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挑戦的で刺激的。動きやすさを求めたザ・ノース・フェイスの2019春夏新作レポート

毎シーズン、「SCIENCE OF WARMTH」など新しいテーマを設けているザ・ノース・フェイスですが、2019春夏は、今までと打って変わって、原点回帰となる商品展開になっています。そんなザ・ノース・フェイスのこだわりを、アパレルグループマネージャーの大坪さんに伺い徹底レポートしました!

2019春夏のメッセージは「シンプルに、軽く、動きやすく」

テクノロジー主導の商品展開から原点回帰

大坪:2019春夏の商品展開は、「軽く、自由に動ける」というウェアに求めるシンプルで根本的な欲求に立ち返ることを意識しました。今までのウェアはランニングやトレイルなど前進するアクティビティに特価して商品展開をしていましたが、2019春は、より普遍的に使えるウェアを目指しています。そこでフォーカスしたのがクライミングです。

クライミングにフォーカスした理由

出典:OJO Images/ゲッティイメージズ

大坪:なぜクライミングなのか。それには大きく2つの理由があります。まず、クライミングは、様々な動きに対応する機能が必要なアクティビティだからです。「登るのに最適な上下運動」「ゆっくり動いても窮屈さがない」「早く動ける」など様々な動きに対応できる汎用性の高い機能が、クライミングでは求められます。つまり、他のアクティビティなどにも通ずる根本的な機能性が、クライミングに集約されているのです。 大坪:2つ目の理由としては、クライミングは広がりのあるアクティビティだからです。近年、ボルダリングジムも増え、山に行ったことがなくても、クライミングを気軽に体験できるようになりました。子どもから大人まで、初心者からプロまで、上手い下手関係なく、同じ壁に向かって同じように楽しめるのがとても面白いポーツだと思うんです。子どもから大人まで楽しめるアクティビティだからこそ、多くの人に使ってもらえるチャンスがあると思います。

垣根をなくす発想で生まれたクライミングウェア

あらゆるいいとこ取りから誕生したスーパークライムジャケット

大坪:「スーパークライムジャケット」を作る上でキーワードになったのは90年代後半頃に登場した「クライムライトジャケット」。従来の登山ウェアは、重厚感のあるアウターを着て、体を守るという考えだったのに対し、このウェアは防水透湿素材のゴアテックスなど、新しい技術を取り入れ、より軽量に、行動範囲を広げる革新的なものでした。そこから、ただ「軽く」するだけでなく、「たやすく登る」というイメージでウェアを考えました。
大坪:例えば、雨具みたいなぺらぺらの簡易的なウェアで、ヘルメットをかぶって山に行きたいという、ニーズを叶えられる商品って実はあまりないんです。ヘルメットを着用するとなると装備は増え、急にサミットシリーズのようなハードシェルになってしまいます。そこで、雨具のように防水性があり、薄く、気軽に着れて、ヘルメットも被れ、ハーネスに干渉しない。さらにベンチレーションや、サミットシリーズのように立体成型で手を上げやすいなど、ハードシェルと雨具になかった要素を集約することで生まれたのが「スーパークライムジャケット」です。 【基本情報】 品名:スーパークライムジャケット カテゴリー:マウンテン スポーツ クライミングスタイル 価格:42,000円 発売日:

化学繊維のウィークポイントをカバーしたアビションシリーズ

大坪:ザ・ノース・フェイスのソフトシェルパンツはよく伸びて動きやすく、速乾性も高い。しかし、石油由来の化学繊維は湿度を吸ってくれません。そのため、夏の縦走で歩いたり、汗をかいたシーンでは蒸れてしまいます。この後、山を登るから膝下はちゃんと隠したいけど、蒸れるから短パンを履きたい…など悩む方も多いはず。そこで、ナイロンの湿度を吸う力をさらに高めて蒸れを軽減し、今まで登山にパンツを2本持って行っていた方も1本で事足りるようなアイテムを作りました。 【基本情報】 品名:アンビション クルー(右) カテゴリー:マウンテンアスレチック クライミングスタイル 価格:8,600円 品名:ハイブリッド アンビション パンツ(左) カテゴリー:マウンテンアスレチック クライミングスタイル 価格:13,000円 発売日:

伸縮性・デザイン性も抜群な窮屈とは無縁のタイツ

大坪:こちらは立体成型で作られたベースレイヤーのカットソーとパンツ。今までは走ることをベースに考えられていましたが、足を高く上げる動作や、ゆっくり動く動作にはランのウェアだと少し窮屈でした。そこで、このまま走っても軽快で、切り替えや、ニットもかなり伸びるように作り、日常的にクライミング、ヨガ、ランニングができるような汎用性の高いウェアを考えました。これらのアイテムがあることで、自分の世界を広げ、さらにステップアップしてくれればいいなと考えています。 【基本情報】 品名:ビヨンド ザ ウォール ロング タイツ カテゴリー:マウンテンアスレチック クライミングスタイル 価格:8,900円 発売日:

日常使いからクライミングまで幅広すぎるラガーシャツ!

大坪:こちらのラガーシャツは、見た目はベーシックですがテクノロジーを駆使した化学繊維で作られています。70〜80年代のボルダリング、クライミングのスタイルは綿などナチュラルな天然繊維素材が定番でした。しかし、地厚の綿だと一度濡れると乾かずに、体が冷えてしまいます。その欠点を補うように作られたのがこのラガーシャツ。綿の風合いは残しながら、機能性も持ちあわせて作られています。 【基本情報】 品名:クライミング ラガーシャツ カテゴリー:ライフスタイル クライミングスタイル 価格:9,200円 発売日:

クライミングの機能を展開したウェア

大坪:上記で紹介してきたアイテムはいずれも、「マウンテンスポーツ クライミングスタイル」「ライフスタイル クライミングスタイル」「マウンテンアスレチック スタイル」とジャンルと見た目は違っていても全て、クライミンングを元に作られたスタイル。この3つのラインは全く違うように見えて、機能的には結構近いんです。明らかな違いはデザイン、そして用途によってプラスの機能性を高めていることくらい。
大坪:例えば、ライフスタイルなら着用頻度が高く、洗濯する回数も多くなるため耐久性を、アスレチックならボルダリングで腕をあげる動作が多いためパターンを立体成型に…などより快適になるよう工夫しています。
大坪:ライフスタイルラインのパンツや、シャツ、ジャケットは、普段のライフスタイルでも使えるデザインになっていますが、軽さや動きやすさといった機能性はクライミングでも使えるものになっています。そのため、会社帰りにふらっと山やキャンプ、ボルダリングなどに行けて、それが生活の一部になったらいいなと思っています。

まとめ

いかがでしたか?ザ・ノース・フェイスの考えやこだわりが伝わったでしょうか。私も、ランニング用、ヨガ用、キャンプ用などのいくつかの用途のウェアを持っています。今後、汎用性が高く、走るのもクライミングするのも山に行くのにも使える垣根を超えたウェアが多く登場すれば、いち消費者として願ったり叶ったりです♪今後の展開も楽しみで目が離せませんね。

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