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【2段階右折でキャンプに行こう #04】冬キャンプ、そんな装備で大丈夫か?

2019.03.19ノウハウ

大学生が原付キャンプに挑戦します!今回は冬のテント泊、購入した装備で夜を明かすことはできるのか、そもそも原付で冬キャンプを行うことは可能なのか。hinataのライターであるごーとくが、身を張ってチャレンジしてきました。

前回までのあらすじ

デイキャンプを経て、テント泊にチャレンジするにあたり、新しくギアを購入しました。原付キャンプの魅力にハマりかけているごーとくです。

原付キャンプは冬の寒さに耐えられるのか

実を言うと、テント泊は11月中に行う予定でした。しかし大学生の本業、勉学に苦しんでおり、卒業論文に時間をとられていた結果、原付キャンプに行けるタイミングがなんと12月上旬まで押してしまいました。寒いだろうな、という思いを胸に抱きながらも、12月中に行くことを決意。本格的な冬に差し掛かった頃、購入したギアを原付にくくりつけ、キャンプに行ってきました!ちなみに卒論はまだ書き終わっていません。(※12月時点の事実です)

原付キャンプ☆新戸キャンプ場に向けて出発

キャンプギア、そもそも全部持っていけるのか!?

今回はテント泊ということで、テントやマット、寝袋など、前回よりも荷物が増えています。そこで今回は積載方法を少し工夫しました!
後方のリアキャリアには、かさばってしまうテントや寝袋などを積載し、キャンプマットはリュックを最大限活用することに。あーでもない、こーでもないと、悪戦苦闘しながら積載位置を決めましたが、実はこの時点ですでに原付キャンプの面白さを感じていました。 原付キャンプは積載が限られているからこそ、どうしたらこれだけの荷物が積載できるのか、嫌でも工夫を強いられるので、見事積載できただけでも感涙もの。積載後のこの姿は、誰が見てもツーリングキャンパーだと分かってしまいますよね。
原付の積載に関しては道交法により決められています。わかりやすくまとめると、下記のような感じです。 1. 積載量30kg以下 2. 高さ2m以下 3. 積載装置の幅+左右0.15m以下 4. 前後のはみ出し0.3m以下 などが定められています。それを遵守するよう積載するのは、決して容易なことではありませんでした…。自分の場合は、頑丈な防水バッグをカラビナ付きの荷造り用ロープでくくり、完全に固定し積載しました。オールブラックでまとめたのですが、原付のシルバーな車体とのコントラストが映えて、思っていたよりも格好よく積載できたのではと自負しています!

原付に乗って、いざキャンプ場へ

出発から1時間半、神奈川県の愛川町に入ると少しずつ山間の景色になってきました。国道412号線は舗装がしっかりとなされているため、原付で走っても快適で楽しい道でした。道中、無料でキャンプができることで有名な田代運動公園があり、12月ながらテントを張っているグループを見て、勝手に仲間意識を感じたのも冬キャンプならではかもしれません。
国道412号線沿いに山を登り、青山交差点から道志みちに入ります。さらに一本入った場所に新戸キャンプ場はありました。ここまで出発から約2時間半ほど。 キャンプ場の入り口にはゲートがあり、そこを入っていくと…
キャンプ場の受付があります。 新戸キャンプ場は道志川のほとりに位置していて、自然豊か。静かな雰囲気で、一人でゆったり過ごすにはもってこいのスポットです!知る人ぞ知る、人気の穴場キャンプ場です。営業はオールシーズン、それも予約なしでキャンプできるということで、根強いファンが多いのです。 【基本情報】 住所:神奈川県相模原市緑区寸沢嵐2362 電話:042-787-0141 営業期間:通年営業 公式はこちら:新戸キャンプ場

新戸キャンプ場はこんなところ!

目の前を流れる道志川。関東を代表する清流のすぐ近くでキャンプできるなんて贅沢ですよね♪12月は、ちょうど落ちきった紅葉とまだ樹木にわずかに残った紅葉があり、秋と冬の狭間にあるひとときの絶景が広がっていました。
文字通り、本当に四方八方を山に囲まれた自然溢れるキャンプ場であることがわかります。四季の移ろいを見られる環境でキャンプができることを考えると、日本の自然の豊かさは本当に素晴らしいなと実感しました。

キャンプ場に到着♪原付キャンプサイトを作ろう

テントを設営してみよう!

まずはテント設営に良さそうな場所を探します。この日は時折小雨がぱらつく曇りの天気で、地面も少し湿っていました。ということで、しっかりペグが刺さりそうな場所を選びます。もちろん、景色が良い場所を探すのも重要です。
選んだのは、目の前を川が流れるこの場所。川の向こう岸には急斜面の広葉樹林が広がっていて、葉っぱが色づき落葉した姿は、優雅な自然の厳しい表情をのぞかせていました。 今回のツーリングテントでリベロを設営するのは2回目でしたが、10分もかからずに設営完了!今回はバイクを乗り入れることができたため、ずっとしたかった原付&テントのツーショットサイトが完成しました!
周りにちらほらといるキャンパーさんは皆、車を乗り入れて万全の装備で豪華なサイトを作っている中、なんてコンパクトなキャンプサイトなのでしょう!逆の意味で目立ってしまっていました…♪ しかし積載する際に荷物が入りきらず、何回かテントを袋から出し入れしたせいでしわしわになってしまったのが残念です。ギアの管理は原付キャンプであろうとしっかり行わなければなりません。これ何かわかります?伸びしろですね。

いざ、キャンプ飯!

