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【イベントレポ】キャンプが芸術へ昇華する。チラックスな空間でアウトドアが癖になる?

キャンプが芸術に昇華ー。自然の中でアートを楽しむアウトドアイベント「FOREST MUSEUM(フォレスト・ミュージアム) 2019」が9月7、8の両日、ポーラ美術館(神奈川県箱根町)のある富士箱根伊豆国立公園の森で開かれました。ワークショップや野外映画などの素敵なコンテンツが盛りだくさん!編集部が体験した全貌をお届けします。

箱根の森に現れた、こぢんまりとした集落

ポーラ美術館の裏にそっとある入り口をくぐると、そこには小さな集落が広がっていました。木々に囲まれたくぼ地の中心に点在するテントに、カフェや図書館、ハンモック。静かな森の中で聞こえるのは鳥のさえずりと静かな音楽に、参加者の楽しげな笑い声だけでした。シュラフだけ抱えてやってきた我々は、3つの出会いを経験することになりました。

人とのふれあい

まずは木陰にたたずむ小さな「森のカフェ」へ。気のいいマスターがドリンクを振舞っていました。夕食時の飲み物代以外は全て基本料金に含まれていたので、気兼ねなくコーヒーを一杯いただきました。
「明日はコーヒーのワークショップもやりますから、家でもおいしいコーヒーが飲めるようになりますよ」とニコニコ顔のマスター。たくさん話すわけではないけれど、全く他人の顔で過ごすわけでもない。そんな距離感が心地いい空間です。

自然との交流

これまでさまざまなイベントで見かけたバードコールづくりのワークショップ。好きな木の枝と好きなひもを選んだら、あとはスタッフさんにお任せ。金具を回すと「キュッ」と本当に鳥の鳴き声のような音。「これで鳥と交流できますか?」と聞くと、講師の方から「気持ちを乗せればきっと」と小粋な回答をいただきました。 あちこちで鳴るバードコールの音に混じって聞こえる本物の鳥の声や、森を歩く足音に合わせてその空間に流れる音楽など、自然を愛おしく思えるような心くばりを感じました。

芸術との交差

森の図書館は、普段本を読まない方でも思わず一冊を手に取ってしまう雰囲気。蔵書には、重厚な雰囲気をたたえた美術本から雑誌まで広いラインナップ。どれもがイベントの空気にぴったりと合っていて、選書にも気遣いが見られました。

森の外ではラグジュアリーな体験を

ほどよい緊張感の中、「本物」に触れる

このイベントの面白さは、キャンプからちょっと離れるタイミングがあること。自然の中でリラックスした後は美術館内を巡ります。ポーラ美術館では、館内に入り込んだ虫を殺さず追い返すことができるように考え抜かれた構造。担当者の方から「美術品も自然も大切な資産と考えている」と聞き、入館する際に自然と背筋が伸びました。 今回の展示のテーマは、歴史的名画と現代アーティストの「シンコペーション」(変化を与えること)。閉館後の美術館は貸切で、特別な時間を堪能しない手はありませんでした。

食事はあえて豪華に

鑑賞を終えたら、緊張をほどいて晩御飯。美術館内のレストランでのビュッフェ形式で、外で自ら調理して食べるのがキャンプの醍醐味ではありますが、今回はちょっと外ごはんをお休みして室内で豪華にいただきます。シェフの作る和洋折衷な料理はどれも美味しく、編集部員の松本は3度もおかわりしていました。

最も美しいひとときは、夜

美術館で過ごしているうちに、いつの間にか夜はふけていきます。そして夜こそ、このイベントが最も美しく輝く瞬間。音楽隊に導かれ、たどり着いたのは集落から少し離れた森の劇場ともいうべき場所でした。
ここでまず行われるのは、クリエイティブユニット「TOCHKA(トーチカ)」さんによる光のワークショップ。ひとり一つライトを持って、カラフルな光に包まれました。
いよいよ夜も深くなって、雨も落ち着いてきたころ、短編映画の上映が開始。夜の幻想的な雰囲気も手伝って、大画面でみる映画の世界に、次第に没入していきました。

次の朝にはきっとキャンプが好きになる

朝目覚めると、誰もが気付くはずです。初心者の方はいつの間にか、ベテランの方はこれまで以上に、キャンプが好きになっていることに。朝のコーヒーワークショップを楽しみながら、筆者も例に漏れずその想いに包まれていました。まだキャンプに二の足を踏んでいる方がいるならば、ぜひ来年にも予定されているこのイベントに一緒に参加してみてください。きっとアウトドアの良さを体感できるはずです!


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