄くてストレッチ性も高く、なおかつ防水透湿性を兼ね備えているのがもはや一般的になってきています。 特に近年は、アウトドアブランドのものではないシューズや、トレッキングシューズやブーツではないスニーカーなどですらも防水透湿機能付きのものが増えてきているため、今後、標準機能になるのではないか、と梶さんは語ります。
よりファッションチックなトレンドの話をお願いすると、こっそりと今年の流行色を教えてくれました。特に大きなトレンドカラーは、からしのように少し落ち着いた「ゴールデンイエロー」、緑に少しクリームを混ぜたような「エコグリーン」の2色。もちろんコロンビアのウェアにもところどころに散りばめられています。2020年の新作から、ぜひ探してみてください。
コロンビアもウェアの機能をより一層機能性を高めています。2020年春夏の新作である、トレッキングウェア「ユーティリティーポケット」シリーズもその一つ。重くならず持ち運べる「ライトウェイト」というコロンビアの掲げるテーマに添いながら、より利便性を向上させたシリーズです。例えばこちらのサングラスや眼鏡を使う人に特化したウェアもその一つ。胸ポケットに入れても眼鏡が落ちない工夫や、シャツ裏に眼鏡拭きのクロス素材を配するなど、細かい気遣いが嬉しいコロンビア期待の一作です。

「サステナブル」の在り方 / 4K(藤本さん)

最後に、ブランドではなくPR会社「4K」の藤本さんにお話を伺いました。KEENやマーモット、ルコックなど数々のアウトドアアパレルを扱う藤本さんに、2020年のトレンドを聞いてみると「メッシュとシースルーです!」とズバリ。どのブランドも透け感を取り入れたウェアを出しており、2020年の夏フェスはこれで決まり!とのこと。
キャンプのテントサイトで焚き火をしている写真

出典: bee32 / ゲッティイメージズ

そして藤本さんが少し気にしていたのが「サステナブル」のこと。ファストファッション業界が衰退していくにしたがって、様々なブランドが環境に良い取り組みを行なっています。それ自体は良いことですが、年々その基準が上がってきてしまっている現状。「ここまでしないとサステナブルじゃない」という雰囲気がアウトドア業界に渦巻きつつあります。定義も難しいサステナブル。今、できることから取り組むのが最良なのではないでしょうか。
思いも寄らない機能が盛りだくさんなウェアが、また何か流行るのではないか?というのが藤本さんの見解。2019年の夏は、扇風機のついた服がなぜか流行した年でした。ポータブルファンの影響を受けているのかもしれませんね。2020年でいうと、例えばマーモットの春夏新作ジャケットのように、隠れた場所に収納がたくさんあるウェアは流行をさらっていきそうです。

まとめ

三者三様の意見が出揃った2020年アウトドアウェア予想。この予想は当たるのか?外れるのか?新しいトレンドを迎えるのが楽しみです!みなさんもぜひ流行の動きをチェックしてみてください。


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