「キャンプ飯=簡単美味しい」これ大事!

今回作るのは「ケトルNo.1で作る、鶏肉のあっさり小鍋」です!野菜は切った状態で濡らしたクッキングペーパーに包み、ジップロックで持ってきました。荷物が限られる原付キャンプの漢飯、もちろんレシピは簡単! 水を入れる、具材を入れる、火にかける、それだけ!
限られた調理器具で作る、あったか小鍋が完成!ケトルを火にかけていたら、空いている場所があったのでついでに鶏肉を焼き鳥風に調理。焚き火台とケトルしか使っていないことを考えると、上出来ではないでしょうか。お湯を沸かすだけでなくクッカーとしても使うことのできるスノーピークのケトルは、ソロキャンパーの味方アイテムでした!

ソロキャンは、焚き火を肴に酒を飲む

焚き火の火を眺めながら飲むお酒は美味しいですよね。特に寒い冬、焚き火の炎とお酒だけが僕の体を温めてくれます。日中は曇ってしまいましたが夜になると晴れたのか、夜空には綺麗な星々が…。この星空と焚き火台があれば、無限にお酒が飲めるといっても過言ではありません。

就寝の時間。果たして、生きて朝を迎えられるのか!?

最初にも書いた通り、購入したギア「キャプテンスタッグ キャンプマット」、「コールマン パフォーマーIII C5」を使います。特にシュラフは11月中にキャンプをすること考えて選んだため、使用温度は5℃、使用下限温度は℃の封筒型。このギアだけで12月の夜を過ごすのは非常に不安です。そこで用意したのがこれ…
使い捨てカイロを命綱に、使用下限温度0℃「パフォーマー5」での挑戦が始まりました。このカイロをいくつか一気に開け、シュラフの中に投げ込み、就寝します…。 そして寒さで目が覚めたのは4時半過ぎでした。
これは普通にやばい。相模原市の気温が1℃のため、同じ市内でも山中のキャンプ場であれば氷点下であることは確実です。シュラフから出ると死ぬんじゃないかと思うくらい寒かったので、必死で顔まで潜り込ませ、カイロを握りしめることで寒さに耐えました。 やはり原付キャンプといえど、冬キャンプのシュラフは使用下限温度に余裕のあるものを選ばないと厳しいですね…。この点は読者の方々にもぜひ注意していただきたいです。
周りが明るくなってきてテントの外を見ると、綺麗な青空が広がっていました。おはよう世界、清々しい朝だな…と思いながらテントの外に出て、伸びをしていると…
完全にテントは霜が張った状態でした。これを見ても、夜明け前は完全に氷点下だったと断言できます。なんとか朝を迎えることができて、本当によかったです。お日様に感謝。

家に着くまでがキャンプです。

寒さが厳しかったので、朝も木炭に火をつけて暖をとりました。その火の処理をしつつ、サイトを撤収していきます。冬キャンプではよくあることですが、テントは特に結露が凍っているので、念入りに霜や水分を落とします。ケトルや焚き火台のケアは家に帰ってからでもできるため、最低限の汚れを洗って落とし、片付けます。
片付け終了!湿ってしまったテントの片付けが少々面倒でしたが、無事すべてのギアを積載することができました。これで帰宅の途につきます。前回の反省を生かして、増えたゴミなどはコンビニフックにひっかけて持って帰るようにしたため、特に苦労した点もありませんでした。
2日目は快晴!そして相模原や愛川は本当に自然が美しい!秋から冬に変わっていく自然の景色を目に焼き付けながら、爽やかな気分で帰ることができました。 行きと同じく帰りも、休憩込みで帰宅には約2時間半かかりました。しかし半分以上が山中の道のため渋滞も少なく、ストレスがほとんどないドライブでした☆

まとめ

今回の体験レポでは、「原付で冬キャンプは一応できる!」という結果になりました。冬だからこそ、あったかいキャンプ飯や焚き火を普段より楽しむことができ、自然に囲まれて過ごす一人の時間をより満喫することができます。ただ、原付の限られた積載量で夜の厳しい寒さを凌ぐのは難しく、また、周りのキャンパーさんのおしゃれで機能的な冬用キャンプサイトが羨ましく見えてしまう点もあり、初心者の方にはあまりお勧めできないかもしれません。 しかしながら、キャンプには「不便さを楽しむ」という面もあり、それもまたキャンプの醍醐味の一つです。持っていくことができるギアが限られている原付キャンプだからこそ味わえる、キャンプの楽しさがそこにはありました。不格好でも、失敗しても、全部まとめていい思い出になった原付キャンプとなりました!

編集後記

今回の原付キャンプに際しては、私個人の反省点もいくつかあったので、これらは編集部へと持ち帰り次回に生かしていきたいと思います。 積載に関してはこれが最適解がどうかは正直微妙ですが、今後もできるだけギアに負担をかけず、より多くの荷物を積載できる方法を探っていきます。また、読者の方々からするとあまり見やすいとは言えない写真もいくつかあったと思いますので、今後はソロキャンプでの写真撮影技術の向上にも努めていきたいと思います!


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